【DTM初心者向け】BGM制作の流れをステップ別に解説|基本から完成まで
こんにちは、kawaharaです。
この記事では、 DTM初心者の方向けに「BGM制作の全体の流れ」をステップごとに丁寧に解説 していきます。
「DAWを開いてみたけれど、何から始めればいいかわからない」「とりあえず音は並べられるけど、BGMとして完成させるイメージが持てない」と感じている方に向けて、 企画・下準備から、打ち込み、ミックス、書き出しまで を一通り追っていきます。
イメージとしては、 「料理レシピ」や「旅行のしおり」 のように、最初から最後までの道筋が見えると安心できますよね。この記事も、そんな「しおり」のような存在を目指しています。
また、 この記事はカテゴリの基礎記事です 。このページをスタート地点にして、他の詳しい記事(機材、ミックス、Loopcloudの活用など)もあわせて読んでいただけると、よりスムーズにBGM制作が進められるようになります。
BGM制作の結論:まずは「流れ」をざっくり掴めばOKです
最初に結論からお伝えすると、 BGM制作は次のような流れに沿って進めればOK です。
細かい理論や専門用語よりも、まずは「どんな順番で何をするのか」をざっくり掴んでおくと、迷子になりにくくなります。
BGM制作の基本的なステップ
- STEP1:目的とイメージを決める (どこで流すBGMなのか、雰囲気や長さを決める)
- STEP2:テンポ・キー・構成を決める (曲の土台となる数字や枠組みを決める)
- STEP3:コード進行とメロディを作る (曲の「感情」部分を作る)
- STEP4:ドラム・ベース・伴奏を打ち込む (リズムと厚みを作る)
- STEP5:ミックスでバランスを整える (音量や音質を整えて聴きやすくする)
- STEP6:書き出し&確認 (用途に合わせて書き出して、実際の環境でチェックする)
この記事では、この流れに沿って、 実際の操作例(Logic Proを中心に)や、Loopcloudを使った素材集めのイメージ も交えながら解説していきます。
STEP1:BGMの目的とイメージを決める
BGM制作でいきなりDAWを開いてしまうと、 「何を作ればいいんだっけ?」 と手が止まりがちです。まずは紙やメモアプリで、ざっくりとイメージを言語化するところから始めましょう。
これは、 旅行でいう「行き先と予算を決める」 ような工程です。ここが決まっていると、その後の選択がかなり楽になります。
目的・雰囲気・長さを決める手順
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1. BGMの用途を書く
例:YouTubeの作業用BGM、ゲームのタイトル画面、Vlogのゆったりシーンなど -
2. 雰囲気を3つのキーワードでまとめる
例:「かわいい・明るい・ふわふわ」「落ち着く・夜・ローファイ」など -
3. 曲の長さを決める
例:ループ前提なら1分〜2分、動画用なら3分前後など -
4. 参考曲(リファレンス)を1〜2曲決める
YouTubeやサブスク、過去に作った曲から「こういう雰囲気がいいな」という曲を選ぶ
メモ例としては、
「作業用YouTube BGM/かわいい・明るい・キラキラ/3分くらい/テンポは速すぎない」
のように、 一行でもいいので日本語で書き出す と、その後の判断がかなりスムーズになります。
STEP2:テンポ・キー・構成を決める
次は、 曲の「枠組み」になる数字や設定 を決めていきます。ここは少しだけ専門用語が出てきますが、できるだけ噛み砕いていきます。
イメージとしては、 家を建てる前の「間取り決め」 のようなものです。あとから変えることもできますが、最初にある程度決めておくと迷いにくくなります。
テンポ(BPM)とキーを決める手順(Logic Proの例)
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1. 新規プロジェクトを作成
画面上部メニューの「ファイル」→「新規」→「空のプロジェクト」を選択します。 -
2. テンポ(BPM)を設定
Logic Pro画面上部のコントロールバー中央あたりにある数値(例:120)をクリックし、
「100」「120」「140」など、イメージに合う速さを入力します。
かわいい系・ポップ系なら BPM 100〜140 くらいが扱いやすいです。 -
3. キー(調)を設定
同じくコントロールバーのテンポ表示の右側にあるキー表示(例:Cmaj)をクリックし、
