Logic Proで始めるlofi・Kawaiiビート制作ガイド|初心者向け手順解説
こんにちは、kawaharaです。
この記事では、Logic Proだけでlofi・Kawaii系のトラックを作るための具体的な手順を、初心者の方にもわかりやすいように順番に解説していきます。
難しい音楽理論よりも、まずは「それっぽい雰囲気を出すコツ」と「実際の操作手順」にフォーカスしているので、今日から1曲目のlofi・Kawaiiビートを完成させたい方にぴったりの内容です。
この記事の結論と全体の流れ
結論:Logic Proなら、付属音源と無料プラグインを組み合わせるだけで、lofiもKawaii系も十分に作れます。大事なのは「テンポ・コード進行・音色・質感」の4つをシンプルに揃えることです。
理由として、lofiやKawaii系は、複雑な構成よりも、
- ゆったりしたテンポと、シンプルな4コード進行
- 落ち着いたピアノ・エレピ、かわいいシンセ音色
- テープっぽい揺れや、少しざらっとした質感(lofi)
- 明るくてキラキラした高音のメロディ(Kawaii系)
といった「雰囲気作り」ができていれば、それだけでジャンル感がかなり出せるからです。
この記事では、
- Logic Pro側の初期設定とトラック構成
- lofiビートの作り方
- Kawaii系のコードとメロディの作り方
- 音作りとエフェクトのコツ
- ラフミックスと書き出し
の順番で、「結論 → 理由 → 実際の手順 → まとめ」という流れで解説していきます。
Logic Proでlofi・Kawaii系を作るための環境準備
まずは、Logic Proのプロジェクト設定とトラック構成を整えて、毎回同じところからスタートできる状態にしておくと、とても楽になります。料理でいうと「キッチンの調味料と道具を定位置に並べる」イメージです。
プロジェクト設定:テンポ・拍子・キーを決める
lofi・Kawaii系では、以下のような設定から始めると作りやすいです。
- テンポ(BPM):lofiなら 70〜90 / Kawaii系なら 120〜150 くらい
- 拍子:4/4(デフォルトのままでOK)
- キー:lofiなら♭系のキー(Fm / B♭majなど)、Kawaiiなら明るめのキー(Cmaj / Gmajなど)
設定手順は次の通りです。
- Logic Proを起動して、メニューバー上部の「ファイル」→「新規」をクリック
- プロジェクトが開いたら、画面上部中央のテンポ表示(数字部分)をクリックし、数値を直接入力
- 拍子はテンポ表示の右側の「4/4」をクリックして、必要に応じて変更(基本は4/4のままでOK)
- キーは、メニューバーの「トラック」→「キーとテンポのグローバルトラックを表示」をクリックし、表示されたキーをクリックして変更
トラック構成:lofi・Kawaii共通のテンプレを作る
毎回ゼロからトラックを追加するのは大変なので、最初から「ひな形」としてトラックを用意しておくと便利です。
おすすめの基本構成は次の通りです。
- Drums(ドラム)
- Bass(ベース)
- Chords(コード:ピアノ・エレピ・シンセパッド)
- Lead(リードメロディ)
- FX・環境音(ノイズ、雨音、SEなど)
具体的な作り方は以下の通りです。
- メニューバーの「トラック」→「新規トラック…」をクリック
- 「ソフトウェア音源」を選択して「作成」をクリック
- 左側のライブラリ(画面左端のサイドバー)から、
- 「Drum Machine」や「Acoustic Drum Kit」をドラム用に選択
- 「Bass」カテゴリからサブベース系やエレキベース系を選択
- 「ピアノ」「エレキピアノ」「シンセパッド」などをコード用に選択
- 「リードシンセ」「ベル」などをメロディ用に選択
- トラック名をダブルクリックして、「Drums / Bass / Chords / Lead / FX」とわかりやすく名前を付ける
この状態を、メニューバーの「ファイル」→「テンプレートとして保存…」から保存しておけば、次回以降は同じ構成からすぐに制作を始められます。
音源選び:付属音源+無料プラグインで十分始められる
Logic Proには、lofiやKawaii系との相性が良い音源が最初から多数入っています。
- 「Studio Vintage Electric Piano」:lofi向けのエレピ
- 「Alchemy」:Kawaii系シンセリードやパッド、ベル音色など
- 「Drum Machine Designer」:ポップなKawaiiドラム
加えて、もっと音色を増やしたくなったら、別記事の「おすすめ無料プラグインまとめ(Kawaii・lofi向け)」のような情報を参考に、少しずつ追加していけばOKです。
lofiビートの作り方:ドラムから雰囲気を作る
lofiトラックは、まずドラムの「ゆるさ」と「揺れ」を作るところから始めると雰囲気が出やすいです。散歩しながら聴くカセットテープのような、少しだけヨレた感じをイメージすると良いです。
