LoopcloudとSpliceを同時併用するワークフロー完全ガイド|サンプル管理を一気に時短する方法
こんにちは、kawaharaです。
この記事では、LoopcloudとSpliceを「両方」契約している人向けに、迷わず使い分けられる具体的なワークフローをまとめました。
「せっかく2つ契約したのに、どっちで探すか毎回迷う…」「サンプルがバラバラになってしまって後から探せない…」と感じている方に向けて、役割分担・フォルダ整理・検索のコツまで、初心者の方でもすぐ真似できる形で解説していきます。
ざっくり言うと、「土台づくりはLoopcloud」「隙間を埋める一撃サンプルはSplice」と決めてしまうと、かなりスムーズに曲作りが進みます。ここから、結論 → 理由 → 手順 → まとめの流れで見ていきましょう。
結論:LoopcloudとSpliceは「役割分担+テンプレ化」で迷いを減らす
最初に結論です。
Loopcloudは「長めのループとアレンジの土台づくり」、Spliceは「ピンポイントのワンショットやFX探し」に役割分担するワークフローにすると、毎回の曲作りで「どっちで探そう?」と悩む時間が一気に減ります。
イメージとしては、Loopcloud=スーパーでまとめ買い、Splice=コンビニで欲しいものを1つだけ買い足すような感覚です。普段の買い物でも「まとめて買うもの」と「ちょっと足すもの」を分けると楽になるように、サンプル探しも役割を決めておくと一気に楽になります。
このあと、
- なぜこの分け方が効くのか(理由)
- Logic Proを想定した具体的な準備と操作手順
- 同時併用でやりがちな失敗とその回避策
を順番に解説していきます。
なぜ役割分担が効くのか?Loopcloud・Spliceの強みを整理する
Loopcloudは「ループ+アレンジの骨組み」づくりが得意
Loopcloudは、長めのループ素材やステム(ドラム全体・シンセのまとまり)を見つけやすいのが大きな強みです。プラグイン版をLogic Proのトラックに挿しておけば、テンポ同期やキー変更をしたまま試聴→そのままドラッグ&ドロップできるので、曲の「骨組み」を作るのに向いています。
特に、
- ドラムループ
- コード進行が入ったシンセループ
- パッド・アルペジオなど、8小節〜16小節のループ
など、「数小節ずつ繰り返して曲のベースにしたい音」はLoopcloudに任せるとスムーズです。
Spliceは「ワンショット+個性出し」の一撃素材が得意
一方でSpliceは、
- キック・スネアなどのワンショット
- FX(上昇サウンド・インパクトなど)
- ボイスサンプル、耳に残るワンフレーズ
といった「ここぞ!」という部分で使いたい一撃素材を探すのに向いています。
Spliceアプリ側は、音量・波形をぱっと見で確認しやすいUIなので、キックやスネアを厳選したいときに便利です。「メインはLoopcloudで並べて、最後のスパイスだけSpliceで足す」というイメージで使うと、両方を無理なく活かせます。
事前準備:Logic Proとフォルダ構成を整えておく
Logic Pro用の「Loopcloud+Spliceテンプレート」を作る
毎回の作業を楽にするために、まずはプロジェクトテンプレートを作っておくのがおすすめです。
Logic Proでの設定例は以下のとおりです。
- 上部メニューの「ファイル」→「新規」で新しいプロジェクトを作成
- 最初のトラックで「ソフトウェア音源」を選び、「作成」ボタンをクリック
- トラックのチャンネルストリップのインストゥルメントスロット(一番上のスロット)をクリック → 「AUインストゥルメント」→「Loopcloud」を選択
- 別トラックとして「オーディオトラック」を2〜3本作り、「Spliceからドラッグしてくる用」として名前を付けておく(例:Audio Splice FX / Audio Splice OneShot)。
作れたら、
- メニュー「ファイル」→「テンプレートとして保存」
- テンプレート名を「Loopcloud-Splice-Template」などにして保存
としておくと、次回からはこのテンプレを呼び出すだけでLoopcloudとSpliceの「受け皿」が用意された状態でスタートできます。
サンプル保存用のフォルダを「併用前提」で分けておく
次に、Mac内のフォルダ構成をざっくり決めておきましょう。おすすめの例は以下です。
- ~/Music/Samples/Loopcloud/Projects/曲名フォルダ
