【初心者向け】Logic Proのリバーブ・ディレイ使い方|空間系の基本と“失敗しない設定”
こんにちは、kawaharaです。
今回は、Logic Proでリバーブとディレイを「怖くない道具」にする記事です。
空間系って、最初は「入れたら良くなるはずなのに、なぜかモヤる…」が起きがちです。なのでこの記事は、難しい理論よりも実際に音が整う手順を優先して、手を動かしながら覚えられる形にしました。
この記事はカテゴリの基礎記事です(空間系の考え方は、今後のミックス記事でも何度も登場します)。
結論:リバーブ/ディレイは「トラックに直接挿す」より、まずは“バス(Send)運用”にすると失敗が激減します。
理由はシンプルで、①音量バランスを崩しにくい ②複数トラックで同じ空間を共有できる ③後から調整が楽、だからです。
例え話をすると、リバーブは「部屋」、ディレイは「やまびこ」。
曲の中の楽器たちを、別々の部屋に入れちゃうとバラバラに聞こえます。でも同じ部屋(同じリバーブ)に入れると、自然に“同じ世界にいる感”が出ます。
まず押さえる:リバーブとディレイの役割の違い
リバーブは「空間の質感」を作る
リバーブは、音の後ろに「部屋の響き」を足して、距離感や広がりを作ります。
入れすぎると、輪郭がぼやけて“霧の中”みたいになります。なので、薄く・狙って使うのが基本です。
ディレイは「リズムとしての反響」を作る
ディレイは、音を遅らせて繰り返す効果です。
リバーブよりも拍にハマりやすいので、ボーカルやシンセに「前に出てるのに広い」感じを出すのが得意です。
失敗しない基本:Send(バス)でリバーブを作る手順
手順1:ミキサーを開く(位置)
- 画面上部メニュー:表示 → ミキサー(またはキーボードでX)
- 各トラックのSends(センド)欄が見える状態にします
手順2:Busを作る(ボタン名)
- リバーブをかけたいトラックのSendsで空欄をクリック
- Bus 1などを選択(自動でAUXトラックが作成されます)
- 作成されたAUXの名前をREVERBなどに変更すると迷子になりにくいです
手順3:AUXにリバーブを挿す(位置・プラグイン名)
- AUXトラックのAudio FXスロットをクリック
- Reverb → ChromaVerb(またはSpace Designer)を選択
手順4:まずは“Wet 100%”にする(設定値)
Send運用の基本は、AUX側はリバーブ成分だけにすることです。
- リバーブプラグイン内のMix(Dry/Wet)を100% Wetに設定
- 元音(Dry)は各トラック側に残るので、AUXでは混ぜません
ここまでできたら、各トラックのSend量(つまみ)で“部屋に入れる量”を調整できます。
“薄くて効く”リバーブ設定のコツ(初心者向け)
コツ1:Pre-Delayで「輪郭」を守る(設定値)
Pre-Delayは、元音が鳴ってからリバーブが始まるまでの待ち時間です。
これを少し入れると、音のアタックが潰れにくくなって「前にいるのに広い」が作れます。
- ボーカル:Pre-Delay 20〜35ms
- スネア:Pre-Delay 0〜10ms
- パッド:Pre-Delay 10〜25ms
コツ2:Decay(残響時間)は“曲の密度”で決める
Decayが長いほど幻想的になりますが、混み合った曲だとすぐ濁ります。
- Lo-fi / Kawaiiでスッキリ:0.6〜1.2秒
- ポップスの歌もの:1.2〜2.0秒
- 空気感を大きく:2.5〜4.0秒(ただし濁り対策必須)
コツ3:リバーブにEQを挿して“モヤ”を切る(位置・設定値)
リバーブは低音が増えると一気に濁ります。なのでAUX側で整えるのが王道です。
- AUX(REVERB)のリバーブの後に Channel EQ を挿入
- Low Cut:120〜200Hz(まずは150Hz目安)
- High Cut:6k〜10kHz(耳に痛ければ下げる)
