【DTM初心者向け】無料サンプルだけでBGMを作る方法|Loopcloud活用ガイド
こんにちは、kawaharaです。
「BGMを作ってみたいけれど、音源を買うお金もないし、難しそう…」と感じていませんか?実は、 無料サンプルだけでもしっかりしたBGMを作ることは十分可能です。
今回は、Loopcloudなどの無料サンプルを活用しながら、DTM初心者の方でも「レゴブロックを組み立てる」ような感覚で、BGMを作っていく流れを丁寧に解説していきます。
結論:無料サンプルを組み合わせれば、立派なBGMは作れる
最初に結論からお伝えすると、 無料サンプルだけでも十分クオリティの高いBGMは作れます。必要なのは、
- DAWソフト(Logic Proなど)
- Loopcloudなど、無料サンプルを配布しているサービス
- テンポとキーをそろえて「パズルのピース」を組み合わせていく考え方
この3つがそろっていれば、楽器が弾けなくてもBGM制作は始められます。この記事では、 理由 → 準備 → 具体的な手順 → まとめ の流れで、実際に1曲を作るイメージがつくところまで解説していきます。
なぜ無料サンプルだけでBGMが作れるのか?
まずは「本当に無料サンプルだけで大丈夫なの?」という不安を解消しておきましょう。イメージとしては、 あらかじめプロが録音してくれたパーツ(サンプル)を、レゴブロックのように組み合わせていく イメージです。
無料サンプル=プロが用意してくれた音のレゴブロック
Loopcloudなどが配布しているサンプルは、プロのエンジニアが録音・加工した音です。ドラム、ベース、シンセ、パッド、効果音など、 すでに「良い音」に仕上がった状態のパーツ が用意されています。
DTM初心者のうちは、ゼロから音作りをするよりも、 良い音の素材をどう並べるか に集中した方が、挫折しにくく、仕上がりもきれいになります。
テンポとキーを合わせれば、違うサンプル同士でもなじむ
サンプル同士を組み合わせるときに大事なのは、
- BPM(テンポ)をそろえる
- キー(調)をそろえる、もしくは近いキーに寄せる
この2つさえ意識しておけば、違うパックから持ってきたサンプル同士でも、かなり自然になじんでくれます。細かい音楽理論がわからなくても、 「テンポとキーをそろえる=服の色味を合わせる」くらいの感覚で始めれば大丈夫です。
無料サンプルを使うときの注意点(ライセンスをざっくり理解)
多くのサンプルサイトでは、規約の範囲内であれば商用利用OKですが、 配布元ごとにルールが違う ことがあります。具体的な法律用語は覚えなくてもよいので、
- 「商用利用可」になっているか
- 「そのまま配布(サンプル集として再配布)」が禁止されていないか
このあたりだけでも、ダウンロードページの説明を一度チェックしておくと安心です。
準備編:無料サンプルBGM制作に必要なツール
ここからは、実際にBGMを作るために必要な環境を整えていきます。すでにDTM環境がある方は、抜けているところがないか確認しながら読み進めてみてください。
1. DAW(音楽制作ソフト)を用意する
この記事では、Macユーザーに人気の Logic Pro を例に説明しますが、他のDAW(Studio One、Cubase、FL Studioなど)でも考え方は同じです。
Logic Proのインストールや基本操作が不安な方は、まずは下記の記事もあわせてチェックしておくと安心です。
2. Loopcloudに登録して無料サンプルを使える状態にする
次に、サンプルの供給源となる Loopcloud を準備します。LoopcloudはプラグインとしてDAWと連携でき、サンプルを試聴しながらドラッグ&ドロップで取り込めるサービスです。
大まかな手順は以下の通りです。
- ① ブラウザでLoopcloud公式サイトを開く
- ② 右上の「Sign Up」ボタンからアカウントを作成
- ③ インストーラーをダウンロードし、案内に従ってPCにインストール
- ④ Logic Proを起動し、プラグインとしてLoopcloudを読み込む
より詳しい画面の位置やボタン名は、以下の記事で画像付きで解説しています。
3. 無料サンプルだけを表示するフィルター設定
Loopcloudには有料サンプルも混ざって表示されるため、 無料サンプルだけを絞り込むフィルター を設定しておくと便利です。画面構成はバージョンによって多少変わりますが、だいたい次のような位置にあります。
- ① Loopcloudを開き、画面上部の検索バーの下にあるフィルターバーを確認
- ② 「Price」や「Free」といった項目、もしくは「Free」タグをクリックしてオンにする
- ③ カテゴリを「Loops」「One Shots」などに絞り、目的のサウンドを探しやすくする
タグ検索やお気に入り機能の詳しい使い方は、次の記事で掘り下げています。
実践編:無料サンプルだけで1曲分のBGMを作る手順
ここからは、実際に1曲分のBGMが形になるまでの流れを、ステップごとに解説していきます。難しい理論はひとまず置いておいて、「並べて、長さをそろえていく」作業に集中してみましょう。
ステップ1:BGMの雰囲気とテンポ(BPM)を決める
はじめに、曲の雰囲気とテンポをざっくり決めます。これは「カフェで流すゆったりBGM」なのか、「かわいいゲーム風BGM」なのか、といった方向性です。
- ① Logic Proで新規プロジェクトを作成
- ② 画面上部のコントロールバー中央にある「テンポ表示」をクリック