- ~/Music/Samples/Splice/Projects/曲名フォルダ
- ~/Music/Samples/Rendered/曲名フォルダ(書き出したオーディオ用)
ポイントは、「Loopcloudから持ってきたもの」と「Spliceから持ってきたもの」をフォルダで分けておくことです。後から別の曲に使い回したいときに、「このキックどこから取ってきたっけ…?」と迷わずに済みます。
ステップ1:曲の方向性と「キーワードリスト」を作る
まずは1〜2分で「曲のタグ」を書き出す
いきなりサンプルを漁り始めると、どうしても時間が溶けやすいです。最初に1〜2分だけでいいので、曲の方向性をキーワードにして書き出すのがおすすめです。
例:kawaii・lofi系のFuture Bassなら、
- ジャンル:future bass / kawaii / lofi
- テンポ:140〜150 BPM
- ムード:cute / dreamy / pastel / chill
- キーワード:chime / bell / soft lead / vinyl noise / cassette
このキーワードリストを、
- Loopcloudの検索バー
- Spliceアプリの検索バー
にそのままコピペして使い回すイメージです。「なんとなく」で探すよりも、圧倒的にピンとくるサンプルに早く出会えます。
ステップ2:Loopcloudで「土台となるループ」を先に集める
Logic ProとLoopcloudをテンポ同期して試聴する
ここから実際の操作手順です。まずはLoopcloud側で曲の土台を作るところからスタートします。
- Logic Proのテンポを決定(例:150 BPM)
- Loopcloudプラグインを挿したトラックのインターフェースを開く
- Loopcloud上部の「Sync」ボタンが有効(点灯)になっていることを確認
- 必要に応じて、Loopcloudの「Key」欄で曲のキー(例:F minor)を設定
これで、Logic Proの再生ボタンを押すと、Loopcloudの試聴もテンポ・キーを合わせた状態で鳴らせるようになります。
ドラム・コード・メインループを「3トラック分」決める
土台作りでは、最低限「ドラム」「コード」「リズム系ループ」の3つを決めると、一気に曲のイメージが固まります。
具体的な手順は以下の通りです。
- Loopcloudの左上にある検索バーに「future bass drum」などを入力
- 検索結果リストから、気になったループをクリックしてLogic Proと同期再生
- 「これだ」と思ったループを、LoopcloudのウィンドウからLogic Proのアレンジ画面へドラッグ&ドロップ
- 同じ要領で、chord・synth・pluckなどのループも3〜4種類程度並べる
ここでは「完璧な音を選ぶ」よりも、曲の雰囲気を8小節だけでも作り切ることを優先してOKです。後で差し替えたくなったら、またLoopcloudから探せば大丈夫です。
ステップ3:Spliceで「隙間を埋める」ワンショットとFXを足す
SpliceアプリからLogic Proへドラッグ&ドロップする
Loopcloudで土台ができたら、次はスパイスを足す工程です。ここでSpliceの出番になります。
Spliceアプリの操作の流れは、
- Spliceアプリを起動
- 左上の検索バーに「impact」「rise」「vox kawaii」など、先ほど作ったキーワードから選んで入力
- 候補をクリックして試聴(空白キーでも再生/停止可能)
- 気に入ったサンプルを、アプリの右側に表示される波形部分から直接ドラッグし、Logic Proの「Splice用オーディオトラック」にドロップ
このとき、Spliceアプリ右下の「Download」アイコンが有効になっていれば、ダウンロードと同時にプロジェクトのオーディオとして使えるようになります。
キック・スネアだけは「お気に入りコレクション」を作る
特にキック・スネアなどのドラムワンショットは、Spliceで厳選しておくと後々かなり楽になります。
- 検索バーに「kawaii kick」「future bass snare」などを入力
- 気に入ったものがあったら、サンプル右上の「ハート」アイコンをクリックしてお気に入り登録
- 左側メニューの「Collections」から、自分用のコレクション(例:Kawaii Drums)を作り、そこにまとめておく
こうしておくと、次回以降はコレクションを開くだけで「いつものキック・スネア」にすぐアクセスできます。毎回ゼロから探すよりも圧倒的に時短になります。
