LoopcloudとSpliceどっちがいい?初心者向け比較と両方使うメリット解説
こんにちは、kawaharaです。
「LoopcloudとSplice、名前は聞くけどどっちを使えばいいのか分からない」「そもそも両方入れる意味ってあるの?」という方に向けて、この記事では初心者目線での違いと、両方をうまく併用するコツを丁寧に解説していきます。
なお、この記事は「Loopcloud」カテゴリの基礎記事です。まずは「どのサンプルサービスを軸にするか」を決めたい方のためのガイドとして書いています。
ざっくり結論からお伝えすると、
- じっくり素材を探すよりも「流し聴きしながら感覚で選びたい」人 → Loopcloudが向いている
- 有名パックやシンセプリセットなど「定番音色をピンポイントで集めたい」人 → Spliceが向いている
- kawaii・lofi・Future Bassなど、ジャンルごとに幅広く音を揃えたい人 → 両方を併用するとかなり便利
ここからは、なぜそう言えるのか、そして実際にどう使い分け・併用していけばいいかを、具体的な操作手順も交えながら解説していきます。
まず結論:LoopcloudとSpliceは「向いている人」と「役割」が違う
最初に、難しい機能の話よりも「どんな人に向いているか」から押さえておくと判断しやすくなります。スマホで例えると、同じ電話アプリでも「通知が分かりやすいもの」「画面がシンプルなもの」が人によって違うようなイメージです。
Loopcloudが向いている人(特徴とメリット)
Loopcloudは「試しながら組み立てたい人」に向いているサービスです。
- Loopcloudアプリ内でテンポ・キーを合わせてそのままループを並べて試せる
- 無料サンプルやSubscription内サンプルが多く、月額の範囲でかなり遊べる
- Logic ProなどのDAWと連携して、試したループをそのままドラッグ&ドロップで貼り付けられる
「まずは8小節のループをざっくり組んでみたい」「曲全体の雰囲気を先に決めたい」という初心者さんには非常に扱いやすいです。
Spliceが向いている人(特徴とメリット)
一方でSpliceは「決め打ちで良い音を集めたい人」に向いているサービスです。
- 有名プロデューサーや人気ブランドのサンプルパックが非常に充実している
- Serumなどのシンセプリセットも豊富で、音作りを一気に進めたいときに便利
- 「このパックのこのスネア」といった一点集中でサンプルを探すスタイルと相性が良い
「このジャンルの王道音だけ欲しい」「特定のキック・スネアを集めたい」という方はSpliceのほうが気持ち良く使えることが多いです。
両方を使うとどうなる?役割分担のイメージ
イメージとしては、
- Loopcloud → 「下書きノート」:アイデアを試す場所
- Splice → 「お気に入りペン」:ここぞという音だけを買う場所
という役割分担にすると無理なく併用できます。次の章から、具体的な違いや操作イメージをもう少し詳しく見ていきます。
LoopcloudとSpliceの基本的な違い(料金・検索・ワークフロー)
ここでは、初心者さんが特に気になりやすい「料金」「検索のしやすさ」「DAWとの連携」の3点に絞って解説します。
料金とクレジットのざっくりイメージ
どちらもサブスク型ですが、初心者目線だと以下のように覚えておくと分かりやすいです。
- Loopcloud:「月額+毎月クレジット」がもらえる&アプリ内でたくさん試聴できる
- Splice:「月額=ほぼクレジットそのもの」というイメージで、ダウンロードに使う
どちらもクレジット制なので、「試し聴きは無料」「気に入ったものだけクレジットで落とす」という使い方になります。後の章で、クレジットを無駄にしないコツも解説します。
検索・試聴の違い(タグ・フィルターの使い方)
検索画面の雰囲気にも違いがあります。
- Loopcloud:タグやテンポ・キーで絞り込みつつ、アプリ内のタイムラインでループを並べて試せる
- Splice:ブラウザやアプリで、パック単位・ワンショット単位でサクサク視聴できる
Loopcloudは「DAWとは別に小さなDAWが1つ増えた」ような感覚で、複数のループを並べて聴けるのが強みです。Spliceはパックをどんどん切り替えながら、「この音!」というものを早く見つけるのが得意です。
DAWとの連携の違い(Logic Proとの組み合わせ)
Logic Proを使っている場合、Loopcloudはプラグイン連携がかなり便利です。
- Logic Proのトラックに「Loopcloud」プラグインを挿入
- Loopcloudアプリでループを並べる → Logic Pro側で再生するとテンポ・位置を合わせて再生される
- 気に入ったループはそのままドラッグ&ドロップでオーディオリージョンとして配置できる
