Logic Pro初心者向けトラブル解決ガイド|よくあるエラーと対処法
こんにちは、kawaharaです。
この記事では、Logic Proを使い始めた方がつまずきやすいよくあるトラブルと、その解決方法をまとめてご紹介します。
「急に音が出なくなった」「録音ができない」「動作が重くて進まない」など、原因がわからないトラブルは不安になりますよね。ですが、多くのトラブルは、いくつかのチェックポイントを順番に確認するだけで解決できることがほとんどです。
今回は、専門用語をできるだけかみ砕きながら、「結論 → なぜそうなるのか(理由) → 実際の操作手順 → まとめ」の流れで解説していきます。
一度覚えてしまえば、今後トラブルが起きても落ち着いて対処できるようになるので、ぜひ「困ったときのチェックリスト」としてブックマークしておいてください。
Logic Proで音が出ないときの対処法
結論:音が出ないときは「出力先」「トラックの設定」「Mac本体の音量」の3つを順番に確認すると、ほとんどのケースは解決します。
Logic Proから音が出ないのは、難しいバグというより、「どこに音を出すか」が噛み合っていないだけということがほとんどです。ケーブルが違うスピーカーにつながっていたり、出力設定が Mac 本体ではなくオーディオインターフェイスを指していたり、逆のパターンもよくあります。
音が出ないときの解決手順
以下の手順を、上から順番に確認してみてください。
- 上部メニューから「Logic Pro」→「設定」→「オーディオ…」を開く
- 「デバイス」タブを開き、出力デバイスが「内蔵出力(Mac本体)」または使用中のオーディオインターフェイスになっているか確認
- 同じ画面で入力デバイスも、使いたいマイク・オーディオインターフェイスになっているか確認
- メインウインドウ右上のマスターボリュームフェーダーが下がっていないか、ミュートされていないか確認
- 各トラックの左側にある「M(ミュート)」ボタンがオンになっていないか、「S(ソロ)」ボタンで他トラックだけがソロになっていないか確認
- Mac 画面右上のスピーカーアイコンから、システムの音量がゼロになっていないか確認
これらを確認してもまだ音が出ない場合は、一度Logic Proを終了し、オーディオインターフェイスのケーブルを抜き差ししてから再起動してみてください。
録音できない・入力がメーターに反応しないときの対処法
結論:録音できないときは「入力デバイス」「トラックの入力設定」「録音待機ボタン」の3点を確認します。
録音がうまくいかないときは、マイクやギターの信号が、Logic Proの「どの入り口から入ってくるか」がズレていることが多いです。イメージとしては、インターホンの「カメラと室内モニターのチャンネルが合っていない」状態のようなものです。
録音できないときの解決手順
- 上部メニュー「Logic Pro」→「設定」→「オーディオ…」を開き、入力デバイスが使用したいオーディオインターフェイスになっているか確認
- 録音したいトラックを選択し、トラックヘッダの「入力」欄(例:Input 1 / Input 2)が、実際にケーブルを挿している端子の番号と一致しているか確認
- トラックヘッダの赤い「R」ボタン(録音可能ボタン)をオンにする
- 画面上部のコントロールバーにある「録音」ボタン(●)をクリックして録音開始
- レベルメーターが小さすぎる場合は、オーディオインターフェイス本体のゲインつまみを少しずつ上げていく
それでも反応がない場合は、ケーブルの断線・マイクの電源(コンデンサマイクの場合は+48V)が入っているかもチェックしてみてください。
音が遅れて聞こえる(レイテンシー)が気になるときの対処法
結論:レイテンシーが気になるときは「バッファサイズ」を小さくし、モニタリング方法を見直すのが基本です。
レイテンシーは、音がPCの中を通って戻ってくるまでの「処理の待ち時間」です。バッファサイズという「一度に処理する音の量」が大きいほど、PCは余裕を持って処理できますが、そのぶん返ってくるのが遅くなります。
レイテンシー改善の手順
- 上部メニューから「Logic Pro」→「設定」→「オーディオ…」を開く
- 「デバイス」タブで「I/Oバッファサイズ」を確認し、256 → 128 → 64と、段階的に小さくして試す
- あまり小さくしすぎるとPCに負荷がかかるので、録音時は128または64、ミックス時は256〜512を目安に切り替える
- オーディオインターフェイスに「ダイレクトモニター」機能がある場合はオンにし、Logicを通さずに自分の声・ギターをモニターする
レイテンシーは、録音中だけ頑張って小さい数値、編集・ミックスのときは余裕のある数値に切り替えるのがコツです。
Logic Proの動作が重い・落ちるときの対処法
結論:重いときは「トラック数・プラグイン数を減らす」「不要なトラックをフリーズする」のが効果的です。
Logic Proのプロジェクトが重くなる原因は、同時に動いているソフトシンセやエフェクトが多すぎることがほとんどです。イメージとしては、タブを開きすぎたブラウザのような状態です。
動作が重いときの解決手順
- 使っていないトラック(ミュートしたままのトラックなど)は、右クリックから「トラックを削除」して整理する
- ソフトシンセをたくさん使っているトラックは、トラックヘッダの雪の結晶アイコン(フリーズボタン)をオンにしてフリーズする