ステップ4:LoopcloudとSpliceを同時併用する時の注意ポイント
① クレジット(ポイント)の使い道をあらかじめ決めておく
サブスク型のサンプルサービスは、月ごとのクレジット(ポイント)が決まっています。LoopcloudとSpliceの両方を使う場合、「Loopcloudはループ中心」「Spliceはワンショット中心」と事前に決めておくことで、ポイントのムダ使いを防ぎやすくなります。
目安としては、
- Loopcloud:1曲あたり 10〜30クレジット(ループ数本+差し替え分)
- Splice:1曲あたり 5〜15クレジット(キック・スネア・FXなど)
のように、ざっくり上限を自分の中で決めておくと安心です。
② キーとBPMを必ずそろえる
Loopcloudから持ってきたループと、Spliceのワンショットがテンポやキーでバラバラだと、何となくまとまりのない曲になりがちです。
- Loopcloud側では、上部「Key」設定と「BPMフィルタ」を使う
- Splice側では、サンプルタイトルに書かれた「Fmin」「140bpm」などの表記をチェック
- 必要であれば、Logic Proの「リージョンインスペクタ」→「ピッチシフト」「タイムストレッチ」で微調整
という流れで、できるだけ同じキー・近いBPMのものを選ぶようにすると、ミックス段階でも悩みが減ります。
③ 同じ役割のサンプルを「2サービスで重ねすぎない」
よくある失敗が、Loopcloudのドラムループ+Spliceのキック・スネアをそのままフルで重ねてしまうパターンです。音がごちゃごちゃして、抜けの悪いミックスになりがちです。
基本的には、
- ドラムのベースはLoopcloudのループに任せる
- Spliceから足すのは、クラップ1発・アタック感の足し・FXなどポイントだけ
という意識で使うと、音が整理されて聞きやすくなります。
ステップ5:一度作ったワークフローを「テンプレ化」して次の曲へ
自分用の「チェックリスト」を作ると迷わない
1曲作る中で、自分にとって使いやすかった流れが見えてきたら、それをそのままチェックリスト化しておくと便利です。
例:Loopcloud+Splice併用用チェックリスト
- □ テンプレートプロジェクト(Loopcloud+Spliceトラック)を開く
- □ キーワードリスト(ジャンル/ムード/音色)を1〜2分でメモ
- □ Loopcloudで「ドラム」「コード」「リズムループ」を8小節分並べる
- □ Spliceで「キック・スネア・FX」を必要数だけ追加
- □ 使用したサンプルを各フォルダに保存(Loopcloud / Spliceで分ける)
こうしておくと、2曲目・3曲目からは「チェックリストどおりに進めるだけ」になり、毎回ゼロから考える負担がかなり減ります。
最終的には「Loopcloudだけ」「Spliceだけ」の曲も作れるようになる
LoopcloudとSpliceを同時併用するワークフローに慣れてくると、
- Loopcloudだけで完結させるBGM制作
- Spliceのワンショットだけで組み上げたドラムキット
のような、サービスごとの強みを活かした使い方も自然とできるようになってきます。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずはこの記事のワークフローをベースに、自分なりの「ちょうどいい使い分け」を少しずつ育てていってみてください。
まとめ:LoopcloudとSpliceは「買い出し」と「買い足し」で考えると楽になる
最後に、この記事の内容をまとめます。
- Loopcloud=曲の土台となるループとアレンジの骨組みづくり
- Splice=ワンショット・FX・ボイスなどのピンポイント素材
- Logic Pro側で「Loopcloud+Splice用テンプレートプロジェクト」を作っておくと毎回の準備がラク
- ジャンルやムードのキーワードリストを作って、両サービスの検索バーで共通して使うと時短になる
- 同時併用では、ポイントの使い道・キーとBPM・役割の重複に気を付けると失敗しにくい
LoopcloudとSpliceは、それぞれ単体でもとても便利なサービスですが、役割を分けて併用することで「悩む時間」を減らし、「曲を完成させる時間」に集中できるようになります。ぜひ、この記事のワークフローを自分なりにアレンジしながら使ってみてください。

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