DTM初心者向け|8小節ループから抜け出して曲を最後まで完成させる方法

DTM初心者向け|8小節ループから抜け出して曲を最後まで完成させる方法

こんにちは、kawaharaです。

DTMを始めると、多くの人が一度はハマるのが「8小節ループから先に進めない問題」です。ビートやコードはいい感じなのに、そこから1曲分の長さに広げられず、プロジェクトだけ増えていく…というパターン、けっこうあると思います。

この記事では、DTM初心者さんが8小節ループを「完成した1曲」まで育てるための具体的な手順を、できるだけむずかしい理論を使わずに、実践ベースでまとめました。

「集中力が続かない」「どこから構成を考えればいいかわからない」という方でも、結論 → 理由 → 手順 → まとめの流れで少しずつ進めていけるように構成しています。

この記事でわかること:

  • 8小節ループから先に進めない原因と考え方
  • 参照曲を使って「曲の地図」を作る方法
  • 8小節ループをイントロ/Aメロ/サビなどに展開する具体的なステップ
  • 最後まで作り切るためのチェックポイントと「割り切り方」

結論:最初に「曲のゴール」をざっくり決めてからループを広げる

8小節ループで止まる一番の理由

いきなり結論ですが、8小節ループで止まる一番の理由は「曲のゴール(完成形のイメージ)」がないまま作業しているからです。

例えると、目的地を決めずにドライブして、気づいたら同じ道をぐるぐる回っているような状態。どこに向かえばいいかわからないので、とりあえず今の8小節をいじり続けることになりがちです。

最初に決めるべきは「曲の尺」と「ざっくり構成」

そこで大事なのが、打ち込みを細かく作り込む前に「曲の長さ」と「構成の流れ」をざっくり決めておくことです。

たとえば:

  • 曲の尺:2分30秒〜3分くらい
  • 構成:イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → 間奏 → サビ → エンディング

このくらいざっくりでOKです。細かいフィルや装飾は、あとからいくらでも足せます。

ステップ1|参照曲を1つ決めて「曲の地図」を作る

手順①:参考にする曲を1曲だけ選ぶ

まずは、自分が作りたい方向性に近い曲を1曲だけ選びます。ジャンル・テンポ・雰囲気が近ければOKです。

ポイントは、プレイリストを流しっぱなしにするのではなく、「この曲をテンプレにしよう」と決めてしまうことです。

手順②:参照曲の構成をメモする

次に、その参照曲の構成をざっくりメモします。紙でもメモアプリでもOKです。

おすすめのメモの仕方:

  • 再生バーの時間(秒)を見ながら、「どこからどこまでがどのセクションか」を書き出す
  • 例:0:00〜0:12 イントロ/0:13〜0:40 Aメロ/0:41〜1:08 サビ…という感じでメモ

Logic Proなら:

  • 上部の「グローバルトラック」を表示(トラックエリア上部の「表示」→「グローバルトラックを表示」)
  • 「マーカー」トラックをオンにして、イントロ/Aメロ/サビなどの名前でマーカーを打っていく

この作業で、参照曲の「曲の地図」ができ上がります。

ステップ2|8小節ループを「どのセクション」にするか決める

手順③:ループの役割を決める(サビ?Aメロ?)

次に、あなたが今持っている8小節ループを曲のどの部分として使うかを決めます。

よくあるパターン:

  • メロディ強め・音数多め → サビ/ドロップ候補
  • コードとリズムだけ・シンプル → Aメロ/バース候補

もし迷ったら、「一番テンションが上がる形」までループを少し作り込み、それをサビとして扱うのがおすすめです。

手順④:タイムライン上に「空の箱」を並べる

次は、DAWのタイムライン上に曲の枠だけ先に並べる作業です。

例として、4小節単位で考える場合:

  • イントロ:8小節
  • Aメロ:8小節
  • Bメロ:8小節
  • サビ:8小節
  • 間奏:8小節
  • サビ:8小節
  • アウトロ:4〜8小節

Logic Proなら:

  • 「マーカー」トラックで、セクションごとに長さを決めてマーカーを追加(ショートカット「⌥⌘’」など)
  • リージョンがまだなくてもOK。まずは「箱」だけ作るイメージで進めます。

ここまでできると、曲の全体像が「見える」状態になります。

ステップ3|コピペ&引き算で全体を仮で埋める

手順⑤:まずはループを全セクションにコピーする

少し乱暴に聞こえるかもしれませんが、まずは作った8小節ループを、曲の必要な場所に全部コピペしてしまいます。

例:

