Loopcloud初心者向け|素材のテンポとキーをそろえる基本テクニック
こんにちは、kawaharaです。
Loopcloudで集めたループ素材のテンポやキーがバラバラで、「なんか合ってない…?」という違和感を感じたことはありませんか?
この記事では、Loopcloud上でテンポとキーをそろえる基本の考え方と、実際の操作手順を初心者向けに丁寧に解説します。
※この記事は「Loopcloud」カテゴリの基礎記事です。まずはここで、テンポとキー合わせの土台を作っておくと、ほかのLoopcloud記事もスムーズに活かせます。
イメージとしては、料理をする前に「材料を同じ大きさに切りそろえる」作業に近いです。素材(サンプル)をある程度そろえておくと、あとからミックスしたりアレンジしたりするのが一気にラクになります。
結論から言うと、
① DAW(Logic Proなど)のテンポとキーを先に決める → ② Loopcloudの検索フィルターとテンポ・キー機能で「なるべく近い素材」を選ぶ → ③ 必要に応じてLoopcloud側で微調整する
この流れで進めると、テンポ&キー合わせの失敗がかなり減ります。
ここから、理由と手順を順番に見ていきましょう。
なぜテンポ&キーをそろえると「それっぽい仕上がり」になるのか
まずは、そもそもなぜテンポとキーをそろえるべきなのかをざっくり押さえておきます。ここを理解しておくと、あとで「どこまできっちり合わせるか」の判断がしやすくなります。
テンポがそろうと「ノリ」が生まれる
テンポ(BPM)は曲全体の歩く速さのようなものです。バラバラの歩幅・スピードで歩いている人たちが集まると、行進がグチャグチャになるように、テンポが揃っていないとリズムが落ち着きません。
逆に、
- キックやスネアのループ
- ハイハットのパターン
- コードやパッドのループ
などのリズムの柱になる素材のテンポをそろえると、自然と「ノリ」が出て、他の音も乗せやすくなります。
キーがそろうと「歌いやすい・聴きやすい」曲になる
キーは曲の「中心となる高さ(音階)」です。カラオケで「この曲高すぎてつらい…」となるのは、キーが自分の声に合っていないからですよね。
同じように、
- ベースのループ
- コードのループ
- リードメロディやボーカルチョップ
のキーがバラバラだと、「なんとなく不協和音っぽい」「落ち着かない」と感じやすくなります。
逆に、曲のキーに合わせて素材を選ぶと、コードとメロディが自然につながりやすくなり、ボーカルも乗せやすくなります。
事前準備|Logic ProとLoopcloudの基本設定をそろえる
最初に、DAW側(ここではLogic Pro)でテンポとキーを先に決めておくのがおすすめです。そのあとでLoopcloudの素材を合わせていくイメージです。
Logic Pro側でプロジェクトのテンポとキーを決める
まずは、曲のイメージに合わせて大まかなテンポとキーを決めておきましょう。
- kawaii Future Bass:140〜160 BPMあたり
- lofi hiphop:70〜90 BPMあたり
- 落ち着いたポップス:100〜120 BPMあたり
Logic Proでの設定手順は、例えば次のような流れです。
- 画面上部のコントロールバー中央あたりにある「テンポ表示(例:120)」をクリック
- テンポを入力(例:90)して、Enterキーで確定
- 同じくコントロールバーの右側にある「キー(調)」の表示をクリック
- プルダウンから、曲のイメージに合うキー(例:F minor / A minorなど)を選択
ここで決めたテンポとキーが「曲の土台」になります。
Loopcloudプラグインを立ち上げてDAWと同期する
次に、Logic ProのトラックにLoopcloudプラグインを立ち上げておきます。
- Logic Proで新規ソフトウェア音源トラックを作成
- チャンネルストリップの「Instrument」スロットをクリック
- プラグイン一覧から「Loopcloud」を選択して挿入
Loopcloudウィンドウを開くと、上部に
- BPM(テンポ表示)
- Key(キー表示)
- 「SYNC」や「KEY LOCK」などのボタン
が並んでいます。通常、プラグイン版LoopcloudはDAWのテンポと自動で同期するので、Logic Pro側のテンポがそのままLoopcloud画面にも反映されます。
素材のテンポを合わせる手順(BPM編)
ここからは、具体的にLoopcloudでテンポを合わせる方法を手順で見ていきます。
① BPMフィルターで近いテンポのループを探す
まずは、最初からテンポが近い素材を選ぶと後がラクです。
- Loopcloud画面左側の検索フィルターにある「BPM」スライダーを探す
- 例えば、プロジェクトが90 BPMなら、「80〜100」くらいの範囲に絞り込む
- ジャンルやタグもあわせて選ぶ(例:「LoFi」タグなど)
