Loopcloud実践ガイド|無料サンプルだけで1曲仕上げるステップ解説


Loopcloud実践ガイド|無料サンプルだけで1曲仕上げるステップ解説

こんにちは、kawaharaです。

この記事では、サンプル素材サービスのLoopcloudを使って、実際に1曲を完成させるまでの流れを、初心者の方にもわかりやすくステップ別に解説していきます。

楽曲制作というと「理論を勉強しないと…」と構えてしまいがちですが、Loopcloudを使えば、気に入ったループ素材を積み重ねるだけでも十分にカッコいい1曲を作ることができます。ここでは、難しい専門用語は噛み砕いて説明し、実際の画面上のボタン名や設定値も具体的に書いていきます。

「結局、何から触ればいいの?」という不安をなくして、1本のBGMとして使えるレベルまで仕上げることをゴールに、一緒に進めていきましょう。

この記事のゴールと前提環境

まずは、この記事で目指すゴールと、想定している環境を確認しておきます。

結論:Loopcloudだけでも「1曲」まで持っていける

結論からお伝えすると、Loopcloudのサンプルと、お使いのDAW(ここではLogic Proを例にします)の組み合わせだけで、1曲として使えるBGMを作ることは十分可能です。

イメージとしては、レゴブロックを組み立てる感覚に近く、ドラム・ベース・コード・メロディといったパーツを、同じテンポ・近い雰囲気の素材で揃えて積み上げることで、自然な1曲になります。

この記事で想定する環境と前提

この記事では、以下の環境を想定しています。

  • DAW:Logic Pro(他のDAWでも流れはほぼ同じです)
  • Loopcloudアプリがインストール済み・ログイン済み
  • LoopcloudとLogic Proの連携(プラグイン挿入など)が完了している状態

もしLoopcloudのインストールや連携がまだの方は、先に環境構築の記事を読みながら準備しておくとスムーズです。

Loopcloudで1曲作る全体の流れ

最初に、完成までの大きな流れをざっくりと把握しておきましょう。ゴールまでの道順が見えていると、途中で迷いにくくなります。

ステップの全体像

この記事では、1曲を作る流れを次のようなステップに分けて解説します。

  • STEP1:曲のイメージ・テンポ・キーをざっくり決める
  • STEP2:ドラム(リズム)をLoopcloudで組み立てる
  • STEP3:ベース・コード・上モノを重ねて厚みを出す
  • STEP4:イントロ〜アウトロまでの構成を作る
  • STEP5:音量バランスを整えて書き出す
  • STEP6:Loopcloudで作るときのコツ・注意点をチェック

それぞれのステップで、実際の画面操作やボタンの位置も含めて説明していきます。

STEP1|曲のイメージ・テンポ・キーを決める

最初のステップでは、どんな雰囲気の曲を作るかをざっくり決めておきます。これが決まっていると、Loopcloudでサンプルを選ぶときの迷いが減ります。

テンポ(BPM)とジャンルをざっくり決める

Logic Proを開き、新規プロジェクトを作成します。画面上部の「テンポ表示部分(デフォルトは120)」をクリックし、作りたいイメージに合わせてBPMを設定します。

  • ローファイ系:70〜90 BPMくらい
  • Kawaii Future Bass系:140〜170 BPMくらい(実質2倍速でノリを作るイメージ)
  • ポップなBGM:100〜120 BPMくらい

最初は、「自分が普段よく聴く曲」と近いテンポから始めるのがおすすめです。

キー(調)はざっくりでOK

キーは、Loopcloudの検索条件で設定できます。Loopcloud右上付近の「KEY」フィルターから、試しに「C」や「F」など、扱いやすいキーを選んでおきましょう。

後からピッチを変えることもできるので、最初は「明るめ(C・F)」「ちょっと切なめ(Aマイナー・Fマイナー)」など感覚で選んでOKです。

STEP2|Loopcloudでドラムパターンを組み立てる

次は、曲の土台となるドラムを作っていきます。ここがしっかりしていると、どんな素材を重ねてもそれっぽく聴こえやすくなります。

Loopcloudでドラムループを検索する

Loopcloudを開き、左側のカテゴリから「Drums」→「Full Drums」のようなドラムループカテゴリを選択します。

  • 画面上部の「BPM」フィルターで、Logic Proのテンポに近い値を指定する
  • 「KEY」はドラムの場合は特にこだわらなくてもOK(パーカッションメインのため)
  • タグ欄で「lofi」「cute」「future bass」など、雰囲気に合うワードを追加する

気になるループがあったら、波形の左側にある再生ボタン(三角マーク)を押して試聴してみましょう。

ドラッグ&ドロップでLogic Proに配置する

使いたいドラムループが決まったら、Loopcloudの波形部分をそのままLogic Proのトラック領域へドラッグ&ドロップします。

  • Logic Pro側では、オーディオトラックを1本用意しておくとスムーズです
  • ループを4小節・8小節単位で複製して、曲の土台となる長さ(例:1分〜2分)まで伸ばします

ここまでできたら、「リズムの土台」が完成です。

STEP3|ベース・コード・上モノで厚みを出す

ドラムができたら、次は曲の雰囲気を決めるベース・コード・メロディ(上モノ)を重ねていきます。

ベースループを追加して下支えを作る

Loopcloudで、カテゴリから「Bass」を選びます。先ほど設定したキー(例:F minor など)でフィルターをかけると、曲調に合いやすくなります。

  • BPMフィルターを必ずLogic Proと合わせる(または「Sync」機能をオンにする)
  • 「Sub」「808」など低音寄りか、「Pluck Bass」など軽めか、ジャンルに合わせて選ぶ

