Logic Proの書き出し設定(WAV/MP3/YouTube用)完全ガイド
こんにちは、kawaharaです。
曲ができたら、最後に待っているのが「書き出し(エクスポート)」です。ここで設定を間違えると、せっかく整えた音が急にザラついたり、音量が小さすぎたりして、もったいない事故が起きがちです。
書き出しは、例えるなら「料理をお弁当に詰める作業」に近いです。中身(曲)が良くても、容器(ファイル形式)やフタの閉め方(設定)が合っていないと、移動中に崩れます。この記事では、初心者でも迷わないように、WAV/MP3/YouTube向けの設定を用途別にまとめて、操作手順まで具体的に解説します。
前編として「Loopcloudで1曲を作る手順(ステップ別)」もあるので、素材集めから復習したい方はこちらもどうぞ。
前編:Loopcloud|実践編:実際に1曲を作る手順(ステップ別)
結論:まずはこの設定でOK(用途別おすすめ)
最初に結論です。迷ったら、ひとまず下の「おすすめセット」で書き出せば、Blogger掲載・YouTube投稿・保存用のどれでも事故りにくいです。
おすすめ設定まとめ(初心者向けテンプレ)
- 保存用・配布用(最重要):WAV / 48kHz / 24bit / Stereo
- CD用途がある:WAV / 44.1kHz / 16bit(必要ならディザーを使う)
- 軽く共有(LINE/DM/確認用):MP3 / 320kbps / Stereo
- YouTube投稿:WAV(またはAAC/M4A高音質)でアップロード前提。基本はWAV / 48kHz / 24bit
理由はシンプルで、WAVは「元データに近い保存」ができ、MP3は「軽いけど音が削れる」からです。YouTubeは投稿後に自動で圧縮されるので、投稿する元データはできるだけ高音質が安全です。
理由:書き出しで音が変わる“よくある原因”
「ミックスでは良かったのに、書き出したら微妙…」は、だいたい原因が決まっています。ここを先に知っておくと、トラブル対応が一気にラクになります。
原因1:音量が大きすぎて書き出し時に歪む(クリップ)
書き出しは「完成した音を1つのファイルにまとめる作業」です。このとき、マスター(Stereo Out)の音量が0dBを超えると、赤く光って歪むことがあります。
- チェック位置:画面右側のミキサー、または下部ミキサーのStereo Out(マスター)
- 目安:ピーク(瞬間最大)が-1.0dB以下になるように調整
原因2:ノーマライズ設定で勝手に音量が変わる
Logic Proの書き出し画面には「Normalize(ノーマライズ)」という項目があります。これは、音量を自動で調整する機能です。便利な場面もありますが、初心者のうちは意図しない音量変化になりやすいので、基本はOFF(またはOverload Protectionのみ)がおすすめです。
原因3:MP3で書き出して「高音が削れた」
MP3は容量を小さくする代わりに、聞こえにくい帯域を中心に音を削ります。書き出し直前のチェック用には便利ですが、保存の本命はWAVにしておくのが安心です。
手順:書き出し前の“事故防止チェックリスト”
書き出し前のチェックは、外出前の「鍵・財布・スマホ」確認みたいなものです。30秒でできるのに、やるだけで事故率が激減します。
チェック1:書き出す範囲(曲の長さ)を確定する
- 位置:画面上部のルーラー(小節が並んでいる場所)
- 手順:曲の先頭から最後まで、リージョンが途切れず鳴る範囲を確認
- コツ:最後のリバーブが消えるまで余韻を入れる(例:最後の音の後に2〜4小節)
チェック2:Stereo Out(マスター)が赤くならないか
- 位置:ミキサーのStereo Outチャンネル
- 目安:ピークが-1.0dB以下(赤点灯しない)
- 対処:Stereo Outのフェーダーを少し下げる、またはリミッターの出力(Output/Ceiling)を-1.0dBにする
チェック3:重いプロジェクトは“書き出し前に一度保存”
CPUが高い状態だと、書き出し中に止まることがあります。書き出し前に保存しておくと、最悪落ちても復旧が簡単です。
手順:Logic Proの基本の書き出し方法(迷ったらこれ)
Logic Proには書き出しルートがいくつかありますが、初心者はまず「プロジェクト全体を1ファイルにする」方法を覚えるのが安心です。
方法A:メニューから「Bounce(バウンス)」で書き出す
- 位置:画面上部メニュー
- 手順:ファイル(File) → バウンス(Bounce) → プロジェクトまたはセクション(Project or Section)
- ポイント:曲の一部だけ書き出したい場合は「セクション」を選ぶ
方法B:「共有(Share)」から書き出す(環境によって表示名が違うことがあります)
- 位置:画面上部メニュー
- 手順:共有(Share) → 曲を書き出し(Export Song) または ディスクへ書き出し(Export to Disk)
- ポイント:バージョンによって表記が少し違うので、「書き出し」「Export」「Disk」の文字を探す
どちらを使ってもOKですが、この記事では説明が分かりやすいので「Bounce(バウンス)」を基準に進めます。
手順:WAVで書き出す(保存用・YouTube用の本命)