- 特に重いリバーブやディレイは、バストラック1つにまとめて複数トラックから送る(センド・リターン方式)
- 不要なアプリ(ブラウザ・動画サイトなど)はすべて終了して、Macのメモリに余裕を持たせる
フリーズ機能は、トラックを一時的にオーディオに書き出してCPU負荷を減らす仕組みなので、重くなってきたら積極的に使っていきましょう。
プチプチノイズ・音切れが発生するときの対処法
結論:ノイズが出るときは「バッファサイズを大きくする」「サンプリングレートを揃える」「USBポートやケーブルを見直す」と改善しやすいです。
プチプチした音切れは、PCが処理しきれず音が欠けてしまうときに起こります。また、オーディオインターフェイスとLogic Proでサンプリングレート(音のきめ細かさ)がズレている場合にも発生します。
ノイズ・音切れ対策の手順
- 上部メニュー「Logic Pro」→「設定」→「オーディオ…」を開き、「I/Oバッファサイズ」を256〜512程度に上げてみる
- 同じ画面の「一般」タブで、サンプリングレートが44.1kHz または 48kHzになっているか確認
- オーディオインターフェイス側の設定ソフトがある場合は、Logic Proと同じサンプリングレートになっているか確認
- USBハブを経由している場合は、Mac本体のUSBポートに直接接続して試す
- 別のUSBケーブルに交換してみて、ノイズが改善するか確認
それでも改善しない場合は、プロジェクトのトラック数が多すぎないか・重いプラグインを使いすぎていないかも合わせて見直してみてください。
プロジェクトが開けない・ファイルが見つからないときの対処法
結論:プロジェクトが開けないときは「バックアップファイル」から開くのが最優先です。
Logic Proは、自動的にバックアッププロジェクトを作ってくれています。何らかの原因でメインのプロジェクトが壊れた場合も、少し前の状態まで戻れることが多いです。
バックアップから復旧する手順
- Finderで、該当のLogicプロジェクトファイル(○○.logicx)を右クリック
- 「パッケージの内容を表示」を選択
- 開いたフォルダ内の「Alternatives」→「000」→「Project File Backups」フォルダを開く
- 中にあるバックアップファイル(日時付き)のうち、新しすぎないものをダブルクリックしてLogic Proで開く
また、オーディオファイルが見つからない場合は、プロジェクトを外付けSSDに移動したり、フォルダ構成を変えたときに起こりやすいです。その場合は、
- メニュー「ファイル」→「プロジェクト管理」→「ファイル…」から、足りないファイルの一覧を確認
- 「検索」ボタンから、外付けディスクや他フォルダを指定して再リンクする
大きな案件では、外付けSSDに一つの「プロジェクト専用フォルダ」を作って、その中で完結させるとファイル紛失を防ぎやすくなります。
書き出し(バウンス)ができない・エラーが出るときの対処法
結論:書き出しできないときは「バウンス範囲」「保存先」「使用プラグイン」を見直すと解決しやすいです。
バウンスエラーは、どこからどこまでを書き出すかの指定ミスや、保存先フォルダの権限・容量不足などのケースが多いです。
書き出しエラー解決の手順
- メインウインドウ上部のタイムライン(小節のバー)で、書き出したい範囲をドラッグして選択(ルーラの濃い部分がバウンス範囲になります)
- メニュー「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション…」を選択
- 表示されたウインドウで、フォーマット(WAV/AIFFなど)と保存先フォルダを確認
- 保存先のディスクに十分な空き容量があるか、Finderで確認
- エラーが続く場合は、マスタートラックやバスに重いプラグインを挿しすぎていないか確認し、一時的にバイパスして試す
それでも解決しない場合は、一度ステレオアウトを別トラックに「リアルタイム録音」してから、そのオーディオトラックをバウンスするという方法もあります。
まとめ:Logic Proで困ったときのチェックリスト
ここまで、Logic Proでよくあるトラブルと解決方法を見てきました。最後に、困ったときにざっと見返せるチェックリストとして整理しておきます。
最低限おさえておきたいポイント
- 音が出ないとき:出力デバイス/トラックのミュート・ソロ/Mac本体の音量を確認
- 録音できないとき:入力デバイス/トラックの入力番号/録音待機ボタンを確認
- 音が遅れるとき:I/Oバッファサイズを小さくし、録音とミックスで使い分ける
- 重くて落ちるとき:トラック整理・フリーズ・重いプラグインの共用(バス送り)を活用
- ノイズ・音切れのとき:バッファサイズを大きく/サンプリングレートを揃える/USB周りを見直す
- プロジェクトが開けないとき:バックアップファイルから開き、ファイル管理を見直す
- 書き出しできないとき:バウンス範囲・保存先・マスタープラグインをチェック
最初は難しく感じるかもしれませんが、何度かトラブルを乗り越えるうちに、「あ、このパターンはだいたいここを見れば直るな」と感覚がつかめてきます。
この記事はLogic Proカテゴリの中でも、トラブルシューティングの基礎記事として位置づけています。わからなくなったときに、いつでも戻ってきて確認してみてください。
この記事はカテゴリの基礎記事です。

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