Logic Proプラグイン種類別おすすめガイド|EQ・コンプ・リバーブの選び方

Logic Proプラグイン種類別おすすめガイド|EQ・コンプ・リバーブの選び方

こんにちは、kawaharaです。

この記事では、Logic Proに搭載されているプラグインを「種類別」に整理して、初心者の方でも迷わず選べるように解説していきます。

すでに公開している「Logic Proおすすめプラグイン(無料・有料)まとめ」の記事では「どのプラグインがおすすめか」を広く紹介しましたが、今回はEQ・コンプ・リバーブなどを種類ごとに細かく掘り下げる基礎ガイドとして整理していきます。

Logic Proのプラグイン選びに迷ったときに戻ってこられるような「地図」のような記事を目指しているので、ゆっくり読み進めてみてください。

なお、この記事はカテゴリの基礎記事です。

この記事の結論とゴール|まずは「役割」でプラグインを覚える

結論:プラグインは「道具箱」と考えると分かりやすい

いきなりたくさんのプラグイン名を覚えようとすると挫折しやすいです。そこで、まずはプラグインを「何をする道具なのか」でグループ分けして考えるのがおすすめです。

  • 音を整える道具:EQ(イコライザー)、コンプレッサー
  • 空間を作る道具:リバーブ、ディレイ
  • 質感を足す道具:サチュレーション、歪み系
  • ステレオ感を調整する道具:Stereo Spread、Direction Mixer
  • 雰囲気を盛る道具:コーラス、フェイザー、マルチFX
  • 音源そのもの:シンセ、サンプラー(Alchemy、Samplerなど)

キッチンでいうと「包丁・フライパン・調味料・お皿」と役割が分かれているのと同じで、曲作りでも役割さえ分かれば、どの場面で何を使えばいいかが一気にスッキリします。

Logic Proでプラグインを挿す場所の基本

どのプラグインも、基本的にはミキサーの「チャンネルストリップ」に挿して使うイメージです。

  • 1. 画面右上の「ミキサー」ボタン(またはショートカット:⌘+2)を押してミキサーを開く
  • 2. 処理したいトラックの縦の帯(チャンネルストリップ)を探す
  • 3. 「Audio FX」と書かれた部分の空きスロットをクリック
  • 4. 表示されるメニューから「EQ」「Dynamics」「Reverb」などカテゴリを選ぶ
  • 5. 目的のプラグイン(例:Channel EQ、Compressor、ChromaVerbなど)を選択

この「Audio FXのスロットに挿す」という動作さえ覚えれば、あとは種類ごとの役割を少しずつ覚えていくだけでOKです。

Logic Proプラグイン種類マップ|初心者が押さえたい7カテゴリ

7つのカテゴリをざっくり把握しよう

まずは、Logic Proのプラグインを次の7つに分けて考えてみます。

  • ① EQ(Channel EQ など)… 音の「色」を整える
  • ② コンプレッサー(Compressor)… 音量の凸凹をならす
  • ③ リバーブ&ディレイ(ChromaVerb・Space Designer・Delay Designerなど)… 部屋の響きやエコーを作る
  • ④ サチュレーション&歪み(Overdrive・Distortionなど)… 太さ・温かさ・汚しを足す
  • ⑤ ステレオ系(Stereo Spread・Direction Mixer)… 左右の広がりを調整する
  • ⑥ モジュレーション&マルチFX(Chorus・Phaser・Flanger・Phat FXなど)… 動きや揺れを加える
  • ⑦ インストゥルメント(Alchemy・Samplerなど)… 音源そのもの

このあと、①〜⑦を順番に見ていきながら、「どんな時に使うか」「どの順番で覚えるとラクか」を具体的に解説していきます。

① 音を整える系:EQ(Channel EQ)の基本

結論:EQは「余計な帯域を少し削る」ところから始める

EQは、音の「低音〜高音」のバランスを調整するプラグインです。最初は足りないところを足すより、邪魔なところを少し削るイメージで使うと、失敗しにくくなります。

例えばボーカルなら「こもって聞こえる低音」を控えめに削る、シンセなら「耳に痛い高音」を少し抑える…というように、気になる部分だけピンポイントで触るのがおすすめです。