STEP1:ドラムループを敷いてしまう(楽してOK)
いきなり打ち込みから始めると大変なので、最初はApple Loopsからlofiっぽいドラムループを敷いてしまうのがおすすめです。
- 画面右上のループボタン(輪になったアイコン)をクリックし、Apple Loopsブラウザを開く
- 検索窓に「lofi」「chill」「hip hop」などと入力し、ドラムループをいくつか試聴
- 気に入ったループを、Drumsトラックのタイムライン上にドラッグ&ドロップ
- ループの右上角をドラッグして、4〜8小節分くらいに伸ばす
これだけで、すでにlofiっぽい土台ができます。
STEP2:自分でドラムを打ち込む場合のコツ
自分でドラムを打ち込みたい場合は、「スウィング」と「ベロシティ(強さ)」を少し崩すのがポイントです。
- Drumsトラックを選択した状態で、キーボードショートカット「⌘+Option+N」またはメニューの「トラック」→「新規ソフトウェア音源トラック」を使ってドラム音源を選ぶ
- タイムライン上で右クリック→「MIDIリージョンを作成」を選択し、リージョンをダブルクリックしてピアノロールを開く
- キック(低い音)、スネア(中くらい)、ハイハット(高い音)を、4小節分くらい打ち込む
- ピアノロール下部のベロシティバーをドラッグして、すべて同じ強さにならないように少しバラつかせる
- 画面左の「リージョン」タブ→「クオンタイズ」を「1/16スウィング」などに設定して、軽くヨレた感じを出す
STEP3:EQ・コンプ・サチュレーターで「lofi質感」を足す
ドラムができたら、少しこもった・ざらついた質感を足すと一気にlofi感が出ます。
- Drumsトラックを選択し、ミキサー(ショートカット「X」)を開く
- チャンネルストリップの空きインサートスロットをクリックし、「EQ」→「Channel EQ」を挿入
- Channel EQで、
- 8kHz以上の高音を少し下げて、耳に優しいドラムにする
- 200〜400Hzあたりを少し持ち上げて、ふくよかな低中域を足す
- 同じくインサートから「Dynamics」→「Compressor」を挿入し、
- Ratio:2〜3:1
- Attack:中くらい
- Release:短め〜中くらい
- Gain Reductionが2〜4dB程度になるように調整
- さらに、サチュレーター系プラグイン(「Distortion」→「Overdrive」や無料のtape系プラグインなど)を軽くかける
「古いラジカセで鳴っている」くらいのイメージで、やりすぎない程度に質感を足していくと自然です。
Kawaii系コード進行とメロディの作り方
Kawaii系では、明るくてキャッチーなコード進行と、歌えるようなシンプルなメロディが大きなポイントです。ゲームBGMやアニメOPの、ワクワクする感じをイメージすると分かりやすいです。
STEP1:まずは鉄板の4コード進行をループさせる
Kawaii系でよく使われる簡単な進行は、例えばCメジャーキーだと次のような並びです。
- C → G → Am → F(いわゆる王道進行)
具体的な打ち込み手順は次の通りです。
- Chordsトラックを選択し、タイムライン上で4小節のMIDIリージョンを作成
- リージョンをダブルクリックしてピアノロールを開く
- 1小節目にC(ド)・E(ミ)・G(ソ)を重ねて配置
- 2小節目にG(ソ)・B(シ)・D(レ)を配置
- 3小節目にA(ラ)・C(ド)・E(ミ)を配置
- 4小節目にF(ファ)・A(ラ)・C(ド)を配置
- 4小節のリージョンを選択し、右上角をドラッグして8〜16小節分にループ
STEP2:歌えるようなシンプルなメロディを作る
メロディは、「鼻歌で歌えるくらいのシンプルさ」を意識するとKawaii系らしくなります。難しいスケールを意識するよりも、「コードの中の音+隣の音」くらいで十分です。
- Leadトラックを選択し、Chordsと同じ長さ(4〜8小節)のMIDIリージョンを作成
- ピアノロールで、まずはコードの構成音(C・E・Gなど)を中心にリズムをつけて配置
- そこから、1〜2音くらい上や下の音(スケール上の隣の音)にちょっとだけ動かす
- 同じフレーズを2回繰り返し、3回目で少しだけ変化させると「お決まり感+飽きない」構成になります
STEP3:レイヤーとハモりで「Kawaiiな厚み」を出す
Kawaii系では、メロディを2〜3種類の音色で重ねると、一気にそれっぽくなります。
- LeadトラックのMIDIリージョンをOption+ドラッグで複製し、別のシンセ音色やベル音色に差し替える
- 片方のトラックをオクターブ上げる(すべてのノートを選択して「Shift+Option+↑」)とキラキラ感が増す
- さらに、もう1トラック作り、メロディの音を3度下(例:ド→ラ)にずらしてハモりを作ると、ボーカルのような立体感が出る
lofiらしさ・Kawaiiらしさを出す音作りのコツ
ここまでで土台ができたら、「どこまでlofi寄りにするか」「どこまでKawaii寄りにするか」を、音色とエフェクトで微調整していきます。写真にフィルターをかけるイメージです。
