DTM初心者向け作曲入門|メロディ・コード・リズムの基本ステップ


DTM初心者向け作曲入門|メロディ・コード・リズムの基本ステップ

こんにちは、kawaharaです。

「作曲をしてみたいけれど、何から手をつければいいのか分からない…」という方に向けて、この記事ではメロディ・コード・リズムの3つをセットで学べる作曲の始め方をまとめました。

難しい音楽理論をいきなり完璧に覚える必要はありません。まずはシンプルな8小節のフレーズを1つ完成させることをゴールにして、一緒にステップを進めていきましょう。

この記事はDTMカテゴリの基礎記事です。DTM初心者向けスターターガイドやBGM制作の記事と合わせて読むことで、土台から順番にステップアップできる構成になっています。

作曲の全体像|まず「3つのパーツ」をイメージしよう

最初の結論として、作曲をシンプルに分解すると、次の3つのパーツに落とし込めます。

  • メロディ:歌やリード楽器が担当する「主役の線」
  • コード(和音):メロディを支える「背景の色」
  • リズム:ドラムやベースなど「ノリやテンポ」を作る部分

イメージとしては、

  • メロディ:お話の「主人公」
  • コード:主人公が過ごす「背景や世界観」
  • リズム:物語の「テンポ感・緊張感」

というような関係です。この記事では、1曲をイチから完成させるのではなく、「8小節のループ」を作るところから始める流れで解説していきます。

このページのゴールと読み方

このページのゴールは、

  • シンプルなメロディが8小節分作れる
  • それに合う基本的なコード進行がつけられる
  • 簡単なドラムとベースでリズムが加えられる

という「作曲の土台の型」を1つ覚えることです。

難しく考えず、1回目はとにかく最後まで作ってみるつもりで読み進めてみてください。

メロディの作り方の基本|まずは4音フレーズから

結論からいうと、メロディは「短いフレーズ」を作って、それを少し変化させながら繰り返すと作りやすくなります。

いきなりサビのような長いメロディを思いつこうとすると、どうしても手が止まりやすいので、ここでは4音だけのシンプルなフレーズから始めます。

ステップ1:使う音を「ドレミファソ」だけに絞る

まずは、スケール(音階)を絞ると迷いが減ります。ここではCメジャー(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)から、さらに音を減らして「ド・レ・ミ・ソ」の4つだけに絞りましょう。

DAW(Logic Proなど)での具体的な操作イメージはこんな感じです。

  • 1. 新規ソフトウェア音源トラックを作成する
  • 2. ピアノ系の音色(Grand Pianoなど)を選ぶ
  • 3. ピアノロールを開いて、「C4(ド)・D4(レ)・E4(ミ)・G4(ソ)」だけを使うと決める

「この4つの音しか使ってはいけない」という縛りをつけることで、逆にメロディが作りやすくなります。

ステップ2:4音フレーズを作る(リズムも超シンプルでOK)

次に、1小節ぶんの短いフレーズを作ります。例として、4分音符を4つ並べてみましょう。

  • 1拍目:C4(ド)
  • 2拍目:E4(ミ)
  • 3拍目:G4(ソ)
  • 4拍目:E4(ミ)

DAWでは、

  • ピアノロール上で「1小節(バー1)」の中に4分音符を4つ配置する
  • グリッドを1/4(4分音符)に設定しておくと置きやすい

まずはこの1小節をループ再生して、耳に心地良いかどうかを確認します。「ちょっと違うな」と感じたら、音の順番だけ変えてみたり、最後の音を伸ばしてみたりして調整してみましょう。

ステップ3:1小節フレーズを「4小節」にふやすコツ

1小節ができたら、それを4小節分に増やして「短いフレーズのまとまり」を作ります。

  • 1小節目:元のフレーズ
  • 2小節目:ほぼ同じだが、最後の音だけ変える
  • 3小節目:1小節目と同じ
  • 4小節目:少し高い音で終わらせる/リズムを少し変える

これは会話でいうと、

  • 1〜2小節目:同じテーマを話す
  • 3〜4小節目:オチやまとめに向かう

というイメージです。「少し変えるけれど、同じフレーズだと分かる」くらいの変化を意識すると、音楽らしく聞こえやすくなります。

コード進行の作り方|定番パターンから始めよう

次は、作ったメロディを支えるコード進行です。結論として、最初は「定番コード進行」をそのまま使ってしまうのがおすすめです。

ゼロからコード進行をひねり出すより、よく使われるパターンをなぞった方が、早く「それっぽい曲」に近づきます。

ステップ1:Cメジャーで使う基本コードを覚える

ここでは、Cメジャーキーの代表的な3つのコードだけを使います。

  • C:ド・ミ・ソ
  • F:ファ・ラ・ド
  • G:ソ・シ・レ

DAWでは、

  • 1. 新規ソフトウェア音源トラックを作成(パッド系・エレピ系など)
  • 2. ピアノロールで「C(ド・ミ・ソ)」を1小節分、ブロックのようにまとめて置く
  • 3. 同じように「F」「G」も1小節ずつ置いてみる