Spliceもアプリからドラッグ&ドロップでLogic Proにサンプルを入れられますが、「複数ループを同期再生して試す」ことに関してはLoopcloudのほうが得意です。
初心者向け:Loopcloudが向いている具体的なケース
ここからは「こんな人はLoopcloudをメインにすると楽」という具体例を見ていきます。
kawaii・lofiビートを「雰囲気重視」で作りたい人
kawaii・lofi系のビートは、細かい音作りよりも「全体の雰囲気」が大事になることが多いです。Loopcloudなら、
- ドラムループ
- コードループ
- メロディやボイスサンプル
をタイムラインに並べて、全体の空気感を一気に確認できます。これは、絵を描く前に「色だけでラフを塗ってみる」ようなイメージです。
無料サンプルだけでBGMを作ってみたい人
「いきなり課金は怖い…」という場合は、Loopcloudの無料サンプルと体験期間を使って1曲作ってみるのがおすすめです。
例として、無料サンプルだけで8小節ループを作る手順は次のとおりです。
- ① Loopcloudアプリを開き、左上の「Free」や「Subscription」フィルタをオンにする
- ② 上部検索バーに「kawaii」「lofi」などのキーワードを入力
- ③ 気になったループをタイムラインにドラッグして並べていく
- ④ ある程度形になったら、気に入ったループだけをLogic Proへドラッグ&ドロップ
この流れは、既存記事「無料サンプルだけでBGMを作る方法」とも相性が良いので、合わせてチェックしてみてください。
Logic Proと連携して素早くビートメイクしたい人
Logic Proでビートメイクするときの、Loopcloud連携の基本ステップも整理しておきます。
- ① Logic Proで新規プロジェクトを作成
- ② ソフトウェア音源トラックを1本作成し、インサートに「Loopcloud」プラグインを挿入
- ③ Loopcloudアプリを起動し、テンポをLogic Proと同じに設定(画面上部のテンポ欄)
- ④ ドラム・ベース・コードなどのループをタイムラインに並べて再生
- ⑤ 「これでいけそう」と思ったら、各ループをLogic Proのアレンジ画面へドラッグ&ドロップ
この方法は、「Logic Pro|ビートメイクの始め方(8小節〜曲完成まで)」とも組み合わせると、初心者さんでもかなりスムーズに1曲作りきれるようになります。
初心者向け:Spliceが向いている具体的なケース
次に、「このタイプの人はSpliceを軸にしたほうが楽」という具体例です。
海外系Future Bass・EDMの「王道音」を集めたい人
Spliceには、海外のトッププロデューサーが関わったサンプルパックが多く、「このジャンルならこのパックを持っておけば安心」というラインナップが揃っています。
Future BassやEDMなど、「すでに頭の中に理想の音があって、それに近い音を探したい」という場合はSpliceのほうが気持ちよくハマることが多いです。
シンセプリセットを中心に音作りしたい人
Spliceは、Serumなどのシンセプリセットも豊富です。すでにシンセプラグインを持っていて、音作りをショートカットしたい人には大きなメリットになります。
例として、Serumプリセットを使った基本的な流れはこんな感じです。
- ① Spliceアプリを開き、「Presets」タブを選択
- ② 検索バーに「Future Bass」「Pluck」などのキーワードを入力
- ③ 気になったプリセットを試聴し、クレジットを使ってダウンロード
- ④ Serumを起動し、Spliceフォルダからダウンロードしたプリセットを読み込む
「自分でゼロから音を作るのはまだ難しいけど、かっこいい音で打ち込みたい」という人には、かなり心強い武器になります。
1曲ごとに「この曲のための音」をじっくり選びたい人
Spliceは、パックを一つずつ見ていきながら、「この曲に合うキック・スネア・FXだけ」をピンポイントで集める使い方と相性が良いです。
具体的な手順としては、
- ① 作りたい曲のテンポ・雰囲気を決めておく
- ② SpliceでジャンルやBPMなどを絞り込み、サンプルパックを視聴
- ③ 「今回の曲で確実に使う」と思ったキック・スネア・コードループだけをお気に入り登録
- ④ 必要なものだけをクレジットでダウンロードし、Logic Pro側のフォルダに整理
これを繰り返していくと、少しずつ自分好みの「定番キック・定番スネア」ライブラリがたまっていきます。
両方使うメリットと、おすすめ併用ワークフロー
「どっちか一つに決めなきゃ…」と考えがちですが、DTM的にはLoopcloudで曲の骨組み、Spliceで仕上げの音選びという併用がかなり強いです。
STEP1:Loopcloudで「アイデア用素材箱」を作る
まずはLoopcloud側で、自分専用の素材箱を作るイメージです。
