Logic Pro初心者向け|プロジェクト作成から書き出しまでの完全ステップガイド

Logic Pro初心者向け|プロジェクト作成から書き出しまでの完全ステップガイド

こんにちは、kawaharaです。

この記事では、Logic Proで「新規プロジェクトを作る」ところから「音源を書き出す」までの流れを、初心者の方にもわかりやすくステップごとに解説していきます。

イメージとしては、白紙のノートに1ページずつ書き足していき、最後にPDFとして保存するような感覚です。「どこから触ればいいの?」「保存のタイミングがわからない…」という不安を、この記事で一つずつ解消していきましょう。

結論から言うと、Logic Proの基本的な流れは、

①プロジェクトを作る → ②トラックを用意する → ③録音・打ち込みする → ④ミックスの下準備をする → ⑤書き出すというシンプルな5ステップです。

この記事では、この流れに沿って「理由 → 手順 → まとめ」という順番で整理しているので、上から順番に読み進めるだけで一通りの作業ができるようになります。

Logic Proの基本フローをイメージしよう(全体像)

まずは、細かい操作に入る前に、Logic Proの作業フロー全体をざっくりイメージしておきましょう。

【結論】5つのステップを覚えればOK

Logic Proで1曲を完成させるときの基本的な流れは、次の5ステップです。

  • ステップ1:新規プロジェクトを作成する
  • ステップ2:トラック(ソフト音源・オーディオ)を用意する
  • ステップ3:録音・打ち込みをして素材を作る
  • ステップ4:簡単なミックス(音量・パン・軽いエフェクト)を整える
  • ステップ5:ステレオファイルとして書き出す(バウンス)

これは、料理でいうと「キッチンを用意 → 材料を並べる → 調理する → 味を整える → お皿に盛る」という流れに近いです。一度流れを覚えてしまえば、別のジャンルの曲でも同じ手順で進められるようになります。

ここからは、それぞれのステップを「理由 → 手順 → まとめ」の形で具体的に見ていきます。

ステップ1:新規プロジェクトを作成する

最初の一歩は、Logic Proで新しいプロジェクトファイルを作ることです。ここでテンポや拍子など、曲の「土台」を決めておくと後が楽になります。

なぜ最初にプロジェクト設定が大事なのか

プロジェクト設定は、家の「間取り」を最初に決めるようなイメージです。途中で大きく変えることもできますが、最初に方向性を決めておくと、後で「やり直し」が減り、ストレスも少なくなります。

新規プロジェクト作成の手順

Logic Proを起動したら、次の順番で操作してみてください。

  • 画面左上のメニューバーから「ファイル」→「新規」をクリック
  • 「新規プロジェクト」ウィンドウが開いたら、中央付近の「空のプロジェクト」を選択して「選択」ボタンをクリック
  • 次に表示される「新規トラック」ウィンドウで、「ソフトウェア音源」にチェックが入っていることを確認し、「作成」をクリック

これで、1本のソフトウェア音源トラックが作成された状態の「空のプロジェクト」が用意できました。

テンポ・拍子など、最初に決めておきたい設定

プロジェクトが開いたら、画面上部のコントロールバーで次の設定を確認しましょう。

  • テンポ:コントロールバー中央付近の数字(例:120.0)をクリック → お好みのテンポに変更(例:90 / 100 / 140 など)
  • 拍子:テンポの右にある「4/4」などの表示をクリック → 必要に応じて変更
  • キー(調):コントロールバーの「キー」表示(例:Cメジャー)をクリック → 曲のキーに合わせて設定

最初は、テンポ120、4/4、Cメジャーなどの定番設定で始めてしまってOKです。あとから変更もできます。

ここまでで、「プロジェクトの土台づくり」が完了です。

ステップ2:トラックを追加して準備を整える

次は、実際に音を鳴らすためのトラック(レーン)を追加していきます。ソフトシンセを使うのか、生演奏を録音するのかによって選ぶトラックが変わります。

ソフトウェア音源トラックを追加する手順

打ち込みでメロディやドラムを作りたいときは、ソフトウェア音源トラックを使います。

  • トラック領域の左上にある「+」ボタンをクリック
  • 「新規トラック」ウィンドウで、上部の「ソフトウェア音源」を選択
  • 下部の「トラック数」を必要な数(例:1)に設定し、「作成」をクリック
  • 画面右側、またはインスペクタでソフト音源(例:Alchemy、Drum Machine Designer など)を選ぶ

この状態でMIDIキーボードを弾いたり、ピアノロールで打ち込んだりすると、ソフト音源の音が鳴るようになります。

オーディオトラックでギターやボーカルを録音する手順

ギターやボーカルなど、生の音を録音したいときはオーディオトラックを追加します。

  • トラック領域左上の「+」ボタンをクリック
  • 「新規トラック」ウィンドウで「オーディオ」を選択
  • 「入力」欄で、オーディオインターフェースの入力番号(例:Input 1)を選ぶ
  • 「トラック数」を1に設定し、「作成」をクリック
  • トラックヘッダ左側の「R」ボタン(録音可能)をクリックして赤く点灯させる
  • コントロールバー上部の「メトロノーム」アイコンをオンにして、カウントインも必要なら設定

ここまで設定できれば、あとは「●」の録音ボタンを押すだけで録音が始まります。

トラックが増えすぎると混乱しやすいので、最初は「ドラム」「ベース」「コード」「メロディ」「ボーカル」など、役割ごとに5〜8本程度に絞って始めるのがおすすめです。

ステップ3:録音・打ち込みで素材を作る

トラックの準備ができたら、いよいよ音を入れていきます。ここでは、MIDIの打ち込みとオーディオ録音の基本をおさえておきましょう。

MIDIの打ち込み手順(ピアノロール)