「Cメジャー(C Major)」「Fメジャー(F Major)」など、明るめのキーを選びます。
初心者さんには、 CメジャーかFメジャー がわかりやすくておすすめです。 -
4. 曲の構成をざっくりメモ
例:イントロ(4小節)→メインパート(16小節)→ブレイク(8小節)→ループ
といった感じで、 小節数ベースで構成を書いておきます。
最初は 「細かく決めすぎなくてOK」 です。あとから調整しながら、自分にとってやりやすいテンポや構成を見つけていきましょう。
STEP3:コード進行とメロディを作る
ここから、いよいよ 曲の「感情」を決める部分 に入っていきます。難しく感じるかもしれませんが、 最初は定番の形をなぞるだけでも十分 です。
イメージとしては、 「王道のカレーのレシピ」 のようなもの。最初はレシピ通りに作り、慣れてきたら自分のアレンジを足していくイメージでOKです。
シンプルな4コード進行を作る手順
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1. ソフトウェア音源トラックを作成
Logic Pro画面上部の「トラック」→「新規トラック」→「ソフトウェア音源」を選択し、「ピアノ」音色を選びます。 -
2. ピアノロールを開く
任意の小節を選択して「MIDIリージョン」を作成し、ダブルクリックして ピアノロール を開きます。 -
3. 定番の4コードを並べる
例えばCメジャーキーの場合、 C → G → Am → F の4つを1小節ずつ配置します。
ピアノロールで「C・E・G」「G・B・D」「A・C・E」「F・A・C」のように3つの音を縦に並べればOKです。 -
4. ループさせて雰囲気を確認
作った4小節を選択して「ループ」機能で繰り返し再生し、雰囲気を確認します。
メロディを乗せるときのコツ
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1. コードの中の音+隣の音だけ使う
最初は、コード構成音(C・E・Gなど)と、その上下の音だけを使ってメロディを作ると外れにくいです。 -
2. 「歌えるフレーズ」を意識する
実際に鼻歌でメロディを口ずさんでみて、 歌えないくらい複雑なフレーズはシンプルに戻す のがおすすめです。 -
3. 4小節単位で考える
まずは4小節のメロディを1つ作り、それを少し変化させながら繰り返していくとまとまりやすくなります。
メロディ作りは慣れるまで時間がかかりますが、 「シンプルで覚えやすいフレーズ」 を意識すると、BGMとしても使いやすく仕上がります。
STEP4:ドラム・ベース・伴奏を打ち込んで土台を作る
コードとメロディができたら、次は ドラム・ベース・パッド(コードの支え) を足していきます。ここで一気に「BGM感」が出ます。
また、 Loopcloudなどのサンプル素材を使うと、一気に楽になる部分 でもあります。最初は「打ち込み+サンプル」のハイブリッドで進めるのもおすすめです。
ドラムトラックを作る手順(Logic Pro+Loopcloud)
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1. ドラム用トラックを作成
「トラック」→「新規トラック」→「ソフトウェア音源」→「Drum Machine Designer」などを選択します。 -
2. 8〜16小節分のドラムパターンを作る
ピアノロールを開き、
・1拍目&3拍目:キック
・2拍目&4拍目:スネア
・8〜16分音符でハイハット
といった基本パターンを打ち込みます。 -
3. Loopcloudでループ素材を試す
検索で「cute」「lofi」「drum loop」などのタグを使い、テンポ同期(Sync)をONにして試聴。
気に入ったループはそのままLogicにドラッグ&ドロップできます。
ベースとパッドを追加する手順
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1. ベーストラックを作成
「トラック」→「新規」→「ソフトウェア音源」→シンセベースやエレキベースを選択します。 -
2. ルート音をなぞるだけでOK
コードが「C → G → Am → F」なら、ベースは「C → G → A → F」を1小節ずつ鳴らすだけで土台が完成します。 -
3. パッドやシンセで厚みを足す
「Pad」「Soft Synth」「Strings」などを選んで、コード進行をロングトーンで鳴らすと広がりが出ます。
