DTM初心者向け|SynthV・重音テトで歌詞とメロディを作る方法


DTM初心者向け|SynthV・重音テトで歌詞とメロディを作る方法


こんにちは、kawaharaです。

この記事では、SynthV(Synthesizer V)や重音テト向けに、歌詞とメロディをゼロから作る手順を、DTM初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

先に結論からお伝えすると、「①テーマを決める → ②歌詞の骨組みを作る → ③歌いやすい音域でメロディを組み立てる → ④SynthVで丁寧に打ち込んで調整する」という流れを押さえておけば、初めてでも形になる楽曲を作りやすくなります。

難しい音楽理論よりも、実際に手を動かしながらコツをつかんでいくことを優先して解説していきますので、「まず1曲仕上げてみたい」という方は、ぜひ一緒に進めてみてください。

なお、この記事はカテゴリの基礎記事です。SynthV や重音テトでのボカロDTM制作を始めたいときの、最初のロードマップとして使っていただけます。



結論:歌詞とメロディは「一言テーマ」と「歌いやすい音域」がカギ

まずは、この記事全体の結論を整理しておきます。歌詞とメロディづくりで迷いがちなポイントはたくさんありますが、DTM初心者さんが最初に意識したいのは次の2つです。

  • 一言で言えるテーマを決めてから歌詞を書く
  • キャラクターに合った音域の中でメロディを組み立てる

テーマが決まっていないと、歌詞が「日記みたいにダラッ」としがちですし、音域が合っていないと、SynthV や重音テトでも不自然に聞こえてしまいます。

逆に言えば、この2つさえ押さえておけば、多少ラフでも「それっぽく」歌ってくれるのがボーカル音源の強みです。ここからは、その理由と具体的な進め方を、ステップごとに見ていきましょう。



歌詞づくりの基本:一言テーマから「レゴブロック」みたいに組み立てる

歌詞づくりというと「センスがないと無理そう…」と感じるかもしれませんが、レゴブロックを並べるように、パーツを少しずつ組み立てるイメージを持つと楽になります。

ここでは、一言テーマ → 主人公と視点 → Aメロ・Bメロ・サビの役割分担という順番で組み立てていきます。


ステップ1:一言で言える「テーマ」を決める

最初に、曲全体のテーマを一言で言えるフレーズにしておきます。これは、絵を描く前に「今日は空の絵を描く」と決めておくイメージです。

  • 例1:「夜更かししながらDTMしている時間が好き」
  • 例2:「報われないけど、ちょっとだけ前を向きたい」
  • 例3:「重音テトと一緒に歌っているようなワクワク感」

このテーマは、あとで迷ったときの「コンパス」になるので、紙やメモアプリに一番上に書いておくことをおすすめします。


ステップ2:主人公と視点(誰目線か)を決める

次に、誰の目線で歌うのかを決めます。ここがあいまいだと、歌詞の中で「私」「君」「ぼく」「あなた」が混ざってしまい、聞いている人が混乱しがちです。

  • 「私視点」で素直に気持ちを語る
  • 「君視点」で相手に語りかける
  • 「三人称(あの子)」で物語として描く

重音テトの場合、少しコミカルで元気な「私」や「ボク」視点との相性が良いことが多いです。曲の雰囲気に合わせて、キャラクター像を1つに決めておきましょう。


ステップ3:Aメロ・Bメロ・サビの役割をざっくり決める

いきなり1行目から完璧な歌詞を書こうとするより、各セクションの「役割」だけ先に決めておくと、後から言葉が乗せやすくなります。

  • Aメロ:状況説明や日常の描写(例:PC前で夜更かししている様子)
  • Bメロ:気持ちが少し高まる部分(例:不安やモヤモヤが見えてくる)
  • サビ:テーマの一言をそのまま叫ぶ場所(例:それでもこの時間が好きだ、など)

ノートやテキストに、次のように書き出してから細かい歌詞を考えるとスムーズです。

  • Aメロ:深夜の部屋・モニターの光・コーヒー・猫などの日常
  • Bメロ:本当は不安・でも作り続けたい気持ち
  • サビ:DTMしている時間がいちばん自由だ、という結論