  • サビ用のループ → サビ1・サビ2にコピー
  • コード進行のループ → Aメロ・Bメロにもコピー

この段階では、どのセクションもほぼ同じ状態でOKです。あとで「引き算」と「足し算」で差をつけていきます。

手順⑥:Aメロ・イントロは「引き算」で薄くする

コピーしたあと、Aメロやイントロなど、落ち着いたセクションから音を減らしていきます。

具体的な「引き算」の例:

  • イントロ:キックとベースを消して、パッドとFXだけにする
  • Aメロ:ハイハットを減らして、スネアのゴーストノートも削る
  • Bメロ:サビと同じコードだが、リードの音量を下げる/オクターブを変える

Logic Proなら、リージョンを選択して「ミュート(Mキー)」で一時的に無効化しながらバランスを見ると、比較しやすくなります。

手順⑦:サビは「足し算」で一番盛り上がるように調整

サビ(ドロップ)は、一番テンションが高いポイントにしたいので、ここだけ少し丁寧に作り込みます。

サビの「足し算」例:

  • 2周目のサビにだけ、上モノ(シンセリードやオクターブ上のパッド)を追加
  • サビ前の1小節だけ、ドラムを止めてインパクトを作る
  • クラッシュやインパクトFXをサビ頭に置いて、切り替わりをはっきりさせる

ステップ4|ラフミックスと「仮マスタリング」で最後まで聴ける形にする

手順⑧:音量バランスだけざっくり整える

アレンジが曲の最後まで一応つながったら、一度ミックスを簡単に整えておくと、モチベーションがかなり上がります。

DTM初心者さんは、まずこの3つだけ意識すればOKです:

  • キックとベースがクリアに聴こえる音量にする
  • ボーカルやリードメロディを、キックより少し前に出す
  • うるさいシンセやパーカッションは少し下げる

Logic Proなら:

  • 各トラックのフェーダーを動かして、マスターが0dBを超えないように調整
  • 必要ならマスターバスに「Limiter」を挿して、アウト天井を -1.0dB くらいに設定

手順⑨:書き出してスマホで聴いてみる

最後まで曲がつながったら、一度オーディオ書き出しをしてスマホで聴いてみるのがおすすめです。

Logic Proの場合:

  • メニューの「ファイル」→「バウンス」→「プロジェクトまたはセクション」を選択
  • フォーマットを「mp3」または「AAC」に設定し、バウンス

スマホで日常的に聴いてみると、

  • 「このあたり、ちょっと長いな」
  • 「サビ前が弱いからブレイク入れたいな」

など、俯瞰した気づきが増えて、次の修正に活かしやすくなります。

よくあるつまずきポイントとメンタルの整え方

「最初から全部かっこよくしなきゃ」と思わなくてOK

DTM初心者さんがやりがちなのが、1周目から100点のアレンジとミックスを狙うことです。

でも、プロの現場でも「まずはラフ→後からブラッシュアップ」が基本。最初は「線で描いたラフ下書き」みたいな感覚でOKです。

完成させること自体が一番の練習になる

8小節ループを量産するよりも、微妙でもいいから「最後まで1曲作る」経験の方が、成長スピードは早いです。

最初の数曲は、正直ちょっと恥ずかしいクオリティかもしれません。でも、

  • 構成の流れが身体でわかる
  • 自分の苦手なポイント(Aメロが薄い/サビが弱いなど)が具体的になる

など、次に活かせるデータがたくさん手に入ります。

まとめ|8小節ループは「完成曲へのスタート地点」

この記事のポイントおさらい

最後に、今回の内容をコンパクトにまとめます。

  • 8小節ループで止まるのは「曲のゴール」が決まっていないから
  • 参照曲を1つ選んで、構成をメモし「曲の地図」を作る
  • 8小節ループを「どのセクションにするか」決めてからタイムラインに箱を並べる
  • まずはコピペで全体を埋めて、Aメロ・イントロは引き算、サビは足し算で調整
  • ラフミックスと簡単なマスタリングで、最後まで聴ける形にしてしまう
  • クオリティよりも「まず1曲完成させる経験」が一番の練習

8小節ループは、決して悪いものではなく、「曲作りの入り口」です。この記事の手順を、自分のペースで少しずつ試してみてください。

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