WAVは、音の情報をほぼそのまま保てる形式です。例えるなら「写真のRAWデータ」に近く、あとから編集や変換をしても劣化しにくいのが強みです。
WAV書き出し:おすすめ設定(迷ったらこれ)
- ファイル形式:WAV(またはPCM)
- サンプルレート:48,000 Hz(動画用途と相性が良い)
- ビット深度:24-bit
- チャンネル:Stereo
- Normalize:OFF(またはOverload Protectionのみ)
操作手順(位置・ボタン名・設定値)
- 位置:上部メニュー → ファイル → バウンス → プロジェクトまたはセクション
- 設定画面で「File Type(ファイル形式)」をWAVに設定
- 「Sample Rate(サンプルレート)」を48kHzに設定
- 「Bit Depth(ビット深度)」を24-bitに設定
- 「Normalize」をOFFに設定(迷う場合はOFF)
- 保存先フォルダを選び、ファイル名を入力してバウンス(またはOK)
補足:44.1kHz/16bitが必要なのは「CDに焼く」「CD規格の納品」などのときです。普段の制作やYouTubeなら、48kHz/24bitのWAVで保存しておくと安心です。
手順:MP3で書き出す(軽く共有したいとき)
MP3は「持ち運び用の軽量版」です。友達に送る、スマホでチェックする、仮提出する、という用途に向いています。
MP3書き出し:おすすめ設定
- ビットレート:320kbps(可能なら最上位)
- 方式:CBR(固定)または高品質設定(選べる範囲でOK)
- ステレオ:Stereo(Joint StereoでもOK)
操作手順(まずWAVを書き出してから変換でもOK)
環境によっては、Logic Proから直接MP3書き出しができない場合があります。そのときは先にWAVを書き出してから変換が確実です。
- 手順1:この記事のWAV手順でWAVを書き出し
- 手順2:変換アプリ(例:標準の変換機能や変換ソフト)でMP3 320kbpsに変換
もちろん、Logicの書き出し画面でMP3が選べるなら、そこから320kbpsで書き出してOKです。
手順:YouTube用の書き出し設定(音質を落とさないコツ)
YouTubeはアップロード後に自動で圧縮されます。だからこそ、投稿するファイルは「高画質の元動画」みたいに、できるだけ良い状態で渡すのが大切です。
YouTube向け:おすすめはWAV 48kHz/24bit
- ファイル形式:WAV
- サンプルレート:48,000 Hz
- ビット深度:24-bit
- 出力音量の目安:True Peak(最大の突発音)を-1.0dB以下
音量の考え方(ざっくりでOKな安全ライン)
YouTubeでは、再生時に音量が自動調整されることがあります。細かい理論より、まずは事故を避ける安全ラインだけ覚えておくのがおすすめです。
- まず優先:歪ませない(Stereo Outが赤くならない、ピーク-1.0dB以下)
- 次に意識:全体が小さすぎるなら、リミッターで少しだけ音量を整える
- 目安として、配信系の基準に寄せるなら「-14 LUFS前後」を狙う人が多い(ただし厳密でなくてOK)
YouTubeに上げるための“動画化”の流れ
YouTubeは動画サイトなので、音声だけのWAVをそのまま投稿できない場合があります。一般的には「画像+音」で動画にして投稿します。
- 手順1:この記事の手順でWAVを書き出し
- 手順2:サムネ画像を用意(1枚でOK)
- 手順3:動画編集ソフトで「画像+WAV」を並べて動画を書き出し(例:1080p)
- 手順4:YouTubeへアップロード
ここでもポイントは、音声はMP3よりWAVのほうが安全ということです。YouTube側で圧縮される前の元音声を、できるだけ良い状態で渡せます。
手順:書き出し後のチェック(3つだけでOK)
書き出しが終わったら、最後に確認しておくと安心です。ここは「発送前の検品」みたいな工程です。
チェック1:書き出しファイルを最後まで再生して、余韻が切れていないか
- チェック内容:最後のリバーブやディレイが途中で切れていないか
- 対処:曲の最後の余白を少し伸ばして再書き出し
チェック2:音量が小さすぎないか(スマホでも確認)
- チェック内容:スマホの普段の音量で聴いて、極端に小さくないか
- 対処:リミッターで少しだけ持ち上げる(上げすぎて歪ませない)
チェック3:左右のバランスが崩れていないか(片耳でも確認)
- チェック内容:片耳イヤホンでもメロディやキックが消えないか
- 対処:ステレオに広げすぎた音(広がり系)がある場合、少し中央寄りにする
まとめ:迷ったら「WAVで保存」が一番安全
最後に要点をまとめます。
- 書き出しの本命はWAV(48kHz/24bit)。保存用・YouTube用はこれが安全
- MP3は軽いけど音が削れる。共有用・確認用に使うのが向いている
- 事故防止は「範囲」「マスターの赤点灯」「Normalizeの扱い」を押さえる
- YouTubeは投稿後に圧縮されるので、元データは高音質で渡す
ここまでできたら、書き出しはもう怖くないはずです。次は「ミックス・マスタリング」とセットで整えると、さらに仕上がりが安定します。

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