Channel EQの基本的な使い方手順

  • 1. 対象トラックの「Audio FX」スロットをクリック
  • 2. 「EQ」→「Channel EQ」を選択
  • 3. プラグイン画面右上の「Analyzer」をオンにして、音を再生しながら波形を確認
  • 4. ローカット(左端のハイパスフィルタ)を少し上げて、不要な低域をカット(ボーカルなら 80〜120Hz くらい目安)
  • 5. 耳障りな帯域を「Qを細くして +6〜+9dB 持ち上げ → 位置を左右に動かして探す → 少しだけ下げる(-2〜-4dB)」
  • 6. 必要に応じて高音を少し持ち上げて、明るさを足す(シェルフで +1〜+3dB 程度)

大きく動かしすぎると音が不自然になるので、最初は±3dB 以内を目安に少しずつ調整するのがコツです。

② 音量をならす系:コンプレッサー(Compressor)の基本

結論:ボーカルとドラムから覚えると理解しやすい

コンプレッサーは、音量のバラつきを抑えて、聴きやすくするためのプラグインです。特にボーカルとドラムで効果が分かりやすいので、まずはこの2種類のトラックで使う練習をしてみましょう。

Compressorの基本的な使い方手順(ボーカル例)

  • 1. ボーカルトラックの「Audio FX」→「Dynamics」→「Compressor」を挿す
  • 2. まずはプリセットから「Vocal」系のプリセットを選ぶ(迷ったら「Classic Vocal」など)
  • 3. 再生しながら「Threshold(スレッショルド)」を下げて、メーターの「Gain Reduction」が -3〜-6dB くらい動くように調整
  • 4. 「Ratio(レシオ)」は 2:1〜3:1 くらいに設定しておく(最初は大きく変えなくてOK)
  • 5. 「Make Up」または「Output Gain」で音量を元の大きさに戻す
  • 6. Bypassボタンで、オン/オフを切り替えながら「聞きやすくなっているか」を確認

コンプは「効かせすぎると不自然」になりがちなので、最初は控えめな設定で慣れるのが安心です。

③ 空間を作る系:リバーブ&ディレイ(ChromaVerb / Space Designerなど)

結論:センドで薄く全体にかけると仕上がりが自然

リバーブやディレイは、音に部屋の響きやエコーを加えるプラグインです。1トラックずつインサートでベタっとかけるより、バスを使って「センド」で薄く共有すると、ミックス全体がまとまりやすくなります。

ChromaVerbをバスに立ち上げる手順

  • 1. 任意のトラックの「Sends」欄の空きスロットをクリック
  • 2. 「Bus」→「Bus 1」など空いているバスを選択
  • 3. 自動で作成されたAUXトラックの「Audio FX」スロットをクリック
  • 4. 「Reverb」→「ChromaVerb」を選択
  • 5. ChromaVerbのプリセットから「Small Hall」や「Studio Room」など控えめなものを選ぶ
  • 6. 各トラックの「Sends」ツマミを少しだけ上げて、必要な分だけリバーブを送る

kawaii・lofi系のビートなら、スネアやクラップ、シンセパッドに少し多め、キックはほぼゼロにする…といったバランスにすると、ふんわりしつつも土台はくっきりします。

④ 質感を足す系:サチュレーション&歪み(Overdrive・Distortionなど)

結論:ほんの少し「太さ」や「ざらつき」を足す用途で使う

サチュレーションや歪み系プラグインは、音をわざと歪ませることで、温かさ・太さ・ヴィンテージ感を足すために使います。kawaii・lofiジャンルでは、ドラムやベース、2ndシンセに少しだけ汚しを足すと、雰囲気が一気にそれっぽくなります。

Overdriveの基本的な使い方ステップ

  • 1. 対象トラックの「Audio FX」→「Distortion」→「Overdrive」を挿す
  • 2. 「Drive」を少しだけ上げて(1.0〜2.5 くらい)、変化を確認
  • 3. 「Tone」で明るさ・暗さを調整
  • 4. 「Output Level」で全体の音量を整える
  • 5. 必要に応じて、Mix(Dry/Wet)があるタイプなら 10〜30% 程度に抑える

かけすぎると一気にLo-FiというよりLo-Fiノイズになってしまうので、「かかってるか分かるか分からないか」くらいから少しずつ足していくのがおすすめです。

⑤ ステレオ感を調整する系:Stereo Spread・Direction Mixer

結論:低音はモノラル寄り、パッドや上ものは広げる

ステレオ系プラグインは、音の「左右の広がり」を調整するためのものです。ミックスのセオリーとして、低音(キック・ベース)は中央寄り、パッド・シンセ・効果音は広げると、土台がしっかりした聴きやすいバランスになります。

