DTM初心者向け|音源選びで失敗しないコツと避けるべき罠
こんにちは、kawaharaです。
DTMを始めたばかりの頃、つい気になってしまうのが「どの音源を買えばいいの?」という悩みです。SNSや動画で見かける有名シンセや、セール中の総合音源を見ていると、どんどん欲しくなってしまいますよね。
ですが、最初の音源選びを間違えると、お金も時間も使ったのに、なぜか曲は進まない……という状態になりがちです。この記事では、DTM初心者さんが陥りやすい「音源選びの罠」と、その回避方法をやさしく解説します。
結論から言うと、最初は少数精鋭で「役割ごとに最低限1つずつ」揃えればOKです。Logic Pro付属音源や、信頼できる無料・サブスク音源をうまく組み合わせることで、kawaii・lofi系の楽曲でも十分クオリティを出せます。
この記事はカテゴリの基礎記事です。
ここから、結論 → 理由 → 手順 → まとめの流れで、音源選びの考え方と具体的なチェック方法をお伝えしていきます。
音源選びの結論:役割ごとに「最低限1つずつ」でOK
まず押さえたいゴール:音源は「役割」で考える
最初に押さえておきたい結論は、「何本音源を持っているか」ではなく「曲づくりに必要な役割が埋まっているか」で考えるということです。
たとえば、kawaii・lofi系のシンプルなトラックなら、最低限こんな役割があれば1曲が完成します。
- ドラム(キック・スネア・ハイハットなど)
- ベース
- コード(パッド・ピアノ・エレピなど)
- リード・メロディ(シンセやベル系)
- 空間・装飾(リバーブ、環境音、ちょっとした効果音)
この5つの役割がそれぞれ「自分が使いやすい音源で1つずつ埋まっている」状態なら、音源の数自体は多くなくても大丈夫です。
逆に、似たようなシンセやピアノ音源を10本持っていても、ドラムやベースが弱ければ、トラック全体のクオリティはなかなか上がりません。
手順:今ある音源を「役割ごと」に整理する方法
いきなり新しい音源を買う前に、今ある音源を整理してみましょう。Logic Proを使っている場合の具体例で説明します。
- ① Logic Proを開き、空のプロジェクトを作成します。
- ② トラックヘッダ左側の「+」ボタンをクリックし、「ソフトウェア音源」を選びます。
- ③ 左側に表示されるライブラリ(ショートカット:Yキー)を開き、カテゴリを確認します。
- ④ 下記のように、使えそうな音源をメモしていきます。
- ドラム:Drum Machine Designer、Drummer、Loopcloudのドラムループ
- ベース:ES2、Alchemyのベースプリセット など
- コード:Studio Piano、E-Piano、パッド系プリセット など
- リード:ベル系、シンセリード など
- 空間:環境音ループ、リバーブ付きパッド など
- ⑤ 「この役割は、まだしっくりくる音源がないかも」という箇所だけ、後で外部音源やLoopcloudのサンプルで補うイメージを持ちます。
この整理ができていると、後から音源を追加するときも「不足している役割だけをピンポイントで補強する」という考え方ができるようになります。
罠①:いきなり高額な総合音源・シンセを買ってしまう
なぜDTM初心者にはオーバースペックになりやすいのか
セール情報やレビューを見ていると、「これさえ買えばプロっぽくなる」と感じる総合音源や大型シンセがたくさんあります。ですが、DTMを始めたばかりの段階では、ほとんどの機能を使い切れないことが多いです。
大型音源には何千ものプリセットが入っていることもあり、
- どの音を使うか選ぶだけで疲れてしまう
- 毎回プリセットを変えているうちに、曲が完成しない
- 容量が大きく、ストレージやダウンロード時間も圧迫
という状態になりがちです。
料理に例えると、いきなり高級スパイスセットを全部買ってしまうようなものです。最初は、塩・こしょう・しょうゆぐらいでも十分おいしい料理が作れます。それと同じで、DAW付属音源+少しだけ追加音源でも、十分に「今の自分に必要な音」は揃います。
手順:高額音源を買う前にチェックしたい3つのポイント
高額な総合音源・シンセを検討している場合は、以下のチェックリストを通してからでも遅くありません。
- ① 「この音源でしかできないこと」が明確かどうか
- 例:特定のジャンルに特化した音、表現力の高い生楽器、付属音源にはない質感など。
- ② 既に3曲以上作っていて、その中で「毎回困っているポイント」があるか
- 例:毎回ストリングスの質感に不満がある、リードシンセの抜けが足りないなど。
- ③ 代わりに無料やサブスクで試せる選択肢がないか
- Loopcloudや無料シンセで近い音を試してみるのも手です。
この3つをチェックしてもなお「必要だ」と感じるなら、その音源はあなたの制作スタイルにフィットしている可能性が高いです。
罠②:無料音源を入れすぎてPCがカオスになる
無料プラグイン沼でよくあるトラブル
「無料」と聞くと、ついあれこれインストールしてしまいますが、入れ過ぎると次のような問題が起こります。
- プラグイン一覧が長くなりすぎて、目的の音源を探せない
- 古いプラグインがOSやDAWと相性悪く、クラッシュの原因になる
- 音量や音質がバラバラで、ミックスが途端に難しくなる
