DTM初心者向け|kawaii・lofiに合うおしゃれなコード進行の作り方
こんにちは、kawaharaです。
「メロディはなんとなく浮かぶけど、おしゃれなコード進行が全然思いつかない……」という悩み、DTMを始めたばかりの方からよく聞きます。
この記事では、kawaii・lofi系に特化したコード進行の考え方とテンプレ、そしてLogic Proでの具体的な打ち込み手順まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
難しい音楽理論を丸暗記するより、まずはよく使うパターンをマネしながら、自分の曲に当てはめていくことが大切です。この記事はDTMカテゴリの基礎記事ですので、まずはここで「コード進行の土台」を一緒に作っていきましょう。
結論からお伝えすると、
・1つのキー(調)を決める
・4つ前後のコードをループさせる
・kawaii/lofiの雰囲気に合う“テンプレ進行”からスタートする
この3つを押さえるだけで、かなりそれっぽい雰囲気のトラックが作れるようになります。
この記事で分かること
まずは、この記事のゴールを簡単に整理しておきます。
この記事のゴール
この記事を読み終えると、次のようなことができるようになります。
- kawaii・lofiに合うコード進行の考え方の基本が分かる
- すぐに使えるコード進行テンプレをいくつかストックできる
- Logic Proでのコード打ち込み手順がイメージできる
- 少しだけ“おしゃれ感”を足すための小技(maj7や分数コードなど)が使えるようになる
「理論書を読むより、とりあえず1曲完成させたい」という方に向けて、実践寄りの内容を優先してまとめています。
kawaii・lofi向けコード進行の基本的な考え方
まずは「どうやってコード進行を考えればいいのか」という全体像を押さえておきましょう。ここでは、専門用語をできるだけ噛み砕いて説明します。
ステップ1:1つのキー(調)を決める
コード進行を作る前に、まずは「どのキーで作るか」を決めます。キーとは「この曲は何の音を中心にしているか」というルールのようなものです。
初心者のうちは、次のどれかから始めるのがおすすめです。
- Cメジャー(明るく、kawaii系ポップス向き)
- Aマイナー(少し切ない、lofiっぽい雰囲気向き)
イメージとしては、
- Cメジャー → カフェで流れていそうな明るいBGM
- Aマイナー → 夜に作業しながら聴きたくなるチルいlofi
こんな感じで使い分けると分かりやすいです。
ステップ2:4つのコードをループさせるところから始める
kawaii・lofi系では、4つのコードを1セットにして、それをループさせるだけでも十分に成立します。
例えばCメジャーキーなら、よく使うコードはこのあたりです。
- C(トニック / 安心感のある“家”のようなコード)
- F(ちょっと広がりのあるコード)
- G(前に進む・サビへ向かう感じ)
- Am(少し切なさを足せるコード)
この4つだけでも、かなり多くの曲が作れてしまいます。
ステップ3:kawaiiとlofiの雰囲気の違いをイメージする
kawaii・lofiと一口に言っても、求める雰囲気は少し違います。
- kawaii系:明るくてポップ、ちょっとだけ切ない
- lofi系:落ち着いていて、少し暗め〜中性的な雰囲気
この違いは、
- kawaii:メジャーコード多め+たまにマイナーコード
- lofi:マイナーコード+7th(セブンス)、maj7(メジャーセブンス)多め
というイメージを持っておくと、コード選びがグッと楽になります。
すぐ使えるkawaii系コード進行テンプレ
ここからは、実際に使えるkawaii系コード進行テンプレをいくつか紹介します。まずはここにメロディを乗せていくイメージでOKです。
① 王道ポップ系:C → G → Am → F
ポップスで超定番の進行で、「カノン進行」と呼ばれるパターンの一種です。明るくて爽やかな雰囲気になり、kawaii系BGMにも相性抜群です。
- Cメジャーキーの場合:C → G → Am → F
- キーを変えたいとき:I → V → vi → IV(ローマ数字で覚えておくと便利)
イメージとしては、
- イントロ〜Aメロ:この進行を静かめにループ
- サビ:同じ進行を少し厚めの音色・リズムで展開
という使い方がしやすいです。
② ふわっと可愛い系:F → G → Em → Am
少しだけ「浮遊感」がほしいときに使いやすい進行です。最初にFから始まるので、安心感がありつつ、どこか夢っぽい雰囲気になります。
- Cメジャーキーの場合:F → G → Em → Am
- ローマ数字:IV → V → iii → vi
kawaii系のリードシンセやベル音色を乗せると、「ふわかわ」なサウンドになりやすい進行です。
③ ちょい切なkawaii:Am → F → C → G
最初にAm(マイナー)から始まることで、ほんのり切ない雰囲気を出せる進行です。サビ前や、落ちサビなどにもよく合います。
- Cメジャーキーの場合:Am → F → C → G
- ローマ数字:vi → IV → I → V
「元気すぎるkawaiiではなく、少し大人っぽい可愛さ」が欲しいときに、まず試してみてほしい4コードです。
チルでおしゃれなlofi向けコード進行テンプレ
次に、lofi系でよく使われる“チル進行”をいくつか紹介します。maj7や7thを少し足すだけで、一気に大人っぽい雰囲気になります。
④ 定番チル:Cmaj7 → Am7 → Dm7 → G7
「ジャズっぽいけど難しすぎない」lofiの王道進行です。Cメジャーキーのダイアトニックコード(そのキーに自然に含まれるコード)だけで構成されています。
- Cmaj7 → Am7 → Dm7 → G7
- ローマ数字:Imaj7 → vi7 → ii7 → V7
各コードを1小節ずつ鳴らして、上にエレピやピアノでアルペジオを乗せるだけで、かなり「それっぽい」lofiになります。