これで、「最初からだいたい同じ歩幅で歩いている人たち(=テンポが近いループ)」だけを集めた状態になります。
② 再生をDAWのテンポに同期して試聴する
次に、Loopcloudのプレビュー再生をLogic Proのテンポに合わせて聴いてみるステップです。
- Loopcloudウィンドウ上部にある「SYNC」や「Follow DAW」などの同期ボタンをオンにする
- Logic Proで再生ボタンを押し、プロジェクトを再生
- Loopcloud側で素材をクリックすると、Logic Proのテンポに合わせた状態でループが鳴る
これで、実際に曲の中で鳴ったときのノリを確認しながら素材を選べます。
素材のキーを合わせる手順(Key編)
続いて、キーを合わせる操作です。ここでは、「曲のキーはもう決まっている想定」で進めます。
① 曲のキーに合わせて検索フィルターを設定する
Loopcloudの素材には、多くの場合「Key(C, D, F# など)」が表示されています。まずは、曲のキーに近い素材だけを表示させましょう。
- Loopcloudの検索フィルターにある「Key」または「Scale」項目を探す
- 曲のキーがF minorなら、「F」や「Fm」「F minor」を中心に選択
- もし見つからなければ、近いキー(例:C minor, A# minorなど)も許容しておく
ここでは「大まかに近いキーの素材を集める」くらいの感覚でOKです。
② KEY LOCK やセミトーン調整でピッタリ合わせる
次に、Loopcloud側のキー調整機能を使って、曲のキーに合わせていきます。
- Loopcloudウィンドウ上部にある「KEY LOCK」ボタンをオンにする
- KEY表示の横にあるプルダウンやセミトーン調整で、曲のキー(例:F)を選択
- 素材を再生すると、自動的に指定キーへピッチがシフトされる
例えば、素材が「D minor」で、曲が「F minor」の場合、
- KEY LOCKをオンにしてターゲットキーをFにすると、素材がF minorに合うようにピッチ調整される
すべて完璧に合うわけではありませんが、「なんとなく不協和音っぽい」状態から「だいぶ馴染んできた」レベルまで整えることができます。
テンポ・キーがバラバラな素材をまとめるコツ
実際には、テンポもキーも完全一致の素材だけで曲を作るのは難しいです。そこで、少し離れた素材をうまく「寄せて」使うコツを紹介します。
① ループ素材とワンショット素材で考え方を分ける
テンポ&キー合わせの難易度は、素材の種類によって変わります。
- ドラムループ・コードループ:テンポとキーの両方を、ある程度ちゃんとそろえたい
- ワンショット(キック1発・クラップ1発など):テンポはあまり関係ないので、ノリと音質重視でOK
- ボーカルチョップ・メロディ系:キーをしっかり合わせると、「狙ったおしゃれさ」が出しやすい
特に初心者のうちは、
・ドラム=テンポ重視 / キーはあまり気にしない
・コード&メロディ=キー重視 / テンポはちょっとの差ならOK
というふうに割り切ると、考えやすくなります。
② 「なんとなく違和感」を最後に耳でチェックする
テンポとキーの数字が合っていても、耳で聴いて「うーん?」と感じることはあります。最後は数字より耳を信じるのが大事です。
- Logic Proに素材をドラッグ&ドロップして、ループを並べて再生してみる
- 「ここだけ浮いてるな…」と感じる素材は、別のループに差し替える or ピッチやタイミングを微調整する
- 慣れないうちは、素材数を少なくしてシンプルな構成にすると違和感を見つけやすい
どんなに数字が完璧でも、最終的には「耳で聴いて気持ちいいか」がいちばん大事なので、数字はあくまでガイドラインとして使ってみてください。
まとめ|まずは1トラック分の素材だけテンポ&キーをそろえてみよう
今回は、Loopcloudで素材のテンポとキーをそろえる基本の流れを紹介しました。
- 曲のテンポとキーは、先にLogic Pro側で決める
- LoopcloudのBPMフィルターで、まずはテンポが近い素材を探す
- LoopcloudのSYNC機能で、DAWのテンポに合わせて試聴する
- KeyフィルターとKEY LOCK・セミトーン調整で、曲のキーに寄せていく
- 最後は数字だけでなく、耳で聴いて違和感がないかチェックする
最初から全部のトラックで完璧に揃えようとすると、どうしても疲れてしまいます。まずは、
・ドラムループ1本
・コードループ1本
・メロディ or ボーカルチョップ1本
だけを選んで、テンポとキーをそろえる練習をしてみてください。
慣れてくると、「このテンポ帯ならこのジャンルが合いそう」「このキーならテトに歌わせやすそう」など、自分なりの感覚も育ってきます。

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