Logic Proミックス入門|EQとコンプレッサーの基本設定ガイド
こんにちは、kawaharaです。
この記事では、Logic Proでミックスを行う際に欠かせない EQ(イコライザー)と コンプレッサー の基本的な使い方を、初心者でも迷わず扱えるように丁寧に解説します。
結論としては、ミックスの最初はEQとコンプだけで十分です。 理論よりも「どこを触ればどう変化するのか」を体験しながら覚えていくのがおすすめです。
EQは「音の色味を整える色鉛筆」、コンプは「大きい音を抑えて全体を聞きやすくする係」のような存在です。 この記事では例え話を交えながら、実践的な操作方法を詳しく紹介します。
この記事はカテゴリの基礎記事です。
ミックスでまず覚えるべきこと|EQとコンプに絞る理由
ミックスの世界にはたくさんのプラグインがありますが、最初に覚えるべきはEQとコンプレッサーです。 この2つが扱えるだけで、音の聞きやすさが大きく変わり、全体のまとまりがはっきりしてきます。
結論:EQとコンプができるだけでミックスの8割は整う
- EQ:不要な帯域を削り、必要な部分を少しだけ整える
- コンプ:大きすぎる音を抑えて音量のばらつきを揃える
写真で例えるなら、EQは「明るさやコントラストを整える」作業、コンプは「明るすぎる部分と暗すぎる部分の差を減らして見やすくする」作業に近いイメージです。
ミックスの基本的な流れ
- ① フェーダーで音量バランスを整える(ラフミックス)
- ② 各トラックにEQを挿して不要帯域を調整
- ③ メインのトラック(ボーカルなど)にコンプをかけて音量を安定
- ④ 必要に応じてリバーブやディレイを追加
この記事では特に②と③のポイントを詳しく解説します。
ミックス前の準備|フェーダーバランスでラフミックスを作る
EQやコンプを使う前に、まずフェーダーだけでバランスを整えることが重要です。 この土台が整っていると、その後の作業がスムーズになります。
フェーダーバランスの考え方(家具配置のイメージ)
ミックスは、部屋に家具を配置する作業に似ています。 まず大型の家具(ドラム、ベース)の位置を決め、その後に雰囲気を作る家具(シンセ、コード系)、最後に主役(ボーカル)を配置します。
Logic Proでのラフミックス手順
- ① ミキサーを開く(Xキー または 表示 → ミキサーを表示)
- ② ドラムとベースのフェーダーで土台を作る
- ③ ボーカルを少し大きめに配置して主役にする
- ④ コード系・パッドは主役より控えめに下げる
ラフミックスができれば、いよいよEQを使う準備が整います。
Logic ProでEQを覚える|チャネルEQの基本操作
Logic Proには標準でチャネルEQが搭載されています。 まずはこのEQを使い、不要な低音を削ったり、こもりを取ったり、少しだけ抜け感を足したりといった基本操作を覚えていきましょう。
EQの役割とイメージ(音の色鉛筆)
- 低音(20〜200Hz):重さ・迫力
- 中音(200Hz〜2kHz):厚み・声の芯
- 高音(2kHz〜20kHz):抜け・明るさ
不要な部分を消して必要な部分を少しだけ足すことで、音の形がすっきりと整います。
チャネルEQを挿す具体的な手順
- ① ボーカルトラックのチャンネルストリップを選択
- ② 「Audio FX」スロットをクリック
- ③ 「EQ」→「チャネルEQ」を選択
- ④ EQ画面が表示されるので再生しながら調整
初心者におすすめのEQ設定(ボーカル例)
- ローカット:80〜100Hzをカットして低音ノイズを整理
- こもり感の調整:200〜400Hzを -2〜-3dB下げる
- 抜け感:4kHz〜6kHzを +2〜+3dB上げる
最初は±3dB以内に収めると失敗しにくいです。
Logic Proでコンプレッサーを使う|音量を安定させる基礎
コンプレッサーは「大きすぎる音を抑える」装置です。 声やリード音を安定させ、聞きやすくするために欠かせません。
コンプレッサーのイメージ(自動ボリューム係)
- スレッショルド:どれくらい大きい音で作動するか
- レシオ:どれくらい強く抑えるか
- アタック:抑え始める速さ
- リリース:元に戻る速さ
コンプレッサーの基本設定(ボーカル例)
- レシオ:3:1〜4:1
- スレッショルド:GRが -3〜-6dB になるよう調整
- アタック:10〜20ms
- リリース:100〜200ms または Auto
- メイクアップゲイン:1〜3dB上げる
EQとコンプを組み合わせた簡単ミックス手順
ここまで学んだ内容を組み合わせた実践手順をまとめます。
ステップごとの具体的な流れ
- ① ラフミックスを作る(フェーダー)
- ② 各トラックにEQを挿す
- ③ メインのトラックにコンプをかける
- ④ 全体を再生しながら微調整する
確認するポイント
- ・主役(ボーカル)がしっかり前に出ているか
- ・低域が重なってボワついていないか
- ・音量が極端に変動しないか
- ・参考曲と比べて違和感がないか
よくある失敗と避けるコツ
ミックス初心者に多い失敗と、その対策をまとめます。
EQでよくある失敗
- 低域を削りすぎてスカスカ → 必要なトラックは残す
- 高域を上げすぎて耳が痛い → +3dB以内を目安に
- いじりすぎて混乱 → ローカット+1〜2点だけ調整
コンプでよくある失敗
- かかりすぎて圧縮感が強い → GR -3〜-6dB程度に
- アタックが速すぎて潰れる → 10〜20msから
- リリース遅すぎ → 100〜200msから調整
まとめ|まずはEQとコンプだけでミックスに慣れよう
ミックスは一度で完璧にできるものではありません。 EQとコンプに絞って繰り返し触ることで、少しずつ「聞き比べる耳」が育っていきます。
次のステップとして、Logic Proの初期設定や打ち込み、プラグイン活用の記事もぜひ参考にしてみてください。
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