音を縦に3つ重ねるとコードになります。見た目もブロックを積んでいるような感覚でOKです。

ステップ2:初心者でも使いやすい「王道進行」を当てはめる

最初におすすめなのは、次のような4小節のコード進行です。

  • 1小節目:C
  • 2小節目:G
  • 3小節目:Am(ラ・ド・ミ)
  • 4小節目:F

これはいわゆる「王道進行」と呼ばれるパターンで、ポップスでもよく使われています。

もしAmが難しければ、最初のうちは

  • C → G → F → G

のように、3コードだけで回しても大丈夫です。

メロディの4小節と、コードの4小節が同じ長さになるように並べて、同時に再生してみましょう。少し音がぶつかってもOKです。慣れてきたら、メロディの音をコードに合うように微調整していきます。

リズムとビートの作り方|ドラムとベースで「ノリ」を足す

メロディとコードだけでも音楽になりますが、リズムを入れると一気に曲らしさが増します。ここでは、超基本的なドラムパターンとベースの入れ方を見ていきます。

ステップ1:定番の8ビートドラムを打ち込む

まずは、4/4拍子・テンポ120を例にして、次のようなドラムパターンを作ってみましょう。

  • キック(バスドラム):1拍目と3拍目
  • スネア:2拍目と4拍目
  • ハイハット:8分音符で刻む(1拍を2つに分けて全部叩く)

DAW上での手順イメージはこんな感じです。

  • 1. ドラム音源トラックを追加する(ドラムマシンや標準キット)
  • 2. ピアノロールを開いて、
    • キック:小節1, 3拍目のグリッドにノートを置く
    • スネア:小節2, 4拍目のグリッドにノートを置く
    • ハイハット:8分音符グリッドに1小節あたり8つノートを並べる

ここでは細かいフィルは考えず、「同じパターンを4小節ループさせる」だけでOKです。

ステップ2:コードのルートをなぞるベースラインを作る

ベースは、難しいフレーズを弾く必要はありません。最初は「コードの一番下の音(ルート)」を中心に使うだけで十分です。

  • Cコードの小節:ベースはC(ド)
  • Gコードの小節:ベースはG(ソ)
  • Amコードの小節:ベースはA(ラ)
  • Fコードの小節:ベースはF(ファ)

リズムは、

  • 各小節の1拍目と3拍目にルート音を置く

といったシンプルなものから始めてみましょう。慣れてきたら、「1拍目はルート、3拍目は別のコードトーン」など、少しずつ変化をつけていけばOKです。

実際の作業フロー|8小節ループを完成させるまでの手順

ここまでの内容をまとめて、DAW上での具体的な作業フローを整理しておきます。最初は「8小節のループを1セット完成させる」ことを目標にしてみてください。

ステップ1:プロジェクトの準備

  • 1. 新規プロジェクトを作成する
  • 2. テンポを120 BPMに設定する
  • 3. 拍子を4/4に設定する
  • 4. ループ範囲を「1〜9小節目」に設定(8小節ぶん)

DAWごとにボタンの位置は異なりますが、通常は画面上部の「テンポ表示」や「拍子設定」部分をクリックすると変更できます。

ステップ2:メロディ → コード → リズムの順で組み立てる

おすすめの順番は、

  • ① メロディトラックを作り、4小節フレーズを8小節ぶんに展開
  • ② コードトラックを追加し、王道進行を4小節〜8小節ぶん打ち込む
  • ③ ドラムトラックで8ビートパターンを作る
  • ④ ベーストラックでルートベースを追加する

この順番で作ると、

  • メロディの雰囲気が先に決まる
  • それをコードとリズムで「補強」していく感覚になる

ので、全体の方向性がブレにくくなります。

ステップ3:最後に「1つだけ」変化をつけてみる

8小節ループができたら、最後にどこか1カ所だけで良いので、変化をつけてみましょう。

  • ・8小節目だけコードを変える
  • ・8小節目だけドラムのフィルを入れる
  • ・8小節目だけメロディを少し高くする

これだけでも、「ここからサビに行きそうな雰囲気」が出てきます。次にBGM制作やミキシングの記事を読むときの、良い土台にもなります。

まとめ|まずは「8小節ループ」を作れたら大成功

今回は、DTM初心者向けにメロディ・コード・リズムの3つをまとめて体験できる作曲の始め方を紹介しました。

  • メロディ:4音だけに絞って、短いフレーズを繰り返しつつ少し変化させる
  • コード:Cメジャーの基本コード+王道進行からスタートする
  • リズム:定番の8ビートドラムと、ルートをなぞるベースでOK

大事なのは、「完璧な1曲」ではなく「完成した8小節ループ」をまず1つ作ることです。ここまでできたら、もう立派に作曲の第一歩を踏み出せています。

このあと、

  • ・DTM全体の流れを知りたい場合 → スターターガイド・BGM制作の記事
  • ・より細かく歌メロや歌詞を作りたい場合 → 歌詞・メロディ系の記事

といった順番で読み進めると、無理なくステップアップできると思います。

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