Logic Proギター録音入門|オーディオインターフェイス接続からアンプシミュ・エフェクトまで
こんにちは、kawaharaです。この記事では、Logic Proを使ってエレキギターを録音するための一番やさしい入門ガイドとして、機材のつなぎ方からアンプシミュレーター、エフェクトのかけ方までを順番に解説していきます。
いきなり難しい音作りをしようとすると挫折しやすいので、まずは「音がちゃんと録れて、気持ちよくモニターできる状態」をゴールにして進めていきましょう。
※この記事は「Logic Proでの録音・レコーディング」カテゴリの基礎記事です。これからギター録音を始めたい方が、最初の一歩として使える内容になっています。
この記事の結論とゴール
先に結論からお伝えすると、Logic Proでギター録音を始めるときは、 ①機材を正しくつなぐ → ②Logic Proの入力設定を整える → ③アンプシミュ&エフェクトをのせる という流れを守れば、初心者の方でも十分に良いクオリティで録音ができます。
この記事では、まず「なぜその手順なのか」という理由をざっくり説明し、その後で実際の画面操作や設定値を具体的に紹介していきます。
最後まで読みながら一緒に作業していただくと、
- ギターとオーディオインターフェイスの接続が迷わなくなる
- Logic Pro側の入力設定・トラック設定がサクッとできる
- Amp Designerなどのアンプシミュで、気持ちいいクリーントーン〜歪みの音が作れる
- コンプ・EQ・リバーブなどの基本エフェクトの「最低限これだけ」の使い方がわかる
……という状態を目指せるように構成しています。
Logic Proでギター録音するときの必要機材と接続イメージ
まずは「そもそも何が必要で、どうつなぐのか?」という全体像から整理していきます。ここがあいまいなままだと、ノイズが多かったり音が小さすぎたりと、トラブルの原因になりがちです。
ギター録音に必要な機材チェックリスト
最低限、次のものが揃っていればLogic Proでギター録音ができます。
- エレキギター(シングル/ハムどちらでもOK)
- オーディオインターフェイス(ギターを直接させる「Hi-Z」対応端子だと安心)
- ギターシールド(一般的なモノラルシールドでOK)
- ヘッドホン or モニタースピーカー
- Mac本体(Logic Proが動作するスペック)
- Logic Pro本体
DI(ダイレクトボックス)は、「オーディオインターフェイスにHi-Z入力がない場合」や、 ライブ現場などで長いケーブルを使いたいときに活躍します。自宅DTMでギターを録音するだけであれば、 Hi-Z入力付きのオーディオインターフェイスがあればDIは必須ではありません。
DI/オーディオインターフェイスの接続イメージ
配線のイメージは、家の水道のように「ギター → インターフェイス → Mac(Logic Pro)」と流れていくイメージを持つと分かりやすいです。
- パターンA:Hi-Z入力付きオーディオインターフェイス
- ギター → シールド → オーディオインターフェイスの「INST」や「Hi-Z」端子 → USBケーブル → Mac → Logic Pro
- パターンB:DIを使う場合
- ギター → シールド → DI(インプット) → DI(アウト) → オーディオインターフェイスのマイク入力 → USBケーブル → Mac → Logic Pro
どちらのパターンでも、最初はシンプルな接続でノイズが少ない状態を目指すのがおすすめです。
Logic Pro側の準備:プロジェクト作成とオーディオ設定
機材がつながったら、次はLogic Pro側の設定です。ここでは「音が入るルート」と「遅延(レイテンシ)」を整えるのがポイントになります。
オーディオインターフェイスをLogic Proに認識させる
まずは、Logic Proに使用するオーディオインターフェイスを認識させます。
- 画面左上の「Logic Pro」メニュー → 「設定」 → 「オーディオ…」をクリック
- 「デバイス」タブを開く
- 「出力デバイス」「入力デバイス」を、使用するオーディオインターフェイスに変更
- 「I/Oバッファサイズ」は最初は128あたりから試す(遅延と安定性のバランスが良い)
バッファサイズは、値が小さいほど遅延が少ないが、負荷が重くなる、というイメージを持っておくと理解しやすいです。
新規プロジェクトの作成とテンポ設定
ギター録音用の新しいプロジェクトを作成します。
- Logic Pro起動後、スタート画面で「新規プロジェクト」を選択
- テンプレートは「空のプロジェクト」でOK
- テンポは上部のテンポ表示をクリックして、目的のBPMに設定(例:120)
- 拍子(4/4など)も必要に応じて調整
すでに作ってあるドラムループやバッキングに合わせて録る場合は、そのトラックのテンポに合わせておくと、後で編集しやすくなります。
ギター用オーディオトラックを作成する
次に、ギターを録音するためのオーディオトラックを作成します。
- 画面上部メニューから「トラック」 → 「新規トラック…」を選択
- 「オーディオ」を選択し、「入力」をギターを挿した端子(例:Input 1)に設定
- 「出力」は通常「Stereo Out」のままでOK
- 「作成」をクリック
トラックヘッダの「I」ボタン(インプットモニタリング)をONにすると、弾いた音をリアルタイムでモニターできます。録音ボタン「R」もONにしておきましょう。
Logic Pro標準アンプシミュ「Amp Designer」の使い方
生のギター音(いわゆる「ライン音」)は、かなり細くて味気ないことが多いです。ここにLogic Pro標準の「Amp Designer」を使って、アンプで鳴らしているようなサウンドを作っていきます。
Amp Designerをトラックに挿す手順
ギタートラックにAmp Designerを挿す具体的な操作は次の通りです。
- ギター用オーディオトラックを選択
- 画面左側の「チャンネルストリップ」を確認
