Logic Proの音割れ・歪みを即解決|クリップ原因チェックとゲイン調整の基本(初心者向け)

Logic Proの音割れ・歪みを即解決|クリップ原因チェックとゲイン調整の基本(初心者向け)

こんにちは、kawaharaです。

Logic Proで「音が割れる」「歪む」「バリバリする」ってなると、制作のテンションが一気に落ちますよね…。でも大丈夫です。ほとんどのケースは、どこかで音量が大きすぎて“赤(クリップ)”になっているのが原因です。

この記事はカテゴリの基礎記事です。音割れの原因を上から順に潰していけば、初心者でもちゃんと直せるように、結論 → 理由 → 手順 → まとめで整理します。

結論:音割れは「どこかでクリップ」か「リミッターの押し込みすぎ」

最初に結論です。Logic Proの音割れ・歪みは、だいたい次の2つに集約されます。

  • クリップ(0dBFS超え):トラック/バス/マスターのどこかで赤く振り切れている
  • リミッター(またはクリッパー)を押し込みすぎ:音圧は上がるけど歪みが増える

例えるなら、音の通り道は「水道管」みたいなものです。途中のどこかが細い(音量が大きすぎる)と、そこから先が詰まって「ゴリッ」と歪みます。なので、“歪んでる場所”を特定して、そこで量を下げるのが最短ルートです。

まず最優先:赤いクリップ表示を見つける(1分診断)

手順1:ミキサーで「赤」を探す(クリップ箇所の特定)

最初にやるのは「どこで赤くなってるか」を見つけることです。

  • 位置:上部メニューのミキサーを開く(ショートカット:X
  • 見る場所:各チャンネルのメーター上部(または数値表示)が赤く点灯していないか
  • ポイント:トラックだけじゃなく、バス(Bus)ステレオアウト(Stereo Out)も必ずチェック

赤い表示が見つかったら、そこが“歪みの現場”です。まずは原因特定、ここが9割勝ちです。

手順2:クリップ表示をリセットして「今どこが赤いか」を見やすくする

クリップ表示は、一度赤くなると残り続けることがあります。診断の前にリセットしておくと迷子になりにくいです。

  • 位置:ミキサーの各チャンネルのメーター上の「ピーク表示(数値/赤)」
  • 操作:赤くなっているピーク表示部分をクリックしてリセット
  • コツ:再生して、また赤くなるチャンネルが「今の犯人」です

原因別:どこで歪む?5つの定番パターン

「赤が出てる場所」を見つけたら、次は原因を潰します。よくある順に並べました。

パターン1:録音入力が最初から割れている(オーディオIF/マイク入力)

録った瞬間に歪んでいる場合、Logic以前に「入口」で飽和している可能性が高いです。

  • 位置:オーディオインターフェイス(Apolloなど)の入力ゲイン、またはマイクプリアンプ
  • 目安:録音時のピークは-12dBFS〜-6dBFSくらいに収める(大きすぎないのが正解)
  • 確認:Logicのオーディオ波形が「四角っぽい」「上が平ら」なら、だいたい入力で歪んでいます

ここで歪んだ音は、後から直しにくいです。まず入口のゲインを下げるのが安心です。

パターン2:リージョン(素材)自体が大きすぎる(サンプルが爆音)

Loop素材やサンプルは、最初から大きめの音量になっていることが多いです。ミキサーで下げる前に、素材側で整えるとラクです。

  • 位置:タイムライン上のオーディオリージョンをクリック
  • 操作:左側のインスペクタ(表示されていなければ「i」や表示メニュー)でゲイン(Gain)を下げる
  • 目安:-3dB〜-12dBあたりで様子を見る(爆音サンプルは遠慮なく下げてOK)

例えるなら、料理の「素材の味」が濃すぎる状態です。鍋(ミキサー)で薄める前に、素材を整えると全体がまとまりやすいです。

パターン3:プラグインの入力がデカすぎる(EQ/コンプで内部クリップ)

チャンネルフェーダーを下げても歪むときは、プラグインの前段で音量が大きすぎるパターンがあります。特に「EQで持ち上げ」「コンプ後のメイクアップゲイン」で起きがちです。

  • 位置:ミキサーのチャンネルストリップ → Audio FXのプラグイン列
  • 操作:各プラグインのInput / Output / Gainを確認して、出力が上がりすぎていれば下げる
  • 目安:プラグインの前後で、音量が急に上がっていないか(バイパス比較)

小ワザ:プラグインを1個ずつバイパス(ON/OFF)して、歪みが消える瞬間を探すと犯人特定が早いです。

パターン4:バス(Bus)で足し算されて赤くなる(Send多用時)