Direction Mixerで低音をモノラル寄りにする手順

  • 1. ベーストラックの「Audio FX」→「Imaging」→「Direction Mixer」を挿す
  • 2. 「Spread」を 0〜-3dB くらいにしてステレオ幅を狭める
  • 3. 必要なら「Direction」でややセンター寄りに調整
  • 4. 他のステレオ系エフェクト(リバーブなど)とのバランスを聴きながら微調整

逆にパッドやアルペジオシンセなどは「Stereo Spread」やリバーブのステレオ感を活かして、広くふんわり配置すると、kawaii・lofiらしい包み込まれるサウンドになります。

⑥ 雰囲気を盛る系:モジュレーション&マルチFX(Chorus・Phat FXなど)

結論:サブメロやパッドにうっすらかけると「kawaii感」が出る

Chorus・Phaser・Flanger・Phat FXなどのモジュレーション系は、音に揺れや動きを加えるプラグインです。メインメロディにガッツリかけると聴きづらくなるので、サブメロ・パッド・SEなどにうっすらかけるのがポイントです。

Chorusのシンプルな使い方ステップ

  • 1. シンセパッドや2ndメロディのトラックに「Audio FX」→「Modulation」→「Chorus」を挿す
  • 2. プリセットから「Light Chorus」など控えめなものを選ぶ
  • 3. 「Rate」をゆっくりめ(0.3〜0.6Hz 程度)に、「Depth」は少しだけ上げる
  • 4. 「Mix」パラメータがあれば 10〜30% 程度に抑える

ほんの少し揺らすだけでも、平坦だったシンセが「手描きっぽいかわいい線」みたいな雰囲気になってくれます。

⑦ インストゥルメント系:Alchemy・Samplerの位置づけ

結論:音源そのものも「プラグインの一種」として整理しておく

Logic Proでは、シンセやサンプラーも「プラグイン」として扱われます。例えば、Alchemy・Sampler・Drum Machine Designerなどは、インストゥルメントスロットに挿すタイプのプラグインです。

音作りに慣れてきたら、「音源としてのプラグイン」+「Audio FXとしてのプラグイン」の組み合わせで考えられるようになると、サウンドメイクの自由度が一気に上がります。

Alchemyを読み込む基本手順

  • 1. 新規ソフトウェア音源トラックを作成
  • 2. チャンネルストリップ上部の「Instrument」スロットをクリック
  • 3. 「Alchemy」を選択
  • 4. プリセットブラウザから「Pads」「Keys」「Synth」などカテゴリーを選んで音色を試す

まずはプリセットを選んで、そこにEQ・コンプ・リバーブなどのAudio FXを組み合わせていくイメージで進めると、難しいシンセの知識がなくても、かなり完成度の高いサウンドになります。

初心者向け:Logic Proプラグインの学習おすすめ順ロードマップ

結論:①EQ → ②コンプ → ③リバーブ → ④ディレイ → ⑤質感系 の順でOK

一度に全部覚えようとするとパンクしてしまうので、次の順番で少しずつ触っていくのがおすすめです。

  • ステップ1:EQ(Channel EQ)で「余計な帯域を削る」感覚に慣れる
  • ステップ2:コンプ(Compressor)でボーカルやドラムの音量を整える
  • ステップ3:リバーブ(ChromaVerb / Space Designer)で空間を作る
  • ステップ4:ディレイで一部の音に奥行きやリズム感を足す
  • ステップ5:サチュレーション・モジュレーションで質感と揺れを足す

この順番は、すでに公開している「Logic Proでミックスの基本」や「EQ・コンプ入門」の記事とも連動するように構成しているので、必要に応じてそちらも合わせて読んでみてください。

まとめ|プラグインは「種類」と「役割」から慣れていけば大丈夫

この記事のおさらい

  • Logic Proのプラグインは、名前より「何をする道具か」で覚えると楽になる
  • まずは「EQ」「コンプ」「リバーブ・ディレイ」の3系統から始めると効果が分かりやすい
  • kawaii・lofi系では、サチュレーションやモジュレーションを薄く足すだけでも雰囲気がぐっと変わる
  • インストゥルメント(Alchemyなど)+ Audio FX の組み合わせで、音作りの幅が広がる
  • 「どのプラグインを使えばいいか分からなくなったら」この記事に戻って、種類マップを見直してみる

プラグインの世界は、とても奥が深い一方で、最初に覚えるべき「基本セット」はそこまで多くありません。この記事と、ピラー記事・ミックス系の記事を行き来しながら、少しずつ自分のペースで慣れていってもらえたら嬉しいです。

 

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