- 「Audio FX」の空いているスロットをクリック
- 「Amp and Pedalboard」 → 「Amp Designer」を選択
これで、ギターの生音がAmp Designerを通って、アンプシミュレートされたサウンドとして出力されるようになります。もし音が出ない場合は、インプットモニタリング「I」と録音待機「R」がONかもあわせて確認してみてください。
プリセットから好みのトーンを素早く選ぶコツ
初心者のうちは、いきなり細かいツマミをいじるよりも、まずはプリセットから「近い音」を探すのがおすすめです。
- Amp Designerの上部にある「設定」やプリセット名をクリック
- 「Clean」「Crunch」「Hi Gain」など、ジャンルに合わせてカテゴリを選ぶ
- クリーントーンが欲しい場合は「Clean」系、ロックな歪みが欲しい場合は「Crunch」や「British」系を中心に試す
プリセットを「服の試着」のようにどんどん切り替えてみて、「これなら曲に合いそう」 と感じたものをベースに、トーンやゲインを少しだけ調整していくと迷いにくくなります。
ギター録音のための基本エフェクトチェーン
Amp Designerでアンプのキャラクターが決まったら、必要に応じてコンプレッサー・EQ・リバーブ・ディレイを加えていきます。 ここでは「やりすぎない最低限」のエフェクトの流れを紹介します。
おすすめの並び順(チェーン)の例
まずは、次のような並び順を基本形として覚えておくと便利です。
- ① Amp Designer(アンプシミュ)
- ② Compressor(コンプレッサー)
- ③ Channel EQ(イコライザー)
- ④ Busに送ったReverb(リバーブ)・Delay(ディレイ)
コンプレッサーとEQは「音の形を整える担当」、 リバーブやディレイは「空間・距離感を足す担当」と考えるとイメージしやすいです。
コンプレッサーとEQの初心者向け設定例
細かい値にこだわるより、まずは次のようなイメージで使ってみてください。
- Compressor:
- プリセット「Guitar」系からスタート
- Thresholdは、弾いたときにメーターが少しだけ動く程度(-15〜-20dB前後から調整)
- Ratioは2:1〜3:1あたり
- Channel EQ:
- 不要な低域(80Hz以下など)を少しカット
- 耳に痛い帯域(3kHz〜5kHzあたり)をほんの少しだけ下げる
大事なのは、「かけすぎないこと」です。音が「変わったかな?」と感じるか感じないかくらいの微調整から始めましょう。
Logic Proでの実際の録音手順(ステップ別)
ここまで準備ができたら、いよいよ録音です。録音の流れはいつも同じなので、「ルーティン化」 してしまうと、とても楽になります。
録音前のレベルチェック
録音前に、次のポイントをチェックしておきます。
- ギター → インターフェイス → Logic Pro の配線に間違いがないか
- オーディオインターフェイスの「ゲインつまみ」を少しずつ上げて、メーターが-12〜-6dB付近で動くように調整
- ピーク時でもメーターが「0dB」を超えないこと(赤くクリップしないこと)
- トラックの「I」と「R」がONになっているか
音量は「あとから上げ下げできる」ので、最初は少し余裕を持たせたレベルで録るのが安全です。
録音を実行する手順
準備ができたら、次の手順で録音を始めます。
- 録音したい小節の少し前に再生ヘッド(縦の線)を移動
- メトロノームを使いたい場合は「メトロノームアイコン」をON
- キーボードのRキー、または画面上部の「録音ボタン」を押す
- 録音が終わったら、スペースキーで停止
テイクが気に入らなかった場合は、同じトラックの上に「テイクフォルダ」として重ねて録っていくこともできます。最初はあまり難しく考えず、気に入ったテイクだけ残すくらいの感覚でOKです。
ギター録音でよくあるトラブルと簡単な対処法
ここからは、初心者の方がつまずきやすいポイントを「原因」と「対処法」のセットでまとめておきます。トラブルシューティング用のメモとしても活用してみてください。
音が出ない・録音されないとき
- 入力デバイスがMac内蔵ではなく、オーディオインターフェイスになっているか
- トラックの入力(Input 1 / 2など)が、実際に挿している端子と一致しているか
- トラックの「I」と「R」がONになっているか
- ギターのボリュームノブが上がっているか
ノイズが多い・遅延が大きいとき
- シールドや接点が古くないか、別のケーブルでも試してみる
- アンプシミュやエフェクトをかけすぎていないか(重いプラグインを外してみる)
- 「設定 → オーディオ」でI/Oバッファサイズを128以下にしてみる
- 他のアプリを閉じて、Macの負荷を下げる
まとめ|まずは「シンプルな接続+1本のギタートラック」から
ここまで、Logic Proでギターを録音するための手順を、結論 → 理由 → 手順 → トラブル対処の流れで整理してきました。
- ギター録音の基本は「ギター → オーディオIF → Logic Pro」の流れを押さえること
- Logic Pro側では、オーディオデバイス設定と入力設定を整えるのが最初の一歩
- Amp Designerでアンプのキャラクターを作り、必要に応じてコンプ・EQ・リバーブを足す
- 録音前にはレベルチェックをして、クリップしないよう余裕を持たせる
- トラブルが起きたら、配線・入力設定・バッファサイズを順番に見直す
最初は「1本のギタートラックをきれいに録る」だけでも十分な練習になります。慣れてきたら、リズムギターとアルペジオを重ねたり、コーラス用のクリーントーンを別トラックに録ってみたりと、少しずつステップアップしていきましょう。
さらに一歩進んで、ミックスやテンプレート化まで学びたい場合は、下の関連記事もあわせてチェックしてみてください。

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