- ① Loopcloudで「kawaii」「lofi」「future bass」など、よく使うジャンルのタグで検索
- ② 気に入ったループやワンショットをお気に入り(Favorite)やプレイリストにまとめておく
- ③ Logic Proと連携しながら、8〜16小節のループをいくつか作って保存
こうしておくと、「今日は何作ろう…」という日でも、Loopcloudの素材箱を開けばすぐにスタート地点が用意されている状態になります。
STEP2:Spliceで「決め打ち」用の音を補強する
次に、ある程度曲の形が見えてきた段階で、Spliceを使って「もう一段クオリティを上げる音」を探しに行きます。
- ① 曲の中で「もう少し良いキックが欲しい」「インパクトのあるFXが欲しい」など、具体的な不足ポイントを書き出す
- ② Spliceで、ジャンルやBPM、タグを使って足りない音だけを検索
- ③ 必要なサンプルだけダウンロードし、Logic Proのプロジェクトに読み込む
こうすることで、Loopcloud=広くアイデアを出す/Splice=狭く深くクオリティを上げるという役割分担が自然とできます。
STEP3:ワークフローをテンプレ化しておく
毎回ゼロから考えると疲れてしまうので、自分なりの併用テンプレを決めておくと楽です。
- ① 1日目:Loopcloudだけを使って、8〜16小節のループを1〜2パターン作る
- ② 2日目:その中から良さそうな1パターンを選び、不足している音だけSpliceで補強
- ③ 3日目:Logic Proでアレンジを伸ばし、「イントロ〜1サビ」まで作る
このように、「まずLoopcloud → 次にSplice」という順番を固定しておくと、迷う時間が減って曲作りに集中しやすくなります。
初心者がやりがちな失敗と、Loopcloud/Splice共通の注意点
最後に、どちらのサービスでも共通して起こりがちな「初心者あるある」と、その回避策をまとめておきます。
クレジットを使い切ってしまう問題
一番多い失敗は、なんとなく良さそうな音を片っ端からダウンロードしてしまうことです。対策としては、
- 「その曲で必ず使う」音だけにクレジットを使う
- ループはダウンロード前に、最低3回は曲に合わせて試聴する
- 「とりあえず良さげ」はお気に入り登録に留めて、後日見直す
「今すぐ必要な音か?」と一度立ち止まるだけで、クレジットの減り方がかなり変わります。
似たサンプルを何度も買ってしまう問題
LoopcloudとSpliceを併用していると、似たようなキック・スネアを二重で集めてしまうことがあります。
対策として、
- 自分用の「My Drum Kit」フォルダを作り、キック/スネア/ハットなどを種類別に保存しておく
- 新しいサンプルをダウンロードしたら、既存の音と聞き比べてから採用するか判断
- 「このキットがあれば1曲作れる」という組み合わせを、フォルダ単位で決めておく
これを続けると、自然と「自分の定番音」が固まっていき、サンプルの買いすぎも防げます。
商用利用・ライセンス周りの不安
「このサンプル、YouTubeや配信に使って良いの?」という不安も多いポイントです。基本的に、LoopcloudもSpliceも商用利用を前提にしたライセンスですが、
- ボーカルサンプルの扱い
- サンプルの丸ごと使用(単体で販売しないこと)
- 規約変更の可能性
など、細かい点は各サービスの利用規約を確認する必要があります。
このあたりは、別記事「Loopcloudは商用利用できる?規約・注意点を初心者向けに解説」で、より詳しく解説していますので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。
まとめ:最初の1ヶ月は「お試し+記録」で、自分に合う組み合わせを探そう
最後に、この記事の内容をまとめます。
- Loopcloudは「雰囲気を掴みながらループを並べたい初心者」に向いている
- Spliceは「決め打ちで良い音を集めたい人・シンセプリセットを活用したい人」に向いている
- 両方を併用すると、Loopcloud=アイデア/Splice=仕上げという役割分担ができてとても便利
- クレジットは「その曲で必ず使う音」にだけ使うのがコツ
おすすめの始め方は、最初の1ヶ月はLoopcloudをメインに、必要に応じてSpliceで補強するという流れです。そのうえで、
- ・どちらの検索画面が自分にとって見やすいか
- ・どちらの音が、自分の曲に「しっくりくる」か
をメモしながら使ってみてください。1〜2ヶ月もすれば、「自分はLoopcloud寄り」「自分はSplice寄り」「両方ないと落ち着かない」など、自分なりの答えが見えてきます。
この記事が、LoopcloudとSpliceの使い分けに悩む方の手がかりになればうれしいです。

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