気に入ったベースループを見つけたら、ドラムと同様にLogic Proの新しいオーディオトラックにドラッグ&ドロップします。

コード感のあるループで「和音」を足す

次に、ピアノやシンセパッドなど、コード(和音)が鳴っているループを探します。

  • カテゴリから「Keys」「Pads」「Chords」などを選択
  • KEYフィルターをベースと同じキーにする
  • 「cute」「anime」「lofi」などのタグを足して、狙った雰囲気に近づける

ループを追加するときは、最初は1トラックだけに絞って、鳴らしすぎないことがポイントです。音が多すぎると、初心者のうちはすぐにごちゃごちゃしてしまいます。

メロディや装飾音で「耳に残るフレーズ」を作る

最後に、リードシンセやベル系のループなど、耳に残りやすいフレーズを1つだけ足してみましょう。

  • カテゴリから「Lead」「Synth」「Pluck」などを選ぶ
  • 同じキー・近いBPMのループを選ぶ
  • サビ(盛り上がる部分)だけに入れて、イントロでは鳴らさないようにする

こうすることで、サビで一気に華やかになる構成を作りやすくなります。

STEP4|イントロ〜アウトロまでの構成を作る

素材が揃ったら、今度は「どこで何を鳴らすか」を決めて、曲としての流れを作っていきます。

8小節単位でブロックを作る

Logic Proのメインウィンドウ上部の小節バーを見ながら、8小節ごとにブロックを意識して並べていきます。

  • 0〜8小節:イントロ(ドラム+コードのみ)
  • 8〜16小節:Aメロ(ドラム+ベース+コード)
  • 16〜24小節:Bメロ(要素を少し減らしてサビ前の準備)
  • 24〜32小節:サビ(リードメロディを追加)

このようにブロック分けしてコピー&ペーストで伸ばしていくと、まとまった曲の形になっていきます。

ループの「ON/OFF」で展開を作る

難しいことを考えなくても、各ループのミュート(スピーカーアイコン)をオン・オフするだけで、簡単に展開が作れます。

  • イントロ:キック無しのドラム+コードだけ
  • Aメロ:キックを足して少し前に進む感じを出す
  • サビ:リードメロディとハイハットを足して一気に賑やかに

「足す」「引く」を繰り返すだけでも、かなり音楽的な構成になります。

STEP5|音量バランスを整えて書き出す

曲の流れができたら、最後に全体のバランスを整えて、1つのオーディオファイルとして書き出します。

フェーダーとパンで「聴きやすさ」を整える

Logic Proのミキサー(ショートカット:⌘+2)を開き、トラックごとのフェーダー(縦の音量スライダー)を調整します。

  • ドラム(特にキック)は0dB〜-3dBあたりを基準にする
  • ベースはキックよりも少しだけ小さめ(-3dB〜-6dB)
  • コードやパッドはさらに小さくして、邪魔にならないように
  • メロディ(リード)は、歌の代わりなので少し前に出すイメージ

パン(左右の定位)つまみも、コードやパーカッション系を少し左右に振ってあげると、ステレオ感が出て気持ちよく聴こえます。

「バウンス」で2mixを書き出す

ミックスができたら、曲全体を1つのオーディオファイルにまとめます。Logic Pro上部メニューから、

  • 「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション…」をクリック
  • フォーマット:WAV(16bit or 24bit)
  • サンプルレート:44.1kHz(YouTubeや配信に一般的)
  • 必要に応じてmp3も同時に書き出し

こうして書き出したファイルが、動画のBGMに使えたり、SoundCloudなどにアップロードできる完成データになります。

STEP6|Loopcloudで1曲作るときのコツ・注意点

最後に、初心者の方がLoopcloudで1曲を作るときに意識しておくと楽になるポイントをまとめます。

できるだけ同じサンプルパックから選ぶ

Loopcloudには膨大な数のサンプルがありますが、最初のうちは1つのサンプルパックの中から完結させると、音の質感やミックスの方向性が揃いやすくなります。

  • パック名をクリックして、その中の「Drums」「Bass」「Music Loops」を順番に選ぶ
  • 「このパックで1曲作るチャレンジ」をするつもりでやってみる

タグ検索とお気に入りを積極的に使う

Loopcloudにはタグ検索やお気に入り機能があります。気に入ったサンプルがあったら、すぐに「スターアイコン」でお気に入り登録しておくと、後で曲を増やすときにも便利です。

  • 「lofi」「cute」「anime」「kawaii」など、自分の好きなタグをメモしておく
  • お気に入りだけでプレイリストを作る感覚で曲を増やしていく

行き詰まったら「要素を減らす」

「なんかうるさい」「まとまらない」と感じたときは、新しいループを足すのではなく、一度ミュートボタンでトラックを減らしてみるのがおすすめです。

  • 一度、ドラム+ベースだけにして聴いてみる
  • そこから、必要なコード・メロディを1つずつ足していく

「シンプルだけど気持ちいい」を目指すと、BGMとしても使いやすいトラックになっていきます。

まとめ|Loopcloudでまずは1曲作ってみよう

今回は、LoopcloudとLogic Proを使って、無料サンプル中心で1曲を仕上げる流れをステップ別に解説しました。

  • STEP1:テンポとキー、ざっくりした雰囲気を決める
  • STEP2:ドラムループで土台を作る
  • STEP3:ベース・コード・メロディを重ねて厚みを出す
  • STEP4:8小節単位で構成を組み立てる
  • STEP5:音量・パンを整えてバウンスする
  • STEP6:同じパック・タグ・お気に入りを活用して効率アップ

最初の1曲はどうしても時間がかかりますが、一度「最後まで作れた」という経験ができると、その後の制作スピードが一気に上がります。

ぜひ、この記事を横に置きながら、LoopcloudとLogic Proを実際に触ってみてください。

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