  • ソフトウェア音源トラック上の空いている場所を、Commandキーを押しながらクリックしてMIDIリージョンを作成
  • 作成されたリージョンをダブルクリックすると、下側にピアノロールエディタが表示
  • 鉛筆ツールまたはCommand+クリックでノートを打ち込む
  • ノートをドラッグして長さ・位置・高さを調整
  • 再生ボタンで、フレーズを確認しながら少しずつ修正していく

MIDI打ち込みは「レゴブロックを並べる」感覚で、短いフレーズから少しずつ組み立てていくと失敗しづらいです。

オーディオ録音の手順(ギター・ボーカルなど)

  • 録音したいオーディオトラックの「R」ボタンをオンにする
  • 入力レベルを確認するため、楽器や声を出しながら、チャンネルストリップのメーターをチェック(赤くクリップしないように)
  • コントロールバーの「●」(録音ボタン)をクリック、またはキーボードのRキーを押して録音開始
  • 演奏・歌い終わったら、「■」(停止ボタン)を押して録音終了
  • 録音されたリージョンの不要な部分は、リージョン端をドラッグしてトリムして整える

録音に慣れていないうちは、マイク位置や音量を変えながらテスト録音を何回か試すと、本番がスムーズになります。

ここまでで、曲の材料となる「音のパーツ」が揃ってきました。

ステップ4:プロジェクトを整える(並べ方・基本ミックス)

録音や打ち込みが終わったら、プロジェクト全体を見やすく整えていきます。リージョンを並べる・音量を整える・パンを振るだけでも、かなり聴きやすくなります。

リージョンを並べて曲の構成を作る

  • トラック上のリージョンをドラッグして、イントロ・Aメロ・サビなどの位置に移動
  • 同じフレーズを繰り返したい場合は、Optionキーを押しながらドラッグして複製
  • 不要な部分はリージョンを選択し、Deleteキーで削除
  • 曲の最後には、少し余裕を持たせて1〜2小節分の空白を残しておくとフェードアウトしやすい

ここでは完璧な構成にこだわりすぎず、「とりあえず1曲分の形になったかどうか」を目安にすると、最後までたどり着きやすくなります。

音量バランスとパンの基本調整

  • 各トラックのフェーダー(音量スライダー)を上下して、ボーカルやメロディがしっかり聴こえるバランスにする
  • パン(左右バランス)は、ドラム・ベースは中央、コードやパッドは少し左右に振るようにすると整理しやすい
  • マスターメーターが常に赤くなるようなら、全体のフェーダーを少し下げる

ミックスは奥が深いですが、初心者のうちは「大きすぎるトラックを下げる」「メインを埋もれさせない」の2つだけ意識しておけばOKです。

より詳しいミックスの考え方は、Logic Proでミックスの基本の記事で解説しています。

ステップ5:書き出し(バウンス)でステレオ音源を作る

最後の仕上げとして、完成したプロジェクトを1つのオーディオファイル(WAVやMP3)に書き出します。これをLogic Proでは「バウンス」と呼びます。

書き出し範囲を指定する

  • 画面上部の「サイクル範囲」(黄色いバー)を使って、曲の開始〜終了までをドラッグで指定
  • または、書き出したい範囲の先頭に再生ヘッドを置き、「⌘+U」で自動的にサイクル範囲を設定

サイクル範囲を指定しておくと、「ここからここまで」をきっちり書き出せるので、曲の最後が途中で切れてしまうミスを防げます。

バウンス(書き出し)の具体的な手順

  • 上部メニューから「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション…」を選択
  • 「バウンス」ウィンドウが開くので、以下を設定
    • フォーマット:PCM(WAV)を基本に、必要ならMP3もチェック
    • 解像度:初心者のうちは24bit / 44.1kHzを目安に
    • ファイル名:曲名+バージョン(例:mytrack_v1)などわかりやすい名前に
    • 保存先:デスクトップやDTM用フォルダなど、後で見つけやすい場所を指定
  • 設定ができたら、右下の「OK」または「バウンス」をクリック

数秒〜数十秒ほどで書き出しが完了し、指定したフォルダにステレオ音源ファイルが保存されます。

書き出しでありがちなトラブルとチェックポイント

  • 音が途中で切れる → サイクル範囲が曲の最後まで伸びているか確認する
  • 音量が小さすぎる → マスターフェーダーが低すぎないか確認(ただし赤くクリップしない範囲で)
  • 不要なカウントやノイズも入ってしまう → 曲の頭の位置を1小節目などに揃え、不要部分を削除する

このチェックを習慣にしておくと、書き出しやり直しの回数を減らせます。

まとめ:プロジェクト作成〜書き出しまでの流れを自分の型にしよう

ここまで、Logic Proでプロジェクトを作成してから書き出しまで行う一連の流れを見てきました。

  • ステップ1:プロジェクトを作成し、テンポや拍子などの土台を決める
  • ステップ2:ソフトウェア音源・オーディオトラックを追加して準備する
  • ステップ3:MIDI打ち込みや録音で素材を作る
  • ステップ4:リージョン配置・音量・パンで曲全体を整える
  • ステップ5:バウンス(書き出し)で1つの音源ファイルにまとめる

最初は少し遠回りに感じるかもしれませんが、同じ流れを2〜3回繰り返すだけで、自分なりの「型」ができてきます。その型ができると、新しいアイデアに出会ったときも、迷わず形にしやすくなります。

この記事では全体の流れを中心に解説しました。より深く学びたい方は、以下の関連記事から「初期設定」「ミックス」「ビートメイク」なども合わせてチェックしてみてください。

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