このように、歌詞は「テーマ+レゴブロックのメモ」から組み立てると、行き詰まりにくくなります。



歌いやすいメロディの作り方:重音テト向け音域とリズムのコツ

次に、重音テトやSynthV向けのメロディづくりについて見ていきます。ここでも難しい理論ではなく、音域とリズムという実践的なポイントに絞って解説します。


ステップ1:キーと音域を決める(重音テトの得意ゾーン)

メロディを作る前に、まずは曲のキー(調)と、大まかな音域を決めておきます。重音テトの場合、D3〜D5あたりを中心にした音域が扱いやすい目安です。

  • 低すぎる音:声がこもって聞き取りづらくなりやすい
  • 高すぎる音:常に張り上げているように聞こえて疲れやすい
  • おすすめ:サビの一番高い音がC5〜D5くらいになるキーを選ぶ

たとえば、よく使われるキーとしてはFメジャー / Fマイナー / Gメジャー / Gマイナーなどが扱いやすいです。Logic ProなどのDAW側で、一度適当にコード進行を鳴らしてみて、テトが歌いやすそうなキーを探すのもおすすめです。


ステップ2:メロディは「リズム」から作ると迷いにくい

メロディを作るとき、「どの音を使うか」から考えると、選択肢が多すぎて迷いやすくなります。そこでおすすめなのが、先にリズムだけを決めてしまう方法です。

  • 1小節を「タ・タ・ターン」のように、手拍子や声でリズムパターンにする
  • そのリズムに、あとから音程を当てはめていく

イメージとしては、メロディを「音の動く形」ではなく「リズムの模様」として先に決めておく感じです。これだけで、歌詞も乗せやすくなります。


ステップ3:階段メロディ+たまにジャンプで「歌いやすく印象的」に

音程をつけるときは、「階段のように1〜2音ずつ上下に動く」のを基本にしながら、ところどころで4度〜5度くらいジャンプすると、歌いやすさと印象の両立がしやすくなります。

  • Aメロ:隣り合う音を中心に、なだらかな動きにする
  • Bメロ:少しずつ高い音に上げていき、サビへの期待感を作る
  • サビ:テーマのキーワードで一段高い音(ジャンプ)を使って印象付ける

具体的には、Fマイナーの曲なら、「C–D♭–E♭–F」あたりの音を中心に上下しながら、サビのキメで「A♭」に跳ぶようなイメージです。ピアノロール上でも、階段とジャンプを意識しながら配置してみてください。



SynthVでの実践:歌詞とメロディを打ち込む具体的な操作手順

ここからは、SynthV(Synthesizer V)で実際に歌詞とメロディを打ち込む操作手順を、できるだけ具体的に紹介します。画面上の「位置」や「ボタン名」もあわせて書いていきます。


ステップ1:新規プロジェクトとボーカルトラックを作成する

まずは、SynthV側で歌を入れる準備をします。

  • SynthVを起動し、画面左上の「ファイル」→「新規プロジェクト」をクリック
  • テンポや拍子を決める(例:テンポ120 / 4分の4拍子など)
  • トラック一覧の左側あたりにある「+」ボタンを押して、「ボーカルトラック」を追加
  • 追加されたボーカルトラックの左側で、使用するライブラリ(重音テトなど)を選択

この状態で、ピアノロールにノートを書き込める準備が整います。


ステップ2:ピアノロールにメロディノートを入力し、歌詞を流し込む

次に、先ほど考えたメロディをピアノロールに打ち込み、歌詞を入力していきます。

  • 画面中央のピアノロール部分で、マウスカーソルを置きたい位置まで移動
  • ペンツール(鉛筆アイコン)を選び、ノートを置きたい位置でクリックして音符を追加
  • 音の長さを変えたいときは、ノートの右端をドラッグして調整
  • 1フレーズ分のメロディを入力したら、ノートをまとめて選択 → 右クリック → 「歌詞を編集」を選択
  • 表示された入力欄に、ひらがなで歌詞をスペース区切りで入力(例:「よる の へや で ひとり」など)