リバーブ/ディレイなどをSendでまとめていると、複数トラックの音がバスに集まって「足し算」で赤くなることがあります。

  • 位置:ミキサーのBusチャンネル(AUX)
  • 操作:Busのフェーダーを少し下げる、または各トラックのSend量を下げる
  • 目安:空間系は「聴こえるか聴こえないか」くらいから作ると濁りにくい

空間系の扱いは別記事で丁寧にまとめています。

Logic Pro|リバーブ・ディレイの使い方(空間系の基本)

パターン5:Stereo Out(マスター)が赤い(リミッター設定が原因)

最後に、マスターが赤いパターン。これは「全トラックの合計が大きすぎる」か「リミッターで押しすぎ」です。

  • 位置:ミキサー右端のStereo Out
  • 目安:マスターのリミッター前はピーク-6dBFS前後を狙うと安心
  • 設定例:LimiterのOutput Ceiling(天井)を -1.0dBにして、歪みを減らす

「音圧を上げたい」気持ちは正しいです。でも押し込みすぎると、可愛いサウンドが一気にザラつきます。音圧系は別で詳しくまとめています。

DTM初心者向け|音圧を上げる方法(マキシマイザー・リミッターの基本)

実践:音割れを直す「ゲインの整え方」テンプレ手順

ここからは、実際に直すための“型”です。迷ったらこの順番で進めると安定します。

手順A:素材(リージョン)のゲインを先に整える

  • 位置:タイムラインのリージョン → 左のインスペクタ
  • 操作:Gainを下げて、素材の爆音を落ち着かせる
  • 狙い:「フェーダーが常に極端に低い状態」を避ける(扱いやすくなる)

手順B:プラグインの出力を“足し算しない”方向に調整

  • 位置:Audio FX(EQ/Comp/Saturator等)
  • 操作:EQで持ち上げたら、そのぶん出力を下げる(出力を揃える意識)
  • 目安:バイパスON/OFFで「音量が急に大きくならない」状態が理想

手順C:バスとマスターは“余白(ヘッドルーム)”を残す

ヘッドルームは「余白」です。机の上に物をギチギチに置くと作業できないのと同じで、音も余白がないと歪みます。

  • Bus(AUX):赤が出るならBusフェーダーを下げる、またはSend量を下げる
  • Stereo Out:リミッター前でピーク -6dBFS前後を目標にして、最後に音圧を作る
  • Limiter設定例:Output Ceiling(天井)-1.0dB / まずはGain Reductionが1〜4dB程度から

もし「マスタリングがよく分からない…」なら、こちらで最初の型を作ってから戻ってくるとスムーズです。

Logic Pro|マスタリングの始め方(リミッター・EQ・ラウドネス)

よくある勘違い:フェーダーを下げても歪むのはなぜ?

初心者あるあるなんですが、フェーダーを下げたのに歪むことがあります。これは「フェーダーより前(上流)」で歪んでいる可能性が高いです。

  • 素材(リージョン)が爆音 → フェーダー前にすでに大きい
  • プラグインで内部的に出力が増えている → フェーダーは最後だから効かないことがある
  • バスで足し算されている → 個別は大丈夫でも合計で赤

なので、直し方はシンプルで、歪んでいる“場所”で下げるです。

最終チェック:書き出し(Bounce)したら歪むとき

再生中は大丈夫なのに、書き出した音源だけ歪むこともあります。そんな時は次を確認してください。

手順:書き出し前にStereo Outの赤と天井(-1.0dB)を確認

  • 位置:ミキサー → Stereo Out → Limiter
  • 確認:Stereo Outが一度でも赤くなっていないか(リセットして再生チェック)
  • 設定:LimiterのOutput Ceilingを-1.0dBにする(歪み回避の保険)

書き出し設定そのものが不安な場合は、こちらも一緒にどうぞ。

Logic Pro|書き出し設定(WAV/MP3/YouTube用)の完全ガイド

まとめ:音割れ対策は「赤の場所で下げる」だけでOK

最後に要点をまとめます。

  • まずはミキサー(X)で赤いクリップ表示を探す
  • 歪みの原因は「入口(録音)」「素材(リージョン)」「プラグイン」「バス」「マスター」に分かれる
  • フェーダーで直らないときは、フェーダーより前(リージョン/プラグイン)を疑う
  • マスターはリミッターの天井を-1.0dBにして、押し込みすぎない

音割れが直ると、ミックスの判断が一気にラクになります。次は「ミックスの事故を減らす」系の記事もおすすめです。

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