⑤ ループ感の強いミニマル進行:Am7 → D7 → Gmaj7 → Cmaj7
少しだけ「借り物のコード(セカンダリードミナント)」を混ぜた進行です。専門的に考え始めると難しくなるので、まずは「ちょっと不思議だけど気持ちいい」くらいの感覚でOKです。
- Am7 → D7 → Gmaj7 → Cmaj7
- ローマ数字:vi7 → II7 → Vmaj7 → Imaj7
ハットやスネアをローファイ気味にして、ドラムを少しスウィングさせると、ビートメイクにもぴったりハマる進行です。
⑥ ひたすら落ち着いた進行:Fmaj7 → G7 → Em7 → Am7
ずっと聴いていられるような、落ち着いたlofiに向いた進行です。kawaii寄りのサウンドと組み合わせると、「かわいいけど落ち着く」雰囲気になります。
- Fmaj7 → G7 → Em7 → Am7
- ローマ数字:IVmaj7 → V7 → iii7 → vi7
少しテンポを落として、ドラムにビットクラッシャーやテープシミュをうっすらかけると、一気にlofi感が増します。
Logic Proでコード進行を打ち込む具体的な手順
ここからは、実際にLogic Proでコード進行を打ち込む手順を、画面のどこを触ればいいかまで具体的に解説します。
ステップ1:ソフト音源トラックを作成する
まずはコードを鳴らすためのソフト音源トラックを作ります。
- 画面左上の「+」ボタンをクリック
- 「ソフトウェア音源」を選択
- 音源はとりあえず「Studio Piano」や「E-Piano」あたりを選べばOK
- 「作成」ボタンを押してトラックを追加
後からシンセやベル音色に差し替えられるので、この段階では「聴き取りやすい音色」を選んでおくと作業がしやすいです。
ステップ2:MIDIリージョンを作り、ピアノロールを開く
次に、コードを打ち込むためのMIDIリージョンを作ります。
- 作成したソフト音源トラックのタイムライン空白部分をドラッグして範囲選択(例:4小節分)
- 選択した範囲を右クリック → 「リージョンを作成」を選ぶ
- できたリージョンをダブルクリックして、下部に「ピアノロール」を表示
ピアノロールの左側にピアノ鍵盤、右側にグリッド(マス目)が表示されていれば準備OKです。
ステップ3:1小節ごとにコードを打ち込む
ここでは、先ほど紹介した「C → G → Am → F」の進行を例に、1小節ずつコードを打ち込んでみます。
- ピアノロール右上の「クオンタイズ」を「1/4」に設定(4分音符単位)
- 1小節目の頭(小節1の1拍目)にC(ド)の音をマウスでクリックしてノートを置く
- 同じタイミングにE(ミ)、G(ソ)も置いて、Cコードの形(ド・ミ・ソ)にする
- ノートの長さが1小節分になるように、右端をドラッグして伸ばす
- 2小節目:同じようにGコード(ソ・シ・レ)を1小節分打ち込む
- 3小節目:Am(ラ・ド・ミ)、4小節目:F(ファ・ラ・ド)を入力
再生してみて、4小節のループが自然に聞こえればOKです。慣れてきたら、ノートを少しずつ上下にずらして「転回形(ボイシング)」を試してみると、よりおしゃれになります。
kawaii・lofi感をアップさせるおしゃれコードの小技
コード進行そのものはシンプルでも、ちょっとした工夫で雰囲気を大きく変えることができます。
小技1:maj7と7thを1つだけ足してみる
いきなり全部のコードを難しくするのではなく、まずは1つだけmaj7や7thを混ぜるのがおすすめです。
- C → G → Am → F
→ Cmaj7 → G → Am7 → Fmaj7 のように少しだけ変える
これだけでも、「ただのポップス」から「ちょっとおしゃれなkawaii・lofi」へと一歩近づきます。
小技2:ベースの音だけ変える(分数コード)
同じコードでも、ベース(1番低い音)を変えると雰囲気がガラッと変わります。これを分数コードと呼びます。
- C → G → Am → F
- ベースだけ変えて
C → G/B → Am → F のようにしてみる
ピアノロールでは、
- 上の3音(コード)はそのまま
- 一番下の音だけ別の音(例:G/Bなら「シ」)にする
というイメージで打ち込むと分かりやすいです。
小技3:リズムとアルペジオで“揺れ”を作る
コードをベタ打ち(ずっと同じ長さで鳴らしっぱなし)にすると、どうしても単調になりがちです。
- コードを8分音符や16分音符に細かく刻む
- 下から上へ順番に鳴らすアルペジオにする
- ベロシティ(ノートの強さ)を少しランダムにする
特にlofiでは、「機械っぽさ」を減らして人間が弾いたようなゆらぎを出すことがポイントになります。
まとめ:テンプレから始めて、少しずつ自分のコード進行に
この記事のまとめ
最後に、この記事の内容を簡単に振り返っておきます。
- まずは1つのキー(Cメジャー / Aマイナーなど)を決める
- 4つのコードを1セットにしてループさせるところからスタート
- kawaii:C → G → Am → F / F → G → Em → Am などから試す
- lofi:Cmaj7 → Am7 → Dm7 → G7 など、maj7・7thを足してチル感アップ
- Logic Proでは、ソフト音源トラック → MIDIリージョン → ピアノロールでコードを打ち込む
- maj7や分数コード、アルペジオなどの小技で“おしゃれ感”を足していく
コード進行は、いきなりオリジナルをひねり出そうとしなくて大丈夫です。まずは定番のテンプレを真似しながら、「このコードを1つ変えたらどうなるかな?」と少しずつ遊んでみてください。
他の記事と組み合わせて読み進めることで、コードだけでなくメロディ・リズム・ミックスまで、DTM全体の理解がグッと深まっていきます。

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