歌詞を入力すると、ノート1つ1つに自動で音節が割り当てられます。もし区切りが合わない場合は、ノートを分割する(右クリック → 分割)ことで調整できます。


ステップ3:ピッチカーブとダイナミクスで「人間らしさ」を足す

ノートと歌詞を入れただけだと、どうしても機械的に聞こえがちです。そこで、ピッチカーブ(音程の揺れ)ダイナミクス(音量の強弱)を少しだけ調整すると、グッと自然に聞こえるようになります。

  • 画面下部にあるパラメータ表示エリアで、「ピッチ」や「音量」を選択
  • ピッチ:ノートの頭を少しだけ上げたり下げたりして、歌い出しに表情をつける
  • 音量:サビでは少し上げる、Aメロは少し控えめにするなど、セクションごとに差をつける

最初は、大きくいじりすぎず「ちょっとだけ揺らす」イメージで触ると、破綻しにくくなります。慣れてきたら、ビブラートや発音パラメータも試してみてください。



最後の仕上げ:チェックリストで「完成度」を一段上げる

ある程度できあがってきたら、一度落ち着いて全体を見直す時間を取ると、完成度が大きく変わります。ここでは、簡単に使えるチェックポイントをまとめておきます。


ステップ1:通して聴いて「引っかかるところ」をメモする

まずは、頭から終わりまで通して再生しながら、気になった場所をメモしていきます。

  • 歌詞が急に難しくなっていないか
  • メロディが急に高すぎたり低すぎたりしないか
  • サビでちゃんと「テーマ」が伝わっているか

気になる部分を見つけたら、一気に直そうとせず、1〜2か所ずつ丁寧に修正していくのがおすすめです。


ステップ2:歌いやすさチェック(言いにくい言葉を減らす)

次に、歌詞の発音しやすさを確認します。早口で子音が連続しすぎていると、SynthVや重音テトでも聞き取りづらくなります。

  • 「つ」「き」「し」などが連続しすぎないようにする
  • サビの大事な言葉は、長めの音符に乗せる
  • 早口になりそうな箇所は、音符を分けるか、文字数を減らす

実際に、自分で小声で歌ってみて、噛みやすいところは言い換えると、ぐっと聴きやすい歌になります。


ステップ3:書き出して客観的に聴いてみる

最後に、ミックスまではいかなくても、簡単なデモとして書き出してみるのがおすすめです。

  • SynthVの上部メニュー「ファイル」→「オーディオを書き出し」を選択
  • WAV形式などで書き出し、スマホに入れてイヤホンで聴いてみる
  • 通勤・通学中などに聴いてみて、「ここもう少しこうしたい」と思った部分をメモ

PCの前だけで考えるより、少し時間を置いて聴き返すことで、客観的な気付きが増えていきます。



まとめ:小さな一曲でも、最後まで仕上げる経験が一番の近道

ここまで、SynthV・重音テト向けの歌詞とメロディの作り方を、結論 → 理由 → 手順 → まとめの流れで解説してきました。

  • テーマを一言で決めることで、歌詞のブレが減る
  • キャラに合う音域(重音テトならD3〜D5付近)を意識すると、歌いやすく聞き取りやすい
  • リズムからメロディを作ると、初心者でも迷いにくい
  • SynthVでの打ち込みは「ノート → 歌詞 → 表情付け」の順番で進めるとスムーズ
  • 最後にチェックリストで見直しをすると、完成度が一段上がる

最初の1曲は、どうしても時間がかかりますが、小さくてもいいので「完成させた」という経験が、次の曲づくりをぐっと楽にしてくれます。

このあと、DAW側での打ち込みやミックスについても学んでいくと、より自然で気持ち良いボカロ曲に近づいていきます。下の関連記事もあわせてチェックして、少しずつステップアップしていきましょう。



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