- ③ ゆったり系なら「80〜100」、ポップ・かわいい系なら「100〜120」などに設定
テンポはあとから変更もできますが、最初に大まかな速さを決めておくとサンプル選びがスムーズです。
ステップ2:ドラムループを見つけて土台を作る
曲の「リズムの土台」になるのがドラムです。まずは無料ドラムループを1〜2種類選んで、曲のベースになるグルーヴを作ります。
- ① Loopcloudを開き、画面左側のカテゴリから「Drums」や「Drum Loops」を選択
- ② 上部の検索バーに「lofi」「cute」「chill」など、作りたい雰囲気のキーワードを入力
- ③ 「Free」フィルターをオンにした状態で、再生ボタンをクリックして試聴
- ④ 気に入ったループが見つかったら、そのままLogic Proのトラック領域にドラッグ&ドロップ
Logic Pro側では、サンプルを配置したトラックのリージョンの右端をドラッグして、 4小節・8小節といった単位で繰り返し配置 してみましょう。これだけで、すでに「曲の雰囲気の下地」が見えてきます。
ステップ3:コード感のあるループ(ピアノ・パッド)を重ねる
次に、曲の「空気感」を作るパッドやピアノのループを重ねていきます。ここも無料サンプルでOKです。
- ① Loopcloudのカテゴリから「Keys」「Pads」「Chords」などを選ぶ
- ② ドラムループと同じか、近いBPMのループを選ぶ(Loopcloud上部のBPM表示を参考)
- ③ 試聴しながら、ドラムと合わせて違和感がないものを探す
- ④ 気に入ったループをLogic Proの新しいトラックにドラッグ&ドロップ
もしループの長さがドラムと合わない場合は、Logic Proのリージョンを選択して、上部の「タイムストレッチハンドル」をドラッグし、 小節にぴったり合うように伸ばしたり縮めたり してみてください。
ステップ4:ベース・リード・効果音で彩りを足す
雰囲気のベースができたら、 低音のベースや、かわいいリード、効果音(FX) を足していきます。ここも同じように無料サンプルから選んでかまいません。
- ① Loopcloudで「Bass」カテゴリを選択し、同じ雰囲気・テンポ帯のループを探す
- ② 「Lead」「Synth」カテゴリから、メロディっぽいループを選ぶ
- ③ 「FX」「Impact」「Rise」などから、場面転換に使える効果音を追加
「全部サンプルで埋めてしまって大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、 今は「レイアウトの練習」期間だと思って割り切ってOKです。 慣れてきたら、少しずつ自分で弾いたフレーズも混ぜていきましょう。
ステップ5:曲の構成(イントロ〜ループ〜アウトロ)を整える
BGMは、ずっと同じループが鳴りっぱなしだと単調に聞こえてしまいます。そこで、 イントロ → メインループ → アウトロ のように、少しだけ構成を変えてあげます。
- ① 最初の4小節は、ドラムなしでパッドだけを鳴らす(=イントロ)
- ② その後の8〜16小節は、ドラム+ベース+パッド+リードを全部鳴らす(=メイン)
- ③ 最後の4〜8小節は、ドラムやベースを減らしてフェードアウト(=アウトロ)
Logic Proでは、トラックのミュートボタンを使って「どのセクションで何を鳴らすか」を試しながら、 聴いていて飽きない流れ を作っていきましょう。
ステップ6:ボリュームバランスを整えて書き出す
最後に、各トラックの音量バランスを整え、BGMとして書き出します。ミックスの専門知識がなくても、 「大きすぎて耳が痛くないか」「ドラムだけ飛び出していないか」 を意識するだけで、かなり聞きやすくなります。
- ① Logic Proミキサー画面(ショートカット:Command + 2)を開く
- ② 各トラックのフェーダー(縦のボリュームスライダー)を上下して、バランスを調整
- ③ 全体を通して再生し、「ちょうど良さそう」と感じる音量に落ち着かせる
- ④ 「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション」と進み、WAVやMP3で書き出す
ミックスについてもっと深く知りたくなったら、EQやコンプの基本を解説している記事も参考にしてみてください。
まとめ:無料サンプルは「練習にも本番にも」使える強い味方
今回は、 無料サンプルだけでBGMを作る手順 を、LoopcloudとLogic Proを例に解説しました。
- プロが作ったサンプルは、レゴブロックのように組み合わせるだけでも十分曲になる
- テンポ(BPM)とキーをそろえると、違うサンプル同士でもなじみやすい
- ドラム → パッド・コード → ベース・リード → 効果音の順に足すと、まとまりやすい
- 構成を少し工夫するだけで、単調さを避けたBGMに仕上がる
最初からすべて完璧にやろうとせず、 「今日はドラムとパッドだけで1ループ作ってみる」 といった小さなゴールを積み重ねていくのがおすすめです。慣れてきたら、無料サンプルに自分で弾いたフレーズを混ぜて、オリジナリティを出していきましょう。
無料サンプルだけでも、アイデアと組み合わせ次第で、十分「作品」と呼べるBGMになります。ぜひ気軽に、楽しみながらチャレンジしてみてください。
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