lofi向け:ピアノ・エレピ・パッドの選び方
lofiでは、少しこもった柔らかい音が相性抜群です。
- ライブラリから「Studio Vintage Electric Piano」を選択
- 画面左のパラメータで「Tone」ノブを少し左に回して、明るさを抑える
- Channel EQで、高域(8kHz以上)を軽く下げ、ロー〜中域を少しだけ持ち上げる
- 「Modulation」カテゴリの「Chorus」を薄くかけて、ふわっとした質感を足す
Kawaii向け:シンセリード・ベルの選び方
Kawaii系では、高めで明るいシンセ音色が主役になります。ゲーム風のピコピコ音や、ベル系の音もよく使われます。
- Alchemyを開き、プリセットブラウザで「Synth Lead」「Plucked」「Bell」などのカテゴリを試す
- 気に入った音色を選んだら、フィルターの「Cutoff」を少し上げて明るさを調整
- 「Attack」を短く、「Release」をやや長めにすると、アタックがハッキリしつつ余韻も可愛く残る音になる
リバーブ・ディレイで空間を作る
リバーブやディレイは、「部屋の広さ」や「キラキラ感」を足すエフェクトです。かけすぎるとぼやけるので、少しずつ足していきます。
- ミキサーを開き、右側のバス(Bus)送信スロットをクリックして、空きバス(「Bus 1」など)を選択
- 自動的に作られたAUXトラックに、「Reverb」→「Chromaverb」などを挿入
- Chromaverbのプリセットから「Small Hall」「Room」など、比較的小さい空間を選択
- Sendの量(丸いノブ)を少しずつ上げて、「ないと寂しいけど、あると少し広がる」くらいに調整
- ディレイを足す場合は、同じように別のバスに「Delay」→「Stereo Delay」などを挿入し、リズムに合わせて1/4や1/8に設定
ラフミックスと書き出し:SNSや動画で使える状態にする
最後に、全体のバランスを整えて、YouTubeやSNS、動画編集ソフトで使える音源として書き出します。ここでは本格的なマスタリングではなく、「聴きやすくまとめる」程度でOKです。
STEP1:ラフミックスでバランスを取る
ラフミックスでは、主に音量・パン・簡単なEQを使って、各トラックがケンカしないように整えます。
- ミキサーを開き、
- Drums:全体の基準になるくらいの音量
- Bass:ドラムに寄り添うように、低音がしっかり聞こえるけれど大きすぎない程度
- Chords:ベースやドラムを邪魔しないよう、少し小さめ
- Lead:全体の中で一歩前に出るくらいに、やや大きめ
- パン(左右の位置)は、
- Drums・Bassはセンター寄り
- ChordsやFX、ハイハットなどを少し左右に振って広がりを出す
STEP2:マスタートラックに軽くコンプ・リミッターをかける
マスタートラックでは、音量の暴れを抑えて、全体を少しだけ持ち上げる処理をします。
- トラック一覧から「マスタートラック」を表示(「ミックス」→「マスタートラックを表示」)
- マスタートラックのインサートに「Compressor」を追加し、
- Ratio:2:1前後
- Attack:中くらい
- Release:自動または中くらい
- Gain Reductionが1〜3dB程度になるよう調整
- その後ろに「Adaptive Limiter」を挿入し、
- Output Ceiling:-1.0dB
- Gainを上げて、全体の音量が大きくなりすぎないギリギリ手前まで調整
STEP3:バウンス(書き出し)して完成
最後に、完成したトラックを書き出します。
- メニューバーの「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション…」をクリック
- 「ファイルフォーマット」をWAV(24bit)に設定(高音質のマスター用)
- 同時にSNS用にするなら、「追加フォーマット」でAACやMP3もチェック
- ファイル名に「lofi」「kawaii」などのキーワードを入れておくと、後から探しやすくなります
- 「バウンス」ボタンを押して書き出し
まとめ:まずは1パターン作って「量」で慣れていこう
今回は、Logic Proでlofi・Kawaii系のトラックを作る流れを、テンポやコード進行、音色選び、エフェクトのかけ方まで一通り解説しました。
最初から完璧な1曲を目指すよりも、
- テンポとキーを決める
- ドラムとベースで土台を作る
- シンプルな4コード+メロディを乗せる
- lofi寄り / Kawaii寄りに音色とエフェクトで方向性を決める
という流れを何度も繰り返して、「同じ手順で、少しずつ違う雰囲気の曲を量産していく」のがおすすめです。
この記事をきっかけに、あなたのLogic Proライフが少しでも楽しく、そしてlofi・Kawaiiなサウンドで彩られたものになればうれしいです。

コメント
コメントを投稿