この段階で ドラム+ベース+コード+メロディ が揃えば、すでに一つのBGMとして成立し始めています。細かい装飾よりも、まずは土台作りを意識しましょう。
STEP5:ミックスで音量・音質のバランスを整える
最後は、 ミックス作業で全体のバランスを整える 工程です。ここは沼にハマりやすいですが、 初心者は最低限だけで十分 です。
イメージとしては、 料理の「味見&微調整」 のような工程。少し整えるだけで聴きやすさが変わります。
ミックスの基本手順(Logic Pro例)
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1. ミキサー画面を開く
キーボードの「X」キーを押してミキサーを表示し、フェーダー(縦スライダー)で音量を確認します。 -
2. 音量バランスを整える
・ドラム&ベース:やや大きめ
・メロディ:埋もれない程度
・パッド&装飾音:控えめ
のように調整して、耳で聴きながらバランスを取ります。 -
3. 不要な低音をカット(EQ)
パッドやシンセなど、低音が不要なトラックは80〜150Hzを「ハイパスフィルター」でカットします。
低音が重なりすぎると全体がもやっとするため整理が大切です。 -
4. 軽くコンプレッサーを使う
ドラムバスやメロディに軽くコンプをかけ、Ratio 2:1〜3:1、Thresholdは少し反応する程度でOKです。
ミックスについてもっと知りたい方は、 Logic Proでミックスの基本(EQ・コンプ入門) も参考にしてみてください。
STEP6:書き出し&実際の環境で確認する
ある程度バランスが整ったら、 書き出して実際の環境で聴いてみる のがおすすめです。PCとスマホ・イヤホンで聴き比べると、 低音の出方などの違い に気づけます。
書き出し手順(Logic Pro)
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1. 書き出し範囲を設定
タイムライン上部の黄色いループバーで書き出したい範囲を指定します。 -
2. バウンス画面を開く
「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション」を選択します。 -
3. 設定の目安
・フォーマット:WAV または AIFF
・ビット深度:24bit
・サンプルレート:44.1kHz または 48kHz
・マスタリング前提なら、リミッターは控えめに -
4. スマホでチェック
書き出したファイルをスマホに移し、良く聴くイヤホンで確認すると実際のバランスがわかりやすいです。
ここまでできたら、 ひとまず「1曲完成」 です。完璧さより「まず数曲作る」ことを大切にしてみてください。
よくあるつまずきポイントと、気楽に続けるコツ
BGM制作を始めたばかりの頃は、 「1曲作るのに時間がかかる」「途中で自分の曲がよくわからなくなる」 といった悩みが出てきやすいです。
ここでは、よくあるつまずきとその乗り越え方をまとめます。
途中で手が止まりやすいときの対処法
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1. 制作時間に上限を決める
「今日はドラムだけ」「今日は30分だけコード作る」など、作業を小分けにすると継続しやすいです。 -
2. 参考曲と比較する
ずっと自分の曲だけ聴いていると良し悪しが判断しづらくなります。
制作中もこまめにリファレンス曲を流して耳をリセットしましょう。 -
3. 完璧を求めすぎない
最初の数曲は 「練習曲」 と割り切ると気が楽になります。後からリメイクすればOKです。
まとめ:BGM制作は「流れ」を覚えるとぐっと楽になる
ここまでで、BGM制作の全体フローを一通り解説してきました。
この記事のおさらい
- STEP1:用途・雰囲気・長さなどのイメージ固め
- STEP2:テンポ(BPM)・キー・構成を決める
- STEP3:コードとメロディを作る
- STEP4:ドラム・ベース・伴奏で土台作り
- STEP5:ミックスでバランスを整える
- STEP6:書き出し&環境でチェックする
すべてを完璧にこなす必要はありません。 「できたところまででOK!」 と自分を褒めながら続けていくのが大切です。
このブログでは Logic Pro・Loopcloud・無料プラグイン・歌詞づくり なども詳しく紹介しています。興味のあるところからぜひ続きを読んでみてください。
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