結果として、「音源探しに時間を使って、作曲の時間が減る」という本末転倒な状態になりがちです。
手順:残す音源・消す音源を整理するステップ
一度、手持ちの無料音源・プラグインを整理してみましょう。以下は、整理するときの具体的なステップです。
- ① DAWのプラグイン一覧をスクリーンショットやメモに控える。
- ② 下記のいずれかに当てはまるものに印を付ける。
- 半年以上使っていない
- 音が気に入らなかった記憶がある
- 起動が遅い・不安定だった
- ③ 印を付けたプラグインは、いったん「お試しフォルダ」に移動するイメージで、DAWのプラグインスキャン対象から外します。
- ④ 1〜2か月制作してみて、「やっぱり必要だった」と感じたら戻し、それ以外はアンインストール候補に。
この整理をすることで、「今の自分がよく使う音源」が自然と浮かび上がるようになります。
罠③:作りたいジャンルと合わない音源ばかり集めてしまう
kawaii・lofi向けなのに「雰囲気が合わない音源」とは
kawaii・lofiを作りたいと思っているのに、
- シネマティック系ストリングスばかり
- ハードなメタル系ギター音源が中心
- EDM用の攻撃的すぎるドラムばかり
といった音源ばかり集めてしまうと、「作りたい世界観」と「持っている音」が噛み合わない状態になります。
これは、ファッションで例えると、
- かわいいカフェに行きたいのに、クローゼットにはスーツとアウトドアウェアしかない
というようなイメージです。服そのものは良くても、行きたい場所と合っていないと「何か違う…」となってしまいます。
手順:ゴール曲から逆算して音源を選ぶ方法
ジャンルに合った音源を集めるには、「こうなりたい曲」を1〜2曲決めるところから始めるのがおすすめです。
- ① YouTubeやサブスクで、「こういう曲を作りたい」というkawaii・lofi曲を1〜2曲ピックアップ。
- ② その曲をよく聴きながら、次のポイントをメモします。
- ドラムは生ドラムっぽいのか、打ち込み系なのか
- ベースはアナログシンセ系か、ベースギター系か
- コードはピアノ、エレピ、パッドなどどの質感が中心か
- リードはベル系か、シンセリードか、ボーカルチョップか
- ③ Logic Pro付属音源やLoopcloudのサンプルから、「似た質感の音」を探します。
- ④ それでも足りない音だけ、外部音源や追加サンプルを検討する。
このように「理想の曲 → 必要な役割 → 足りない音」という順番で考えると、ムダ買いを減らしつつ、必要な音だけを揃えることができます。
DTM初心者向け:具体的な「最初の音源セット」例
Logic Proユーザー向け・最低限セットのイメージ
ここでは、Logic Proを使ったkawaii・lofi制作をイメージした「最初の音源セット」を例として挙げてみます。
- ドラム:
- Drummer(ポップ〜R&B系のドラマー)
- Drum Machine DesignerのLo-Fi系キット
- ベース:
- Alchemyの「Bass」カテゴリから、サイン波〜やわらかいシンセベース
- コード:
- Studio Piano、E-Piano
- パッド系(「Pad」カテゴリから落ち着いた音色)
- リード:
- ベル系(Mallet / Bell系のプリセット)
- シンプルなシンセリード
- 空間・装飾:
- リバーブ(Space Designerなど)
- Loopcloudの環境音・ノイズループ
まずは、これらの「付属+サンプル」だけで数曲作ってみるのがおすすめです。その上で、「ここが物足りない」と感じたところだけを外部音源で補強していきましょう。
手順:追加音源を選ぶときの優先順位
追加で音源を買うなら、次のような優先順位で検討すると失敗が少なくなります。
- ① ドラム・ベース周りを最優先で強化
- グルーヴの土台になるので、ここが強いと曲全体のクオリティが一気に上がります。
- ② ジャンルのキャラクターを決めるリード音源
- kawaii系ならベル・チップチューン系、lofiならローファイピアノやギターなど。
- ③ 空間系・質感系のプラグイン
- リバーブ、テープ風サチュレーション、ローファイ系の質感エフェクトなど。
この順番で強化していくと、「音源はそこまで多くないのに、曲の雰囲気はしっかり出る」状態を作りやすくなります。
まとめ:音源選びは「コレクション」より「使いこなし」
今日からできる小さな一歩
ここまで、DTM初心者さんが陥りやすい音源選びの罠と、その回避方法をお話ししてきました。
- 役割ごとに最低限1つずつ揃えばOK
- いきなり高額な総合音源に飛びつかない
- 無料音源を入れすぎて環境を不安定にしない
- 作りたいジャンルから逆算して音源を選ぶ
どんなに高価な音源を持っていても、「自分がよく使う少数の音源をじっくり使いこなす」ことの方が、結果的に上達への近道になります。
まずは、今持っている音源を役割ごとに整理し、Logic Pro付属音源やLoopcloudのサンプルを活かしながら、1曲を最後まで作ってみてください。その経験こそが、次にどんな音源を選ぶべきかを教えてくれます。
この記事が、あなたの音源選びの迷いを少しでも減らすきっかけになればうれしいです。

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