例えるなら、リバーブは「湯気」。湯気が床(低音)に溜まると、部屋が一気に曇ります。床付近を換気してあげる感じです。
ディレイの基本:拍に合わせて“馴染ませる”手順
手順:Send(バス)でディレイAUXを作る
リバーブと同じく、ディレイもSend運用が扱いやすいです(必要なときだけ足せるからです)。
- ミキサー(X)で対象トラックのSends → Bus 2などを追加
- 作成されたAUXをDELAYに名前変更
- AUXのAudio FX:Delay → Stereo Delay(またはTape Delay)
- Mix(Dry/Wet)は100% Wet
よく使う設定例(設定値)
まずは「耳で気持ちいい」より「曲の邪魔をしない」から作ると成功しやすいです。
- ボーカルにうっすら:1/4(四分) or 1/8(八分) 同期、Feedback 15〜25%
- ワンフレーズだけ広げたい:1/8 Dotted(付点八分)、Feedback 10〜20%
- 左右に揺らす:Ping-Pong(可能ならON)、Feedback 15%前後
ディレイもEQで“邪魔”を消す(位置・設定値)
ディレイが元音と同じ帯域だと、言葉やメロディが読みにくくなります。
- DELAY AUXのディレイ後にChannel EQ
- Low Cut:180〜300Hz
- High Cut:4k〜7kHz(“ささる”なら下げる)
ポイント:ディレイは「聞こえる」より「いなくなったら寂しい」くらいがちょうどいいです。
仕上げ:AUXを“まとめて管理”して事故を防ぐ
管理1:AUXの音量フェーダーは“部屋の大きさ”ではなく“響きの量”
AUXのフェーダーを下げると、曲全体の空間感が減ります。まずはAUXを0dB付近に置いて、各トラックのSend量で整えるのがおすすめです。
管理2:必要なところだけ増やす(オートメーション)
サビだけ広くしたい、語尾だけ余韻を出したい、こういう時はSend量をオートメーションすると一気にプロっぽくなります。
- 対象トラックを選択 → キーボードでA(オートメーション表示)
- パラメータでSend(Bus 1 / Bus 2)を選ぶ
- サビで少し上げる、Aメロで少し下げる、など“段差”を作る
よくある失敗と対処(最短で直す)
失敗1:リバーブが“濁る・遠い”
- 対処:AUXにEQを入れてLow Cut(150Hz前後)
- 対処:Pre-Delayを20〜35msに上げて輪郭を守る
- 対処:Decayを短く(1.0〜1.6秒目安)
失敗2:ディレイが“うるさい・言葉が読めない”
- 対処:Feedbackを下げる(まず15〜25%)
- 対処:ディレイAUXにEQでHigh Cut(4k〜7kHz)
- 対処:Send量は“聞こえる”より一段下げて、必要箇所だけオートメーション
失敗3:空間がバラバラで“まとまらない”
対処はシンプルで、リバーブAUXを1〜2種類に絞ることです。
「全部別の部屋」だと、景色が散らかって聴き手が迷子になります。まずは共通の部屋を1つ作って、そこに薄く入れるのが安定です。
まとめ:今日やることチェック(結論→手順→定着)
最後に、今日の作業がそのまま“正解ルート”になるチェックリストです。
- ミキサー(X)を開く
- リバーブはBus(Send)でAUXを作る
- AUXのリバーブは100% Wet
- AUXにChannel EQを挿し、Low Cut150Hz付近から調整
- ディレイもAUX運用、Feedbackは15〜25%から
- 必要な場所だけSend量をオートメーション(A)で増減
空間系は「派手に効かせる」より、「音が気持ちよく並ぶ下地」を作る道具です。
一度“自分の定番AUX(REVERB / DELAY)”ができると、次の曲からは超時短になります

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